セレコーポレーション(5078)2027年2月期 中間決算分析――後半の利益の置き方が腑に落ちない

セレコーポレーション(5078)2027年2月期 中間決算分析――後半の利益の置き方が腑に落ちない 日本株

若い社会人向けのアパートを、建てて預かる会社

セレコーポレーションは、東京・神奈川・埼玉・千葉に場所を絞って、アパートを建てている会社です。注文主は土地を持っている個人です。空いた土地や古い家の跡にアパートを建て、家賃収入で資産を残したい人たちです。

建物は軽い鉄骨の造りで、骨組みの部材は千葉の自社工場で作っています。入居者として想定しているのは、25歳から35歳くらいの都内で働く人です。ワンルームの広さで1LDKのように暮らせる間取りなど、部屋の作りに凝っています。私も埼玉の賃貸に住んでいるので、客層の少し上にいることになります。

建てたあとも手を離しません。建物を一括で借り上げたり管理を預かったりして、入居者探しから家賃の集金、修繕まで引き受けます。自分で駅に近い土地を仕入れてアパートを建て、資産家に一棟ごと販売する商売もあります。建てる、仕立てて渡す、預かる。この3本の会社です。

売上はほぼ前年並み、利益は4分の1減りました

2026年10月15日に出た、3月から8月までの上期6か月の決算です。

項目今回前年同期増減率
売上高109億7,500万円107億9,900万円+1.6%
営業利益7億6,400万円10億4,700万円△27.0%
経常利益7億7,000万円10億5,000万円△26.6%
純利益5億1,300万円6億8,500万円△25.1%

通期の予想は、4月に出したものから変えていません。

利益の減り方は、建てる事業ひとつで説明が付きます

短信の最後、添付資料13ページに事業ごとの表があります。

事業売上 前年同期売上 今回利益 前年同期利益 今回
建てる(賃貸住宅)49億1,449万円42億4,210万円6億3,230万円2億9,281万円
仕立てて渡す(賃貸開発)13億3,261万円15億6,543万円2億1,712万円1億3,199万円
預かる(賃貸経営)52億5,910万円54億5,760万円6億7,593万円6億9,589万円

前年を上回ったのは、預かる事業だけです。管理戸数は1万2,711戸、入居率は98.3%で、ここは崩れていません。

建てる事業の利益は、前年同期の6億3,230万円が、今回は2億9,281万円になりました。減った額は3億3,949万円です。会社全体の営業利益の減りは2億8,247万円です。建てる事業ひとつで、全体の減少を上回ります。

損益計算書に戻ると、売上総利益は24億3,763万円から20億6,291万円へ下がっています。3億7,471万円の目減りです。販売費及び一般管理費は9,224万円減りました。経費を削って、粗利の目減りを少し埋めた形です。

建てる事業の売上減は、大半がグループの内側でした

引っかかったのは、建てる事業の売上です。短信の説明文には13.7%減とあります。ところが同じ表を外の客とグループの内側に分けると、減り方がまるで違います。

建てる事業の売上前年同期今回
外の客へ42億3,241万円40億1,973万円
グループの内側へ6億8,207万円2億2,236万円

外の客への売上は5%ほどの減りです。内側への売上は3分の1になりました。内側の相手が誰なのかは、短信には書かれていません。

貸借対照表では、開発事業の仕掛販売用不動産が8億7,770万円から4億6,453万円へ、半分近くに減っています。開発事業が新しく建て始める物件が減り、その工事を請けていた建てる事業の、グループ内向けの売上も減った、と私は受け取りました。

地主さんからの注文の落ち込みは、13.7%という数字ほど大きくありません。それでも利益は半分以下です。棟数の減りより、1棟あたりの儲けが薄くなったことのほうが効いています。

現金が増えたのは、物件の在庫が現金に戻ったからでした

添付資料11ページのキャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローは21億9,995万円の入りでした。前年同期は4億8,422万円の出でした。

いちばん大きいのは、棚卸資産の減少11億5,125万円です。前年同期は逆に8億4,694万円増えていました。開発事業で物件を引き渡し、在庫が現金に戻った分です。この商売では、仕込む期と引き渡す期で現金の出入りが大きく振れるのは自然なことです。

税金の支払いも3,205万円と、前年同期の3億9,975万円より軽く済んでいます。中間期末の未払法人税等は2億7,495万円まで積み上がっていて、これは後半に出ていきます。

自社株の取得に5億2,391万円、配当に4億6,800万円を払いました。それでも現金及び現金同等物は6億8,305万円増えています。中間期末の残高は165億3,116万円です。自己資本比率は84.0%です。お金の面で心配するところは見当たりません。

会社は、原価高と前の期の絞り込みを理由に挙げています

会社の説明は2つです。1つは、前の期に販売する商品を戦略的に絞り込んだため、着工と引渡しの棟数が減ったこと。もう1つは、資材費・労務費・輸送費の上昇で、建てる事業の粗利率が落ちたことです。

原価の話は、事業ごとの表と合っています。外の客への売上がさほど減らずに利益が半分以下になったのは、そのまま原価の話として受け取れます。

開発事業については、「現状の市況環境に鑑みて販売価格を見直した」と書いています。売上は2割近く伸びて、利益は4割近く減りました。値を下げる方向の見直しだったと考えるのが自然です。

後半6か月に、前年のほぼ倍の営業利益を置いています

通期予想上期まで残り6か月に必要な額残り6か月の前年比
売上高235億8,000万円109億7,500万円126億500万円約3割増
営業利益20億1,600万円7億6,400万円12億5,200万円約2倍

右の2列は私の計算です。通期予想から上期までを引き、それを前年の後半と比べました。

前年と並べると、この予想の重さがはっきりします。通期の営業利益予想20億1,600万円は、前期比+19.2%です。これを1.192で割り戻すと、前期の通期はおよそ16億9,100万円になります。そこから前年の上期10億4,700万円を引くと、前年の後半は6億4,400万円ほどでした。前年は後半のほうが弱かったのに、今年は後半に12億5,200万円を見込んでいます。

上期の中の流れも見ておきます。6か月の7億6,400万円から、第1四半期の3億7,800万円を引きます。残る6月から8月の3か月は、3億8,600万円です。第1四半期とほぼ同じです。後半は3か月ごとに、12億5,200万円の半分の6億2,600万円が要るので、まだ開きがあります。

……いや、これは重い。

手がかりが無いわけではありません。未成工事受入金、つまり工事の前に地主さんから受け取ったお金が、7億1,347万円から9億4,538万円へ増えています。後半に建てる事業の売上が戻る材料にはなります。予想を変えなかった理由として、短信に書かれているのは「各種対策を推進しており」の一文です。

私はどう読んだか

見方は2つあります。1つは、前受金の積み上がりを手がかりに、後半に引渡しが集まると考えるもの。もう1つは、原価が高いまま利益を倍にする前提は重すぎる、と考えるものです。

私は後者の見方をしています。理由は、売上には前受金という手がかりがあるのに、粗利率がどこまで戻る前提なのかの手がかりが、短信には見当たらないからです。6月から8月の3か月にも、利益が戻り始めた跡はまだありません。

心配性なので、第3四半期の短信が出たら、建てる事業の利益から先に見ます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | IR情報 | 株式会社セレ コーポレーション
セレ コーポレーションの決算短信を確認できます。

建てる事業の粗利率が、後半にどこまで戻る前提で予想が組まれているのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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