アドヴァングループ(7463)2027年3月期 中間決算分析――経常減益は評価替えの話と読みました

アドヴァングループ(7463)2027年3月期 中間決算分析――経常減益は評価替えの話と読みました 日本株

はじめに

アドヴァングループは、建物の床や壁、外まわりに張る石材やタイルを扱う会社です。キッチンや浴室などの住宅設備も売っています。品物を卸すだけでなく、張る工事まで請け負います。見た目と質を重んじる品が中心です。

買うのは、家や店、事務所をつくる側の人たちです。工務店や設計事務所が施主と相談しながら、玄関の床にどの石を使うか、壁をどのタイルで仕上げるかを決めます。そのときに候補に入ってくる品物です。

建材とは別に、持っている建物を貸す事業もあります。自社の商品の入出庫を請け負う事業も持っています。

本業は8割の増益、経常は8割近い減益

10月9日に出た、2027年3月期の中間決算です。4月から9月までの半年分です。

今回前年同期増減率
売上高89億2,900万円82億8,300万円+7.8%
営業利益19億4,600万円10億7,300万円+81.4%
経常利益7億7,300万円33億8,400万円△77.1%
純利益8億9,300万円20億900万円△55.6%

本業の儲けを表す営業利益は、8割増えました。その下の経常利益と純利益は、大きく減っています。同じ半年で、上と下の向きが逆です。

経常利益を削ったのは、185億円の為替予約の評価替えでした

損益計算書の営業外費用に、為替予約評価損が載っています。前年の同じ時期は、逆に評価益が入っていました。

営業外の主な項目前年同期今回
為替予約評価益16億84万円―
為替予約評価損―24億7,044万円
為替差益4億2,796万円10億7,159万円

前年は益、今年は損です。本業で増やした分を、この振れが飲み込みました。

引っかかったのは、評価損そのものより、為替予約に積み上がっている評価益の大きさです。短信の4ページ目に、会社が額を書いています。評価益の額は3月末に210億3,200万円で、9月末には185億6,100万円でした。この差が、表にある24億7,044万円の評価損です。

185億円。……通期の売上高予想と、ほとんど同じ大きさだ。

貸借対照表を開くと、この評価益が「為替予約」という資産として載っています。流動資産に35億1,792万円、固定資産に150億4,396万円です。合わせると、さきほどの185億円になります。総資産832億7,500万円のうち2割強が、この勘定にあたります。2割強というのは私の割り算です。

評価益なので、まだ現金にはなっていません。円と外貨の関係が少し動くだけで、経常利益が数十億円の単位で振れる作りです。会社が経常利益と純利益の予想を出していないのも、表紙の注記によればこの見通しが難しいからです。

どの通貨を、何年先まで、何のために予約しているのかは、決算短信には書かれていません。輸入品の支払いに備えたものだと私は考えていますが、短信で確かめられたことではありません。

評価損は、現金の出入りではありません

キャッシュ・フロー計算書では、24億7,044万円の評価損が利益に足し戻されています。お金が出ていったわけではないからです。経常の減益は、帳簿の上の評価替えが中身です。

営業キャッシュ・フローは10億2,222万円で、前年の4億5,191万円より増えました。それでも本業の利益に比べると細めです。理由は、法人税等の支払いが28億9,626万円あったからです。未払法人税等は、3月末の30億7,658万円から9月末の4億7,052万円へ減りました。前の期の大きな利益にかかる税金を、この半年で払った形です。

財務の側では、配当に26億8,064万円を払い、同じ半年に長期で40億円を借りています。前の期には特別配当がありました。

売上は増えて、売上原価は増えていません

営業利益が8割増えた理由は、1ページ目の業績表だけでは分かりません。損益計算書の上の段を並べます。

前年同期今回
売上高82億8,375万円89億2,990万円
売上原価50億6,653万円50億5,479万円
売上総利益32億1,722万円38億7,511万円
販売費及び一般管理費21億4,416万円19億2,883万円

売上は6億円あまり増えました。売上原価は、前年とほとんど同じです。増えた売上が、ほぼそのまま粗利に乗っています。販管費も2億円ほど減りました。ここまでは損益計算書の数字です。

同じ品物を高く売れるようになったぶんが大きい、と私は読みました。

セグメントの表では、改善のほとんどが建材関連事業から来ています。建材の利益は12億4,018万円から19億3,796万円になりました。不動産賃貸も少し増えていますが、伸びの幅は建材が抜けています。

価格改定と効率化は数字と合い、在庫管理は合いません

会社は短信4ページ目で、増益の理由を3つ挙げています。価格改定、業務のマニュアル化などの効率化、それに徹底した在庫管理です。

前の2つは、原価が増えずに売上が増えたこと、販管費が減ったことと合っています。そのまま受け取ります。

3つめには留保を付けます。商品の残高は22億555万円から25億608万円へ増えています。キャッシュ・フロー計算書でも、棚卸資産で3億円あまりお金が出ていきました。ここでいう在庫管理が何を指すのかは、短信からは読み取れませんでした。

下期の営業利益は、前年より3割近く少ない置き方です

通期予想は4月6日に出したもので、今回も変えていません。

通期予想上期実績進み具合下期に必要な額下期の前年比
売上高185億円89億2,900万円48.3%95億7,100万円+9.4%
営業利益28億円19億4,600万円69.5%8億5,400万円△26.4%

売上は、ほぼ半分のところにいます。営業利益は、半年で7割近くまで来ました。

前年と並べると、下期の見込みの低さがはっきりします。通期予想28億円は、前の期より25.4%多い額だと表紙にあります。そこから逆算すると、前の期の通期営業利益はおよそ22億3,300万円です。そこから前年上期の10億7,300万円を引くと、前年の下期はおよそ11億6,000万円でした。前年に11億円台を稼いだ半年を、今年は8億5,400万円と見込んでいることになります。

同じ日に、中間期の予想と実績の差について別のお知らせも出ていますが、私はそちらを読んでいません。

私はどう読んだか

下期の営業利益が前年を下回る見込みには、2通りの受け取り方があります。4月に出した予想を動かしていないだけなのか。それとも、下期に何か悪い材料を見込んでいるのか。

私は前者の見方をしています。理由は、増えた利益が営業外や特別利益ではなく、売上原価と販管費という本業の段から生まれているからです。値段の改定は、半年で消える種類のものではありません。

心配性なので、在庫の増え方は頭の片隅に置いておきます。為替の前提が3月末のまま、という点も気になります。経常利益と純利益は、これから先も為替予約の評価替えで大きく振れるはずです。この会社の最終利益を見るときは、評価損益を外して見ることにします。

この先どうなるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.advan.co.jp/pdf/company/ir/2027-2Q.pdf

評価益が185億円にのぼる為替予約が、どの通貨を何年先まで予約したもので、何に使うためのものなのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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