ファーストコーポレーション(1430)2027年5月期 第1四半期決算分析――利息は想定内と読みました

ファーストコーポレーション(1430)2027年5月期 第1四半期決算分析――利息は想定内と読みました 日本株

はじめに

首都圏で分譲マンションを建てている建設会社です。福岡にも出ています。

仕事の取り方が、入札を待つ建設会社とは逆です。まず自分でマンションに向いた土地を探して押さえます。それを分譲会社に「この土地に、こういう建物を」と持ち込み、建築もそのまま請け負います。土地探しから完成までを、一続きで引き受けるやり方です。

マンションを買う人が、この会社の名前を目にすることは多くありません。客は分譲会社で、売り出すときの看板も分譲会社のものだからです。それでも、住む人が毎日過ごすのはこの会社が建てた建物です。ほかに、押さえた土地や建物を自分で売る不動産の商売も持っています。

本業は増益、最後の利益は減益

2026年10月15日に出た、第1四半期(6月から8月)の決算です。

今回前年同期増減率
売上高71億8,800万円74億2,100万円−3.1%
営業利益4億7,000万円4億3,000万円+9.2%
経常利益4億1,300万円4億2,700万円−3.3%
純利益2億6,900万円2億8,300万円−4.8%

本業の利益は1割近く増えたのに、その下の段で減っています。差が開いたのは、営業利益と経常利益のあいだです。

支払利息が、前年の4倍近くになっている

損益計算書の営業外の欄に、理由がありました。

営業外の項目前年同期今回
支払利息1,696万円6,337万円
受取保険金1,021万円―
営業外収益合計1,352万円753万円
営業外費用合計1,717万円6,466万円

支払利息は1,696万円から6,337万円へ増えています。前年の4倍近くです。営業利益は4億3,000万円から4億7,000万円へ伸びました。伸びた額は4,000万円ほどです。利息の増えた分は6,337万円から1,696万円を引いた額で、その伸びを上回ります。前年に入っていた保険金も、今回は欄が空いています。

引っかかったのはここです。利息がこれだけ増えるには、借りているお金もそれだけ増えているはずです。

借りたお金は、仕掛かりの土地と現金になっていた

この短信には、キャッシュ・フロー計算書が付いていません。第1四半期は作らなくてよいことになっていて、短信の11ページ目の注記にも「作成しておりません」とあります。お金の動きは、貸借対照表の前期末との差で追います。

前期末(5月31日)第1四半期末(8月31日)
仕掛販売用不動産170億6,636万円204億7,328万円
現金及び預金26億2,462万円56億7,526万円
短期借入金18億4,400万円48億4,400万円
長期借入金81億2,031万円129億5,223万円
自己資本比率34.5%28.6%

長期で48億3,191万円、短期で30億円。合わせて78億円あまりを3か月で借り増しています。行き先の大きいほうは仕掛販売用不動産で、34億円増えました。これから建てる、あるいは売る予定の土地や建物です。

……いや、これは利息の話というより、土地の話だ。土地を先に押さえて持ち込むやり方なら、仕事を増やすほど、先に出ていくお金が膨らみます。

現金のほうも30億円増えていて、短期で借りた額とほぼ同じです。何に使う予定の現金なのかは、短信には書かれていません。

減価償却費は3か月で330万円です。工場や機械にお金が寝ているのではなく、大半が土地と工事の中にある会社だと分かります。

注記には、8月10日に中央日本土地建物へ自己株式60万株を割り当て、資本業務提携を結んだともあります。提携の中身は短信には書かれていません。株を出して自己資本は増えましたが、借入の伸びのほうが速く、自己資本比率は3割を切りました。

減った売上の中で、粗利は増えていた

営業利益が伸びた中身も、事業ごとに確かめておきます。今回の増益は、売上が増えたからではありません。

事業前年同期今回増減率
建設 売上57億2,622万円60億1,050万円+5.0%
建設 利益6億5,706万円6億9,296万円+5.5%
不動産 売上16億4,520万円10億7,214万円−34.8%
不動産 利益7,641万円9,147万円+19.7%

不動産の売上が3割以上減り、全体の売上を押し下げました。それでも会社全体の粗利は、8億645万円から9億5,352万円へ増えています。ここまでは損益計算書と事業別の表の数字です。

建設は量も利益も伸び、不動産は売った量が減っても利幅の厚いものが残った、と私は読みました。販管費は1億円ほど増えましたが、その内訳は短信には書かれていません。

受注は「順調」、利息には触れていない

会社の説明文は、首都圏のマンションの着工も供給も減っている、という話から始まります。そのうえで、引き合いは活況で、自社のシェアにも伸びる余地があると書いています。だから当面の受注は確保できる、という説明です。

裏付けとして挙げているのが受注です。この3か月で受注は2件、受注高は206億1,144万円、受注残高は428億1,482万円。年間の受注計画350億円に向けて「順調」としています。2件で計画の半分を超えているので、この言葉は数字と合っています。

一方で、短信の説明文は景気の先行きの心配に「金利の上昇」を挙げながら、自社の利息が増えたことには触れていません。借入を増やした理由も、短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに書いてあるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。受注の話はそのまま受け取り、利息の話は留保します。

前年も、第1四半期の進みは遅かった

通期予想第1四半期進み具合前年同期の進み具合
売上高440億円71億8,800万円16.3%約20.4%
営業利益35億円4億7,000万円13.4%約14.8%

約の付いた数字は、前年の第1四半期を前期の通期実績(売上高364億1,700万円、営業利益28億9,600万円)で割った、私の計算です。

3か月なら4分の1が目安ですが、営業利益は7分の1ほどです。ただ前年の同じ時期も同じくらいで、この会社の第1四半期は、もともと進みが遅い形です。それでも残り9か月で稼ぐ必要があるのは、30億3,000万円です。35億円から4億7,000万円を引いた額です。前年の残り9か月は28億9,600万円から4億3,000万円を引いた額なので、それより2割強多い計算です。

予想を前期の実績と並べると、会社が営業外の持ち出しを大きく見込んでいたことが分かります。営業利益35億円から経常利益30億円を引きます。残る5億円が持ち出しです。前期は28億9,600万円と26億8,900万円でした。差は2億700万円です。2倍以上の見積もりを7月15日に出し、今回も変えていません。

今回の3か月の持ち出しは、5,700万円です。4億7,000万円から4億1,300万円を引いた額です。4倍しても2億3,000万円ほどです。予想の5億円の内側にあります。

私はどう読んだか

利息の増え方は、予想を崩す話なのか、予想の内なのか。このどちらかだと思います。

私は後者の見方をしています。理由は、7月15日に出た予想が営業外の持ち出しを前期の2倍以上と置いていて、今回の3か月はその内側に収まっているからです。借りたお金の行き先も、土地と現金という説明の付く場所にあります。

心配性なので、悪いほうも書いておきます。借入の多くが四半期の途中で増えたのなら、次の3か月の利息はもっと大きくなるはずです。会社自身が先行きの心配に金利の上昇を挙げている以上、ここは毎回確かめます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信・決算説明資料|ファーストコーポレーション株式会社
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借入を3か月で78億円あまり増やした理由と、積み上がった現金の使い道は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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