青果が港から売場に並ぶまでを支える会社
野菜や果物が産地や港を出て、スーパーの青果売場に届くまでには、何段階もの事務があります。発注、検品、請求といった仕事です。イーサポートリンクは、その流れを回す仕組みを作り、運用まで請け負っている会社です。輸入青果物の取引業務を受託し、スーパーの青果担当が品ぞろえを組むためのシステムも出しています。
最近は、店の青果売場づくりそのものを手伝う事業を始めています。地元の野菜を店が仕入れやすくする仕組みも手がけています。もう一つの柱は農業です。同社はりんごやさつまいもを集めて販売し、ケールやにんじんなどの有機野菜は自社の畑で育てて売っています。システムの会社が、畑まで持っている形です。
売上は伸び、最後の行で赤字に変わった
2026年10月1日に出た、第3四半期決算です。期間は2025年12月から2026年8月までの9か月です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 49億500万円 | 47億4,200万円 | +3.4% |
| 営業利益 | 4,400万円 | 6,400万円 | △30.8% |
| 経常利益 | 7,000万円 | 8,000万円 | △12.4% |
| 純利益 | △1,200万円 | 1,800万円 | — |
売上は少し増えました。利益は段を追うごとに細り、純利益で赤字になっています。
税引前は黒字、税金がそれを上回った
赤字の理由は、1ページ目の表からは分かりません。短信の8ページ目、損益計算書まで行くと見つかります。
税金等調整前の利益は7,022万円の黒字です。そこに法人税等が8,270万円かかっています。税金のほうが1,248万円多く、その差がそのまま最終赤字になりました。前年同期は、8,017万円の税前利益に対して税金が6,162万円でした。
引っかかったのはここです。税前の利益より税金が大きい。……普通の税率では、まず起きない。
10ページ目の注記に、税金の計算方法が書いてあります。四半期ごとに実際の税額を出すのではありません。通期の見込み税率を先に決め、それを税前利益に掛ける方式です。この8,270万円は、「1年を通すとこれくらいの割合になる」という会社の見込みから出た数字です。
その見込み税率がなぜここまで高いのかは、決算短信には書かれていません。黒字の事業と赤字の子会社が別々に税金を計算されると、子会社の赤字は全体の税金を減らしてくれません。今期は新しい子会社も1社できています。そうした組み合わせで税率が膨らんだ、と私は受け取りました。
営業利益の減り方は、本社の費用の増え方とほぼ同じ
営業利益が減った中身は、事業ごとの表で分かります。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| オペレーション支援事業 売上 | 29億9,102万円 | 30億5,939万円 |
| オペレーション支援事業 利益 | 9億5,827万円 | 9億8,054万円 |
| 農業支援事業 売上 | 17億5,167万円 | 18億4,604万円 |
| 農業支援事業 利益 | △1億5,767万円 | △1億7,948万円 |
| どの事業にも配っていない全社費用 | △7億3,843万円 | △7億5,933万円 |
表どうしを引き算すると、システムと受託の事業は利益を2,227万円積み増しています。一方で農業の赤字は2,181万円広がり、二つはほぼ打ち消し合いました。残るのは全社費用で、これが2,090万円増えています。営業利益の減少は1,992万円なので、大きさがほぼ重なります。
会社はどう説明しているか
短信の4ページ目で、会社は理由を自分の言葉で書いています。りんごは大雪や高温、鳥獣害で取れる量が減り、仕入れの値段が高くなりました。さつまいもは、取引先への債権の管理を固めるため、販売のペースを一時的に落としたそうです。りんごの生産では、投資の費用が先に出ています。
システム側では、青果売場づくりを手伝う事業が計画に届きませんでした。運営の子会社を作って体制を整えた費用が先に出ています。ドラッグストアとの関係は進んだものの、組む相手の開拓が課題で、導入が止まったとまで書いてあります。
この説明は、おおむねそのまま受け取ります。理由は、事業ごとの表の動きと、説明の向きが合っているからです。ただ「一時的」という言葉には留保を付けます。さつまいもを抑えたのが今期だけで終わるかは、次の決算を見るまで分かりません。
キャッシュ・フロー計算書の代わりに、貸借対照表を追った
この短信にはキャッシュ・フロー計算書が付いていません。9ページ目の注記に「作成しておりません」とあります。そこで貸借対照表から現金の動きを追いました。
| 前期末 | 今回 | |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 14億656万円 | 17億9,341万円 |
| 借入金の合計(短期・長期) | 6億5,441万円 | 8億759万円 |
| 商品及び製品 | 9億6,490万円 | 8億1,532万円 |
| 買掛金 | 8億1,862万円 | 9億4,076万円 |
借入金の合計は、短期借入金と長期借入金(1年以内に返す分を含む)を私が足したものです。
短期借入金だけなら4億円増えています。ただ長期の分は返済で減っていて、合計で増えたのは約1億5,300万円です。現金は3億8,600万円増えましたから、借入れだけでは説明が付きません。残りは、在庫が約1億5,000万円減ったことと、買掛金が約1億2,200万円増えたことで、おおむね埋まります。りんごは秋に集まる品物なので、11月末に多い在庫が8月末に減るのは、季節の動きかもしれません。
通期予想に対して、どこまで来ているか
表紙の通期予想は、今回修正されています。修正前の数字と理由は、別の「業績予想の修正に関するお知らせ」に書かれていて、私はそちらを読んでいません。短信で分かるのは修正後の数字だけで、純利益と1株利益の欄は空いています。
| 9か月の実績 | 通期予想 | 進み具合 | 残り3か月に要る額 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 49億500万円 | 68億7,600万円 | 71.3% | 19億7,100万円 |
| 営業利益 | 4,400万円 | 9,100万円 | 48.4% | 4,700万円 |
| 経常利益 | 7,000万円 | 1億1,700万円 | 59.8% | 4,700万円 |
営業利益は、4分の3が過ぎた時点で半分に届いていません。ただ、前年も同じ形でした。前年と並べると、遅れの意味が変わります。
表紙には、通期の営業利益予想の増減率が△35.6%と載っています。予想の9,100万円は、前年から35.6%減った残りです。これを0.644で割り戻すと、前年の通期は約1億4,100万円になります。前年の9か月は6,400万円でしたから、前年も半分に届いていません。最後の3か月に利益が寄る会社です。
| 営業利益 | 12月〜8月 | 9月〜11月 | 通期 |
|---|---|---|---|
| 前年 | 6,400万円 | 約7,700万円 | 約1億4,100万円 |
| 今年 | 4,400万円 | 約4,700万円 | 9,100万円(予想) |
約の付いた数字は、表紙の増減率から私が割り戻し、通期から9か月を引いたものです。
私はどう読んだか
進み具合が遅く見えるのは、季節のせいだと考えています。問題は遅れではなく、利益がいちばん出る3か月を、前年より4割ほど少なく見積もっていることです。私はこちらの見方をしています。理由は、その3か月の売上は前年より1割以上多く見込んだまま、利益だけを削っているからです。売れる量ではなく、費用か採算のほうに、何か悪い材料を見込んでいるはずです。
税金のほうは、見込み税率から出た数字なので、通期で締めると形が変わることがあります。それでも、純利益の予想欄を空けたままにしている以上、会社自身もそこを言い切れていない、と私は読んでいます。
出典:決算短信(会社発表)
通期予想をどちらへ、なぜ修正したのか、そして見込み税率が税前利益を超えるほど高くなる理由は、読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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