はじめに
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営している会社です。入園チケットの売上だけでなく、園内のグッズや食事、すぐ隣のオフィシャルホテル、商業施設、駅とパークを結ぶモノレールまで、舞浜の一帯をグループで動かしています。
年に何度も通う人もいますし、修学旅行や家族の記念日に一度だけ来る人もいます。この会社の売上は、そういう一日に払われたお金を全部足したものです。
2026年8月24日に、7月30日に出た第1四半期決算を読みました。そのときは、営業外の持分法による投資利益が急に膨らんでいたことに引っかかりました。毎期出る種類の利益なのか、一度きりなのかは、短信からは分からないと書いています(前の記事)。今回はその続きです。
この決算で何が起きたか
2026年10月29日に出た、2027年3月期の中間決算です。
| 項目 | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,487億4,200万円 | 3,161億8,900万円 | +10.3% |
| 営業利益 | 784億9,700万円 | 682億4,100万円 | +15.0% |
| 経常利益 | 900億4,100万円 | 693億500万円 | +29.9% |
| 純利益 | 618億8,100万円 | 483億1,000万円 | +28.1% |
経常利益から下の伸び方が、営業利益よりずっと大きい形です。この形は第1四半期と同じでした。
持分法による投資利益は、7月からほとんど増えていない
損益計算書の営業外収益に、持分法による投資利益が101億9,400万円とあります。前年同期は2億2,800万円でした。
第1四半期の短信では、同じ科目が101億4,400万円でした。上期の101億9,400万円から、第1四半期の101億4,400万円を引きます。7月から9月の3か月で増えた分は、5,000万円です。半年分の利益のほぼ全部が、4月から6月に出ていたことになります。……夏の3か月は、ほとんど止まっている。
経常利益にどれだけ効いているかも確かめました。今回の経常利益900億4,100万円から、前年同期の693億500万円を引きます。前年同期より207億3,600万円増えています。持分法による投資利益のほうは、今回の101億9,400万円から前年同期の2億2,800万円を引きます。残る99億6,600万円が、この科目の増加分です。経常利益の伸びの半分近くを、春に出た一つの科目が占めています。
ここまでは損益計算書の数字です。毎四半期くり返し出る利益ではなく、一度きりのものだと私は受け取りました。どの投資先から出た利益なのかは、今回の決算短信にも書かれていません。
7月から9月だけを取り出すと、営業利益の伸びが鈍っている
上期の数字から第1四半期の数字を引けば、7月から9月の3か月だけの姿が出ます。前年の同じ3か月と並べました。
| 7月〜9月の3か月 | 今年 | 前年 |
|---|---|---|
| 売上高 | 約1,680億800万円 | 約1,524億3,900万円 |
| 営業利益 | 約307億8,100万円 | 約294億7,400万円 |
| テーマパークのセグメント利益 | 約228億9,000万円 | 約205億500万円 |
| ホテルのセグメント利益 | 約78億400万円 | 約83億3,700万円 |
約の付いた数字は、上期累計の数字から第1四半期の短信の数字を私が引いたものです。
売上は1割増えたままなのに、営業利益は4%ほどしか増えていません。第1四半期は2割増でしたから、伸び方がはっきり変わりました。
パークの利益は1割ほど増えていて、ここは崩れていません。グッズの売上が2割近く伸びている点も、第1四半期から続いています。減ったのはホテルです。
上期全体で見ても、ホテルの売上は561億1,700万円から590億5,700万円へ増えています。一方でセグメント利益は、175億500万円から170億5,800万円へ減りました。売上より費用のほうが速く増えたということですが、何の費用なのかは、短信のセグメント情報からは読み取れませんでした。
作りかけの設備は、この3か月でも積み上がった
貸借対照表の建設仮勘定は、期首の1,032億円から1,439億4,000万円へ増えました。半年で4割増です。新しく連結に入ったオリエンタルランド・クルーズの準備と同じ時期に、営業外費用の開業費も3億2,500万円から10億円に増えています。
社債は、1年以内に返す分とそれ以外を足すと、半年で200億円減りました。これは私の足し算です。現金及び預金は4,608億6,100万円で、期首からあまり動いていません。
お金の出入りを確かめたいところですが、キャッシュ・フロー計算書は今回の中間決算短信にも載っていません。添付資料を最後までめくっても、無いものは無い。ここは毎回少し悔しいところです。
会社はどう説明しているか
今回の短信には、業績の理由を会社が自分の言葉で書いた節がありません。添付資料の目次は財務諸表と注記から始まっています。表紙には、業績予想と配当予想のどちらにも「修正の有無:有」とあるだけです。
上方修正の理由も、持分法による投資利益の中身も、決算短信には書かれていません。2ページ目には、説明会の資料と主な質疑応答を会社のホームページに載せる予定だとあります。私はそちらをまだ開いていないので、その説明は紹介できません。
通期予想に対して、どこまで来ているか
会社は通期予想を引き上げました。
| 項目 | 7月時点の予想 | 今回の予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,243億1,200万円 | 7,633億3,400万円 | 45.7% |
| 営業利益 | 1,607億7,600万円 | 1,854億6,500万円 | 42.3% |
| 純利益 | 1,137億9,700万円 | 1,335億2,600万円 | 46.3% |
前期比で減益の見込みだった営業利益と純利益が、どちらも増益の予想に変わりました。引き上げた幅は、営業利益が約246億円、純利益が約197億円です(私の引き算です)。
どの利益も、半年でまだ半分に届いていません。残りの半年で、営業利益は1,069億6,800万円が必要です。前年の下期より7%ほど多い額になります。純利益は716億4,500万円で、前年の下期よりわずかに少ない見込みです。
前の記事で、私は減益の通期予想を「あの利益は一度きり」という会社の見方の表れだと書きました。これは半分外れていました。営業利益まで減益で見込んでいたのは、本業そのものを控えめに見ていたからです。今回、その分を大きく戻しています。
私はどう読んだか
私は、パークの本業は強いままで、ただ7月以降は伸び方が落ち着いてきた、という見方をしています。理由は、夏の3か月もパークの利益は1割増えているからです。営業利益全体が4%ほどの増加にとどまった差は、ホテルの減益が作っています。
持分法による投資利益は、春に一度出て、夏にはほぼ出ませんでした。後半の純利益をわずかな減益と予想していることも、この利益が後半には無い前提だと考えれば、つじつまが合います。
心配性なので、一つだけ頭に残しています。会社は後半に7%近い営業増益を見込んでいますが、7月から9月の実績はそれより低い伸びでした。残りの半年でその差を埋められるかは、見通せません。
出典:決算短信(会社発表)
持分法による投資利益が、どの投資先の、どういう性質の利益なのかは、今回の決算短信からも読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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