令和アカウンティング・ホールディングス(296A)2027年3月期中間決算分析――下期予想が気になる

令和アカウンティング・ホールディングス(296A)2027年3月期中間決算分析――下期予想が気になる 日本株

会社の経理部を、外から手伝う会社

会社の経理部を外から手伝う会社です。もとは税理士法人で、決算の締め方や新しい会計ルールへの対応について相談に乗っています。経理担当者が学ぶための講座も用意しています。もう一つの柱はM&Aの支援です。こちらは一件ごとの仕事で、毎月決まって入ってくる収入ではありません。

子会社にはシステム開発の会社があります。AIを使った「ミラクルX」というサービスを、大企業向けに出しています。名前からすると、買ったものを資産として計上するのか、費用として処理するのかの判定を手伝う仕組みだと思います。

私も財務の仕事をしているので、決算期の経理部がどれだけ人手に困っているかは身に覚えがあります。この会社のお客さんは、そういう部署です。

売上は1割、営業利益は3割伸びた中間期

2026年10月21日に出た中間決算です。

今回前年同期増減率
売上高29億5,500万円26億5,400万円+11.3%
営業利益10億7,000万円8億2,000万円+30.5%
経常利益10億6,700万円8億2,300万円+29.7%
純利益7億1,300万円5億6,400万円+26.5%

売上と利益の伸び方の差が大きいので、損益計算書まで下りてみました。

増えた売上の大半が、そのまま営業利益になっている

前年の上期今回の上期増えた額
売上高26億5,467万円29億5,559万円約3億0,092万円
売上原価12億0,000万円12億5,176万円約5,175万円
販売費及び一般管理費6億3,396万円6億3,285万円約△110万円
営業利益8億2,070万円10億7,097万円約2億5,026万円

約の付いた数字は、損益計算書の2期の数字を私が引き算したものです。

売上が3億0,092万円増えて、営業利益は2億5,026万円増えています。2億5,026万円を3億0,092万円で割ると、8割あまりです。増えた売上の8割あまりが利益に残った計算になります。

販管費は前年とほぼ同じで、わずかに減っています。原価も5,175万円しか増えていません。人や事務所を増やさずに、同じ体制でこなす仕事の量を増やした形です。ここまでは損益計算書の数字です。

手元の現金のうち、5億9,261万円は東京都のお金

貸借対照表の現金及び預金は23億5,275万円です。ただ、短信の最後の注記で引っかかりました。このうち5億9,261万円は、子会社のHSK事業承継支援が扱う、東京都の事業承継支援事業の補助金です。東京都から受け取ったお金を金融機関に預けていて、負債の側には預り金として載っています。

キャッシュ・フロー計算書の期末残高は17億6,014万円です。23億5,275万円から5億9,261万円を引くと、ちょうどこの数字になります。期首の残高も同じ引き算で合います。

つまり会社は、預かっているお金をキャッシュ・フロー計算書の現金から最初から外しています。貸借対照表の現金だけを拾うと、手元のお金を6億円ほど多く数えることになります。

稼いだ現金は、ほとんど配当で出ていった

上期の営業キャッシュ・フローは8億0,777万円で、前年の上期より5割増えています。売掛金の回収が進んだぶんも入っています。

一方で、配当金の支払いは7億5,867万円でした。稼いだ現金とほぼ同じ額です。利益剰余金は、上期の利益を足しても半年で3,434万円減っています。会社が示している配当の予想は、予想利益のほぼ全部を株主に返す水準です。

投資の側では、無形固定資産の取得に6,722万円を使っています。前年の上期は1,726万円でした。ソフトウエアは1億円台まで積み上がっています。新しいシステムの開発にお金を回しているようです。

会社は「案件をこなす速さが上がった」と説明している

短信の4ページ目で、会社は利益が伸びた理由を書いています。AIなどを使って生産性を上げ、抱えていた仕事を前年より多く消化できるようにした、という説明です。ミラクルXについても、大企業を中心に広がり始めたと書いています。

販管費が横ばいのまま利益だけが伸びているので、説明と数字は合っています。ここはそのまま受け取ります。

留保が要るのはミラクルXのほうです。会社の報告セグメントはコンサルティング事業だけで、システム開発は小さいとして数字が載っていません。AIのサービスがどれだけ売上に入っているかは、決算短信には書かれていません。

下期は、前年より少ない利益で置かれている

通期予想は据え置きです。上期の営業利益10億7,000万円は、通期予想21億6,000万円の半分ほどで、時期の目安どおりです。

営業利益上期下期通期
前期 実績8億2,000万円約11億6,700万円約19億8,700万円
今期10億7,000万円約10億9,000万円21億6,000万円(予想)

前期の通期は、予想の増減率+8.7%から私が割り戻しました。通期予想21億6,000万円を、8.7%増える前の水準に戻した数字です。前期の下期は、そこから上期を引いた数字です。今期の下期は、通期予想から上期を引いた残りです。

……前年の下期は、上期より4割も大きかったのか。

前年は下期のほうが稼いでいました。今期の予想は、その下期を前年より6%あまり少なく見込んでいます。純利益になると、1割5分ほど少ない見込みです。

会社は、生産性の向上は続くものだと書きつつ、効果がはっきりしてから数字を出し直すとしています。上期の利益の伸びを、まだ予想に入れていない形です。

ただ、四半期で分けると別の顔が見えます。中間の営業利益は10億7,000万円で、そのうち第1四半期が5億5,100万円です。差し引くと、7月から9月の3か月は5億1,900万円になります。第1四半期より少し小さくなっています。下期の残り10億9,000万円は、1四半期あたり5億4,500万円です。直近の3か月のペースのままだと、届かない計算になります。

予想は古いと考えています

予想が古いのか、それとも下期が本当に弱いのか。この2つのどちらかだと思います。

私は前者の見方をしています。理由は、利益の伸びが営業外の収入ではなく、販管費を増やさずに売上を積んだところから出ているからです。体制の作り替えは、3か月で元に戻る種類のものではありません。前年に下期のほうが大きかったことも、据え置きを控えめに見る材料です。

心配なのは、7月から9月が第1四半期より小さかったことです。M&Aの支援は一件ごとの仕事なので、大きな案件が上期に固まっていただけなら、下期の見込みは控えめではなく素直な数字になります。どちらなのかは、下期の第3四半期で分かるはずです。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信|令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
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M&A支援の大きな案件が上期と下期のどちらに入る見込みなのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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