ブロンコビリー(3091)2026年12月期 第3四半期決算分析――利益の出どころに納得しました

ブロンコビリー(3091)2026年12月期 第3四半期決算分析――利益の出どころに納得しました 日本株

はじめに

郊外の広い駐車場に車を停めて、家族で入る。炭火で焼いたステーキやハンバーグが熱い鉄板に乗って出てきて、サラダは自分で取りに行く。ブロンコビリーは、そういう店を作っている会社です。名古屋から始まって、いまは関東や九州にも店を出しています。

ファミリーレストランの中では値段が高いほうです。週末に家族で、あるいは何かの集まりで行く店。だから「わざわざ車を出して行く理由」を作り続けないと客足が止まります。サラダバーの中身や期間限定メニューの話が決算の説明文に並ぶのは、そこがこの商売の芯だからです。

ほかに、とんかつの「かつ雅」などを運営する子会社と、グループの店へ食材を供給する食品会社を持っています。

この決算で何が起きたか

10月22日に出た第3四半期の決算です。1月から9月までの9か月分をまとめたものです。

項目今回(1〜9月)前年同期増減率
売上高253億5,100万円224億6,900万円+12.8%
営業利益30億5,400万円20億5,800万円+48.4%
経常利益30億7,300万円21億3,200万円+44.2%
純利益20億4,900万円14億1,900万円+44.3%

営業利益率は前年同期の9.2%から12.0%へ上がりました。

原価率と販管費率が、両方とも下がっている

損益計算書を開くと、営業利益が5割近く増えた道筋が二本に分かれていました。

項目今回(1〜9月)前年同期
売上高253億5,100万円224億6,900万円
売上原価81億7,400万円74億4,300万円
売上総利益171億7,600万円150億2,600万円
販売費及び一般管理費141億2,200万円129億6,700万円

原価を売上で割ると、前年の33.1%から32.2%へ下がっています。販管費のほうも、売上の57.7%から55.7%へ。どちらも私の割り算です。片方だけなら偶然もありますが、仕入れ側と経費側が同時に1〜2ポイント良くなっています。

人件費もエネルギー代も上がっている業種です。それでも経費の比率が下がったのは、売上の伸びが費用の伸びを上回ったからです。原価率が下がった理由そのものは、決算短信には書かれていません。

経常利益の伸びが、営業利益に追いつかなかった理由

引っかかったのは、営業利益が48.4%増なのに経常利益が44.2%増にとどまっている点です。本業の下に、逆向きの何かが挟まっています。

営業外収益の合計が、前年同期の9,500万円から4,600万円へ減っていました。前年には協賛金収入2,600万円と投資有価証券売却益2,400万円が並んでいて、今年はどちらも金額が入っていません。この二つで5,000万円です。

つまり前年の経常利益には、一度きりの収入が5,000万円ぶん乗っていました。今年はその土台を外したうえで4割強伸ばしています。特別損失も、前年にあった減損損失1,200万円が今年は消えています。伸び率が営業より小さく見えるのは、今年が弱いからではなく、前年が少し嵩上げされていたからです。

増えた売上の中に、4月に買った会社が入っている

説明文には、1〜9月の既存店売上高が前年比107.8%だったとあります。店を増やしただけでなく、1店あたりが伸びている、という数字です。

ただ、これで売上12.8%増の全部が説明できたことにはなりません。短信の注記に「連結範囲の重要な変更:有」とあり、新しく1社が加わっています。山口県で食肉の加工と惣菜の製造をしている会社を、4月に完全子会社にしたと説明文にあります。西日本に出す店へ商品を供給する体制を作るためです。

このほかに、ブロンコビリーを福岡と神奈川に1店ずつ、かつ雅を愛知に1店出しています。増えた28億8,200万円のうち、既存店の伸びがいくらで、新店がいくらで、買った会社の取り込みがいくらなのか。その内訳は決算短信には書かれていません。既存店が強いことと、売上が1割強増えたことは、別に数えるべき話です。

現金が15億4,200万円増えた。その道筋は短信に無い

注記のところで手が止まりました。「当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」。……いや、わかってはいるのです。四半期で作らない会社は多く、制度でも求められていません。それでも私はいつもここから見るので、落ち着きません。

代わりに書いてあるのは減価償却費だけです。6億8,400万円から7億700万円へ、という1行です。

貸借対照表のほうを見ると、現金及び預金が89億1,400万円から104億5,700万円へ増えていました。差は15億4,200万円です。純利益を上げ、配当を払い、新しい店と工場の設備に投資し、会社を1社買って、それでも手元の現金が15億円積み上がりました。借入は短期1億3,700万円と長期8,200万円だけです。自己資本比率は80.5%です。

残高が増えたことは分かります。ただ、そのうちどれだけを本業の商売が生んだのかは、決算短信からは読み取れませんでした。

会社はどう説明しているか

説明文に並んでいるのは、打ち手の話です。4月にサラダバーを「ブロンコビュッフェ」へ切り替えてメニュー数を増やし、7月に「炭焼きうながんこハンバーグ」、9月には数量限定で「炭焼き厚切り牛タン」を出した。6月から「韓国グルメフェア」を開き、人気漫画とのコラボもやった。とんかつの業態では商品の構成を変えて客単価を上げた、とあります。

どれがどれだけ効いたのかは、決算短信には書かれていません。そこは留保します。ただ、客の入れ替わりを狙う企画と、既存店の7.8%増が同じ9か月の中に並んでいます。順番としては筋が通っています。

会社側が心配事として挙げているのは、人手不足が当たり前になっていること、人件費とエネルギー代と原材料費が同時に上がっていること、そして買う人の節約志向です。いまのところ、その上がった費用は売上の伸びに吸収されています。

通期予想に対して、どこまで来ているか

通期予想は、7月22日に出したものから変えていません。

項目1〜9月の実績通期予想進み具合
売上高253億5,100万円340億円約74.6%
営業利益30億5,400万円39億7,000万円約76.9%
経常利益30億7,300万円40億2,000万円約76.4%
純利益20億4,900万円26億円約78.8%

約の付いた数字は、実績を通期予想で割った私の計算です。9か月が過ぎたので目安は4分の3で、売上はほぼぴったり、利益は少し先を行っています。

残りの3か月に必要な額も出してみました。営業利益の通期予想は39億7,000万円です。そこから1〜9月の30億5,400万円を引くと、残りは9億1,600万円になります。

これを前年の同じ3か月と並べます。通期予想の増減率は+35.5%と書いてあるので、割り戻しに使う倍率は1.355倍です。39億7,000万円をこれで割り戻すと、前年の通期の営業利益はおよそ29億3,000万円。そこから前年1〜9月の20億5,800万円を引くと、前年の10〜12月はおよそ8億7,000万円でした。

営業利益1〜9月10〜12月通期
前年 実績20億5,800万円約8億7,000万円約29億3,000万円
今年30億5,400万円約9億1,600万円39億7,000万円(会社予想)

約の付いた数字は、通期予想の増減率から私が割り戻して引いたものです。累計で5割近く伸ばしておいて、残り3か月は前年並みを積めば届く置き方になっています。

私はどう読んだか

増えた利益の出どころは本業だと考えています。理由は、一度きりの収入がむしろ5,000万円ぶん減っているのに営業利益が48.4%増え、仕入れ側と経費側の比率が両方とも下がったからです。ここまでは損益計算書の数字です。原価と経費の改善は、3か月で消える種類のものではないと考えています。

いっぽうで、増収12.8%の中身が分けられていないので、「既存店が強いから売上が1割強増えた」という読み方はしません。4月に加わった会社のぶんが、どこにどれだけ乗っているのかが分からないままです。

据え置かれた予想のほうは、累計の伸び方に比べると控えめです。年末の忙しい時期を前年並みと置いた理由は、決算短信には書かれていません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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増えた売上のうち、4月に子会社化した会社がいくらを持ち込んだのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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