北関東の、何でもそろう大きな店
ジョイフル本田は、茨城県土浦市に本社を置くホームセンターです。店は茨城、千葉、群馬、栃木、埼玉、東京にあり、どの店もとても大きいのが特徴です。木材や工具を買いに来る職人さんと、週末に棚を作る人、畑の肥料と苗を探す人が、同じ店の中を歩いています。
資材のほかに、日用品やペット用品、庭の植物も並んでいます。水回りやカーポートのリフォームも請け負います。家に住み続けるあいだに要るものを、ひととおりそろえている店です。
いま、同業のアークランズと共同持株会社をつくり、経営統合する話を進めています。今回の短信で、その話が大きく動いていました。
連結になって初めての第1四半期
2026年11月2日発表の、2027年6月期第1四半期決算です。期間は6月21日から9月20日までの3か月です。
| 項目 | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 343億2,500万円 | — | — |
| 営業利益 | 24億6,000万円 | — | — |
| 経常利益 | 27億8,200万円 | — | — |
| 純利益 | 20億8,900万円 | — | — |
前年同期の欄は空いています。前の期の途中で株式会社本田を子会社にして連結に移ったため、比べる連結の数字が無いからです。
決算補足資料は、前年同期の単体と比べて、営業利益を90.8%としています。子会社の分を含めた今期の数字でも、1割近い減益です。
決算期末にゼロだった賞与引当金
最初に引っかかったのは、表紙の上期予想です。営業利益は通期で1.5%減の予想なのに、上期は17.4%減です。
| 営業利益 | 第1四半期 | 第2四半期 | 上期 |
|---|---|---|---|
| 今期 | 24億6,000万円(実績) | 18億9,000万円 | 43億5,000万円(予想) |
第2四半期は、上期予想から第1四半期の実績を私が引いた額です。
会社の説明は人件費です。賞与の算定方針を見直し、前期は第4四半期に偏っていた人件費を、今期は四半期ごとにならして計上しています。補足資料では、この影響で第1四半期の人件費が前年同期より約3億8,000万円増えています。
これを貸借対照表で確かめました。5ページ目の流動負債の賞与引当金は、前期末の6月20日が「-」、今回の9月20日が6億6,600万円です。
……決算期末に、賞与の引当がゼロか。
今期は3か月で6億6,600万円を積んでいます。会社の言う「平準化」は、負債の側にもそのまま表れていました。
これで上期と通期の差も説明がつきます。通期の86億円から上期の43億5,000万円を引いて、下期の額を出しました。下期は42億5,000万円で、上期とほぼ同じです。賞与を毎四半期に分けて積めば、そうなります。
前期は賞与が第4四半期に偏っていたぶん、上期の利益が大きく出ていました。その上期と比べるので、今期は大きく減って見えます。
この短信に、キャッシュ・フロー計算書が無かった
短信11ページ目の注記に、第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない、とあります。第1四半期では珍しいことではありません。代わりに補足資料が、営業キャッシュ・フローを16億9,600万円としています。
税金等調整前四半期純利益は27億7,800万円です。営業キャッシュ・フローがそれより11億円ほど少ない理由は、貸借対照表で追えます。
| 科目 | 前期末 | 今回 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 251億9,300万円 | 224億8,500万円 | △27億700万円 |
| 商品 | 235億7,200万円 | 251億1,200万円 | 15億3,900万円 |
| 買掛金 | 80億1,400万円 | 90億4,500万円 | 10億3,000万円 |
| 未払法人税等 | 16億6,500万円 | 7億6,800万円 | △8億9,600万円 |
増減は短信の説明文にある金額です。
商品が15億円増え、うち10億円は仕入先への支払いがまだの分で埋まっています。法人税の納付で9億円近くが出ていきました。商品が増えた理由を、補足資料は専門店の出店とシルバーウィーク向けの在庫確保としています。連休の直前が四半期の締めなので、不思議ではありません。
現金が27億円減った大部分は、短信の純資産の説明にある配当金の支払い25億4,400万円です。この3か月の純利益より、払った配当のほうが大きかったことになります。
純利益の減益予想は、前期の数字から見えた
通期の純利益は、26.7%減の66億円の予想です。営業利益と経常利益はほぼ横ばいなのに、純利益だけが大きく減ります。理由は今回の短信には書かれていません。
8月3日の前期決算短信と並べると、形が見えてきます。前期は経常利益99億5,400万円に対し、純利益が90億200万円でした。割り算すると、およそ9割が残っています。今期の予想は98億円に対して66億円で、7割弱です。
税金を払えば、残るのはふつう7割前後です。前期は残りすぎています。ここまでは前期と今期の数字です。
前期に特別利益のような一時的な利益があって、今期はそれが無い前提で予想を組んでいる、と私は読みました。その中身までは、今回の短信と補足資料では確かめられていません。
統合の日程が、すべて未定に
短信の追加情報に、アークランズとの統合の日程表が、変更前と変更後で並んでいます。変更前は、2027年2月25日に両社が上場廃止になり、3月1日に持株会社が上場する段取りでした。変更後は、最終契約を承認する取締役会から上場日まで、すべて「未定」です。
理由は、アークランズが2025年6月に完全子会社にしたペッツファーストホールディングスで、不適切な会計処理の疑いが判明したことです。アークランズは、外部の専門家だけの特別調査委員会を設けました。ジョイフル本田は、調査結果と相手の決算への影響を踏まえ、条件を精査し直すとしています。
期末配当は、統合後は持株会社が配当を行うため「未定」です。中間配当は前期と同じ1株42円の予定です。業績予想は、いまの組織を前提に作ってある、と注記にあります。
会社の説明は、雨と補修需要
会社は短信で、売上が伸びた理由を、専門店の出店効果と補修・防災の需要の取り込みだとしています。長雨や局地的な豪雨で、季節商材は伸び悩んだとも書いています。営業利益は期初の計画に対しておおむね想定どおり、という説明です。
賞与の話は引当金と合っているので、そのまま受け取ります。売上の話には少し留保をつけます。補足資料によると、天候不良で利益率の高い殺虫剤や季節品の売上が低迷しました。豪雨で補修の資材が売れたのも同じ天気のおかげで、来年も同じように雨が降るとは限りません。
補足資料には、電気の使用量は減ったものの、電力単価の上昇で電気料金が増えた、という説明もあります。これが計画に織り込み済みかどうかは、短信にも補足資料にも書かれていません。
通期予想に対して、どこまで来ているか
| 項目 | 通期予想 | 第1四半期 | 進捗率 | 残り9か月に必要な額 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,400億円 | 343億2,500万円 | 24.5% | 1,056億7,500万円 |
| 営業利益 | 86億円 | 24億6,000万円 | 28.6% | 61億4,000万円 |
| 経常利益 | 98億円 | 27億8,200万円 | 28.4% | 70億1,800万円 |
| 純利益 | 66億円 | 20億8,900万円 | 31.7% | 45億1,100万円 |
進捗率と残りの額は、表紙の通期予想から私が割り算と引き算で出しました。
一年の4分の1が過ぎ、売上はちょうど4分の1、営業利益は3割近くまで来ています。ただ、上期の計画では第2四半期の利益は第1四半期より少なくなります。営業利益が4分の1を上回っているのは計画どおりの出だしで、上振れではありません。会社も業績予想を変えていません。
私はどう読んだか
上期の大きな減益予想も第1四半期の減益も、賞与を計上する時期の話だと私は考えています。理由は、会社の説明が貸借対照表の賞与引当金と合っていて、下期の利益も上期とほぼ同じ額で組まれているからです。本業が弱って利益が減った決算ではありません。
心配性なので、気になる点は別に残しています。季節品の落ち込みを補修需要で埋めた売上の中身、電気料金、そして統合の日程です。統合が当初の形で進むのか、条件が変わるのかは見通せません。
出典:決算短信(会社発表)
関係会社株式が3か月で9億200万円減った理由は、短信からも補足資料からも読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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