ピックルスホールディングス(2935)2027年2月期 中間決算分析――下期の伸びが腑に落ちない

ピックルスホールディングス(2935)2027年2月期 中間決算分析――下期の伸びが腑に落ちない 決算を読む

はじめに

ピックルスホールディングスは、スーパーやコンビニの冷蔵の棚に並ぶキムチ、浅漬、惣菜を作っている会社です。「ご飯がススム」の名前が付いたキムチは、見かけたことのある人も多いと思います。夕飯にもう一品足したいときや、弁当の隅に何か入れたいときに、手に取られる商品です。

浅漬は日持ちが短く、売る場所の近くで作らないと間に合いません。そのためこの会社は、北海道から九州まで製造と販売の拠点を置いています。白菜や胡瓜を仕入れて漬けて出すので、畑のでき具合と、包んで運ぶ手間が、そのまま利益に響きます。

キムチは売れていたのに、売上も利益も減った

9月30日に出た、2027年2月期の中間決算です。3月から8月までの半年分になります。

今回前年同期増減率
売上高215億1,600万円223億2,100万円△3.6%
営業利益12億2,500万円15億6,900万円△21.9%
経常利益12億7,100万円16億2,300万円△21.6%
純利益8億4,700万円11億200万円△23.2%

売上の減り方は小さく、利益はどの段でも2割以上減っています。

売上ほどには、原価が減らなかった

営業利益の減り方を、損益計算書の2つの行に分けてみます。

前年同期今回差
売上総利益50億3,700万円47億5,000万円△2億8,700万円
販売費及び一般管理費34億6,700万円35億2,500万円+5,800万円
営業利益15億6,900万円12億2,500万円△3億4,400万円

粗利は2億8,700万円目減りし、販管費は5,800万円増えました。この2つを足すと3億4,500万円です。営業利益の減った額とほぼ重なります。1,000万円に届かない差は、短信の端数の切り捨てによるものです。

粗利の目減りを営業利益の減った額で割ると8割ほどになり、減益の大半は粗利から来ています。売上は8億500万円減ったのに、売上原価は5億1,900万円しか減っていません。売れた量に対して、原料や包材にかかるお金が重くなったということです。

販管費は、売上が減ったのに増えています。その内訳は決算短信には載っておらず、何が増えたのかは分かりません。

利益が減った半年に、配当予想を年32円にした

表紙の配当の欄で手が止まりました。中間配当は15円で、期末の予想は17円です。合わせると、年間では32円になります。前期は年29円でした。欄の下には「配当予想からの修正の有無:有」とあります。

利益が2割以上減った半年の締めに、配当の予想を動かしている。……普通は逆だ。

同じ表紙で、通期の業績予想は4月に出したものから変えていません。会社は、年間の利益はまだ届くと考えていて、それを配当の形でも示したのだと私は受け取りました。どの数字から修正したのかは、この短信には書かれていません。

この短信には、キャッシュ・フロー計算書が載っていない

私はいつも、利益と一緒に現金の流れを確かめます。ところがこの中間の短信には、キャッシュ・フロー計算書がありません。貸借対照表の差から、動いたものを拾うしかありません。

2月末から8月末への変化金額
現金及び預金△2億5,500万円
買掛金△3億9,800万円
機械装置及び運搬具+2億5,400万円
受取手形及び売掛金+1億5,700万円
未払法人税等△1億4,400万円

現金が減った分より、買掛金の減り方のほうが大きくなっています。これが私の引っかかった点です。

前期末の2月28日は土曜日でした。月末の支払いが週明けに回ると、期末の買掛金は膨らんで見えます。その反動が今回の減り方に出ているのかもしれません。確かめるには、10月15日に出る予定の半期報告書を待つことになります。

会社の説明は、白菜と胡瓜と包装資材

短信の4ページ目で、会社は減益の理由を具体的に書いています。夏の猛暑と少雨で白菜の歩留まりが落ちたこと、初夏の雨と低温で胡瓜の育ちが遅れたこと、原料野菜の価格が高騰したこと。中東情勢によるナフサ不足で、包装資材の価格が高くなったことも挙げています。

売上については、節約志向とコンビニ向けの減少、それに品目の絞り込みを理由にしています。お米の値段が高くなって「ご飯のお供」が買われにくい、という一文もあります。キムチを売る会社が米の値段を気にしているのは、この商売らしい話です。

天候と資材の説明は、そのまま受け取れます。理由は、売上ほどには原価が減らなかったという損益計算書の形と、よく合うからです。

一方で、品目の絞り込みは、収益性を上げるために自分で選んだものです。この半年は粗利が減っていて、絞り込みの効果はまだ数字に出ていません。

通期予想には、下期の上積みが入っている

上期の実績下期に必要な額通期予想
売上高215億1,600万円194億8,400万円410億円
営業利益12億2,500万円5億9,500万円18億2,000万円

営業利益は、通期予想の3分の2まで来ています。半年で半分を超えているので、一見すると順調です。ただ、この会社は夏の半期に多く稼ぐ形をしているので、進み具合だけを見ても判断が付きません。

そこで、前年の下期と並べます。通期予想の営業利益は18億2,000万円です。これは前期比12.7%減、つまり前期の0.873倍にあたります。これを0.873で割り戻すと、前期の通期はおよそ20億8,500万円になります。そこから前年の上期15億6,900万円を引くと、前年の下期はおよそ5億1,600万円になります。

今年の下期に必要な5億9,500万円は、その15%増しです。上期は前年から2割以上減ったのに、下期は前年より稼ぐ見込みになっています。売上も同じで、上期は4%近く減り、下期は5%近く増える前提です。

私はどう読んだか

私は、この下期の見込みは楽観的すぎるという見方をしています。上期の結果が出たあとも、見込みは据え置かれたままです。理由は、上期に利益を削ったもののうち、季節が変われば入れ替わるのは天候だけだからです。包装資材の値上がりも、コンビニ向けの減少も、品目の絞り込みも、下期にそのまま続く話です。

配当の修正は、年間の数字に自信を持っているしるしとして受け取っています。ただ、その自信の中身、つまり下期に何が良くなるのかは、決算短信には書かれていません。表紙に補足説明資料と説明会の開催が「有」とあるので、そちらに書いてあるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

この先どうなるかは知りません。秋冬の白菜のでき具合と、下期の粗利を、次の決算で確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | IR情報 | 株式会社ピックルスホールディングス
ピックルスホールディングスの決算短信をご覧になれます。

下期に何が良くなって前年より稼げると会社が見込んでいるのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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