店のBGMから、家の電気まで
名前を聞くと、動画配信の会社を思い浮かべる人が多いと思います。それも柱の一つです。映画やドラマ、漫画を月額で楽しめる『U-NEXT』がそれにあたります。ただ、短信の説明を読むと、この会社の土台は店のほうにあります。
飲食店や小売店で流れているBGM、レジ、防犯カメラ。ホテルや病院に置く自動精算機。今年の春からは、カラオケボックスに入れる業務用のカラオケ機器も加わりました。店を開く人が、開業から毎日の営業まで、まとめて頼める相手になろうとしている会社です。
そのうえで、店や家庭に光回線と電気を売り、店向けにカード決済や家賃の保証も手がけています。今回の決算でいちばん効いたのは、この「電気」でした。
売上は2割増えて、利益は減った
2026年10月14日に出た、8月期の通期決算です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,699億5,700万円 | 3,904億800万円 | +20.4% |
| 営業利益 | 302億5,500万円 | 315億7,100万円 | △4.2% |
| 経常利益 | 281億6,900万円 | 309億円 | △8.8% |
| 純利益 | 149億5,900万円 | 183億9,500万円 | △18.7% |
売上は2割増えたのに、営業利益から下はそろって減っています。売上に対する営業利益の割合は、8.1%から6.4%に下がりました。
利益を削ったのは、電気の事業だけでした
減った理由を探しに、事業ごとの表まで行きました。短信の19ページ目にあります。
| 事業 | 前期の営業利益 | 今回の営業利益 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| コンテンツ配信 | 96億4,800万円 | 112億7,600万円 | +16.9% |
| 店舗・施設ソリューション | 163億6,100万円 | 168億4,900万円 | +3.0% |
| 通信・エネルギー | 131億8,600万円 | 95億3,300万円 | △27.7% |
| 金融・不動産・グローバル | 14億8,400万円 | 21億5,600万円 | +45.3% |
| 全社費用など | △91億900万円 | △95億6,000万円 | ― |
4つの事業のうち、利益が減ったのは通信・エネルギーだけです。前期の131億8,600万円から、今回は95億3,300万円になりました。差し引くと、ここだけで36億5,300万円減っています。会社全体の営業利益は13億1,600万円の減少ですから、この事業の減りがほかの3事業の伸びを上回り、その差が全体の減益になった形です。ここは私の引き算です。
動画配信は売上の伸びより利益の伸びのほうが大きく、店向けの事業も増益でした。全体の稼ぐ力が落ちたわけではない、というのが表から言えることです。
売掛金と買掛金が、ほぼ同じ額だけ膨らんでいた
ここからはキャッシュ・フロー計算書の話です。引っかかったのは、営業活動の中の2行でした。
売上債権の増加が398億6,700万円。仕入債務の増加が397億1,100万円。……ほとんど同じ額だ。
貸借対照表に戻ると、どちらも倍近くになっています。
| 科目 | 前期末 | 今期末 |
|---|---|---|
| 受取手形、売掛金及び契約資産 | 489億2,700万円 | 915億8,900万円 |
| 支払手形及び買掛金 | 365億5,900万円 | 774億9,100万円 |
受け取るお金と払うお金が、同じだけ増えています。売上が2割伸びた程度では、ここまでは膨らみません。
手がかりは、事業ごとの資産の欄にありました。金融・不動産・グローバル事業の資産が、187億8,700万円から670億9,000万円へ増えています。この事業は2026年2月に、ネット銀行からカード決済の加盟店側の業務を引き継いでいます。
カードで払われたお金は、カード会社から決済の会社を通って店へ渡ります。預かっている間は、受け取る側の売掛金にも、払う側の買掛金にも同じ額が載ります。売掛金と買掛金がそろって膨らんだのはこの預かり分だ、と私は受け取りました。増え方の理由そのものは決算短信には書かれていませんが、時期と事業の名前は合っています。
営業キャッシュ・フローは、206億7,100万円から237億4,300万円へ増えました。利益は減っても、本業で入ってきた現金は増えています。売掛金の膨らみは、心配する種類のものではないと考えています。
社債を出して、会社を買った一年
もう一つ、お金の集め方と使い方がこの1年で変わったことが、財務の数字に出ています。
| 項目 | 前期 | 今回 |
|---|---|---|
| 社債の残高 | 100億円 | 300億円 |
| 子会社の買収に使ったお金 | 32億1,500万円 | 173億5,400万円 |
| 支払利息 | 7億8,600万円 | 13億4,800万円 |
| 自己資本比率 | 37.6% | 30.9% |
社債を200億円出して、カラオケのエクシングや、個人向けの家賃保証の会社などを傘下に入れました。利息は営業利益に比べればまだ小さい額です。それでも、経常利益の減り方が営業利益より大きいのは、この利息や手数料の増加が効いているからです。
中東の問題で、電気の仕入れ値が上がった
会社は短信の7ページ目で、こう説明しています。2026年2月に起きた中東問題が主な原因で電気の仕入れ値が上がり、下半期に業績が大きく悪化した。いまは顧客や販売代理店との取引条件の見直しを含めて、立て直しを進めている、という内容です。
この説明は、そのまま受け取ります。理由は、事業ごとの表を見ても減益が一つの事業に集まっていて、説明と合っているからです。ただ、通信とエネルギーは短信では分けて出ていないので、減った36億円がすべて電気の分かどうかまでは確かめられません。
気になるのは「取引条件の見直し」の中身です。仕入れ値の上昇を料金に乗せれば、客が他へ移ることもあります。どこまで料金を見直すのかは、決算短信には書かれていません。
来期は、前期の水準より少し上に戻す予想
通期の決算なので、進み具合の話はありません。代わりに、会社は2027年8月期の予想を出しています。
| 今回の実績 | 来期の会社予想 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,699億5,700万円 | 5,240億円 | +11.5% |
| 営業利益 | 302億5,500万円 | 325億円 | +7.4% |
| 経常利益 | 281億6,900万円 | 307億円 | +9.0% |
| 純利益 | 149億5,900万円 | 165億円 | +10.3% |
配当は今回17円で、来期は19円の予想です。
営業利益の予想は、減益になる前の前期の水準を少し上回っています。電気で失った分をどこまで取り戻す前提なのかは、事業ごとの予想が短信に載っていないので分かりません。
私はどう読んだか
この減益は電気の仕入れ値という外から来た原価の上昇によるもので、ほかの3事業の伸びは崩れていない、と私は考えています。理由は、利益が減った事業が一つに絞られていて、その事業について会社が時期と原因を自分の言葉で書いているからです。
心配性なので、頭に残っているのは来期の電気です。中東の問題が長引けば、取引条件を見直しても追いつかないかもしれません。借入を増やして傘下に入れた会社が、来期の利益をどれだけ押し上げるのかも、まだ数字では見えていません。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)

通信・エネルギー事業の減益のうち、電気の分がいくらだったのかは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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