シー・エス・ランバー(7808)2027年5月期 第1四半期決算分析――請負は完工待ちと読みました

シー・エス・ランバー(7808)2027年5月期 第1四半期決算分析――請負は完工待ちと読みました 日本株

家を建てる前に、木を刻んでおく会社

家の柱や梁は、昔は大工さんが現場で寸法を測り、継ぎ手を刻んでいました。いまはその大半を工場で済ませてから現場に運びます。これをプレカットと呼びます。

シー・エス・ランバーは、首都圏でその加工を請け負う会社です。柱と梁で組む在来の工法と、ツーバイフォー工法の両方を扱います。買うのは工務店やハウスメーカーです。注文住宅の基礎ができたころ、番号を振った木材がトラックで届きます。

加工だけでなく、自分で建物を建てる建築請負もしています。大きな木造の施設も手がけます。もう一つの事業が賃貸です。短信によると、保育所を23か所、ほかの施設を44か所貸しています。木を刻む会社が、保育所の大家でもあります。

営業利益は2割増、純利益はほぼ横ばい

2026年10月15日に出た、6月から8月までの第1四半期決算です。

今回前年同期増減率
売上高51億6,800万円47億7,700万円+8.2%
営業利益3億2,300万円2億6,200万円+23.4%
経常利益2億9,900万円2億3,700万円+26.1%
純利益2億300万円2億100万円+1.3%

営業利益と経常利益は2割以上伸びたのに、純利益は前年とほとんど変わりませんでした。

純利益が止まったのは、前年の税金が軽かったから

損益計算書を下まで追うと、税金等調整前の利益は2億3,779万円から3億28万円へ増えています。一方で、法人税等の合計は3,642万円から9,638万円へ増えました。

法人税等の合計を税引前の利益で割ると、前年は約15%、今年は約32%です。これは私の割り算です。前年の第1四半期は税の負担が軽く、今年はふつうの水準に戻ったことになります。前年がなぜ軽かったのかは、決算短信には書かれていません。

純利益の伸びが小さいのは本業が弱ったからではない、と私は受け取りました。

プレカットは赤字から黒字へ

売上高 前年同期売上高 今回セグメント利益 前年同期セグメント利益 今回
プレカット34億998万円38億1,074万円△2,118万円1億558万円
建築請負13億1,858万円11億8,208万円1億708万円2,048万円
不動産賃貸2億9,676万円3億6,205万円1億5,626万円1億6,021万円

売上高は事業どうしの取引を含んだ額です。

主力のプレカットは、前年の赤字から1億558万円の黒字になりました。短信の説明文によると、台風と8月の記録的な集中豪雨で、出荷先の現場では基礎工事の延期が相次ぎました。そのため出荷の調整を迫られたそうです。それでも出荷棟数は1割増えました。

気になったのは、棟数と坪数の開きです。棟数は11.0%増えたのに、坪数は2.6%増にとどまっています。ツーバイフォー部門は坪数が6.9%減りました。1棟あたりの面積が小さくなっているということです。家が小ぶりになったのか、小さな案件を多く取ったのか、短信からはどちらとも言えません。

売上が1割減った建築請負で、受注は倍を超えた

建築請負は、売上が1割減り、利益は1億708万円から2,048万円へ8割減りました。数字だけなら、いちばん悪い事業です。

ところが、短信の最後にある受注の表を開くと、話が逆になります。

受注高 前年同期受注高 今回受注残高 前年同期受注残高 今回
プレカット34億7,226万円39億1,219万円34億4,338万円42億107万円
建築請負7億9,360万円18億6,648万円15億8,971万円19億3,596万円

建築請負の受注高は、7億9,360万円から18億6,648万円へ増えました。2倍を超えています。……いや、売上が減った事業の数字には見えない。

ここで引っかかって、4ページ目の説明文に戻りました。この3か月の着工は63棟で、うち大型の木造施設が9棟です。完工は前期からの持ち越しを含めて36棟、大型は3棟でした。建て始めた数が、建て終えた数の倍近くあります。

取った仕事はある。まだ建物が仕上がっていないので、売上と利益に出てくるのはこれからだ、と私は考えました。

現金が10億円減り、利息が倍近くに

現金及び預金は、50億5,446万円から40億6,155万円になりました。減った額は9億9,200万円です。その間に、棚卸資産は4億8,200万円増えています。賃貸不動産は2億4,100万円、投資その他の資産は4億9,800万円の増加です。

この第1四半期は、キャッシュ・フロー計算書を作っていないと注記にあります。お金の流れを項目ごとには追えません。棚卸資産も貸借対照表では1行にまとまっていて、何が増えたのかは分かりません。着工が増えた請負の仕掛かりなら筋は通りますが、それは私の推測です。

借入金は、1年以内に返す長期借入金が3億200万円、長期借入金が2億1,800万円増えました。支払利息は2,727万円から4,944万円へ、ほぼ倍です。借入金の増え方に比べて、利息の増え方が大きい。賃貸は借りたお金で建物を持つ商売なので、金利の上昇がそのまま響きます。

前年に1,277万円あった支払手数料は、104万円に減りました。そのため、営業外費用の合計は1,094万円の増加で収まっています。

会社はどう説明しているか

会社は、プレカットで受注競争が激しかったこと、8月の豪雨で出荷と引き渡しが遅れたことを挙げています。そのうえで、業績は「おおむね計画どおり」と書き、7月16日に出した通期予想を変えていません。

豪雨の話は、私はそのまま受け取っています。理由は、出荷を調整したという説明と、請負の着工と完工の開きが、同じことを示しているからです。

留保を付けたいのは受注競争のほうです。それが利益をどれだけ削ったのかは、決算短信では金額が示されていません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

通期予想第1四半期進捗率
売上高210億円51億6,800万円24.6%
営業利益14億9,000万円3億2,300万円21.7%
経常利益12億7,000万円2億9,900万円23.5%
純利益9億1,000万円2億300万円22.3%

進捗率は、表紙の通期予想で私が割ったものです。

3か月で4分の1という目安には、どれもわずかに届いていません。営業利益は、残りの9月から5月までに11億6,700万円が要ります。前年同期より3割余り多い額です。

もう少し近い山も見ておきます。上期の営業利益の予想は7億4,500万円です。ここから第1四半期の3億2,300万円を引くと、9月から11月の3か月で4億2,200万円です。いま終わった3か月の、約1.3倍を稼ぐ計画になります。

私はどう読んだか

この遅れは一時的なもので、売上はあとから付いてくる、と私は考えています。理由は、請負でもプレカットでも、受注残が前年より積み上がっているからです。

ただ、心配性なので、下振れの側も書いておきます。現金が減り、利息が倍近くになりました。請負が仕上がるまでの間、借入金でつなぐ形が続くなら、営業利益の伸びの一部は利息に取られます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | 株式会社シー・エス・ランバー
こちらは 決算短信 です。シー・エス・ランバーは、在来工法、金物工法、2x4工法の様々な木材プレカット、パネル製造を中核に製材、配送、木造住宅建設、不動産賃貸・販売をトータルに手掛け、住宅業界に貢献しています。また、保育所、介護施設など大型...

投資その他の資産が3か月で4億9,800万円増えた中身は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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