ストリームは「ecカレント」というインターネット通販サイトを運営している会社です。扱うのはパソコンと家電で、自社のサイトのほかに楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonにも出店しています。
エアコンや冷蔵庫のような大型家電は、買って終わりではなく、届けて据え付ける手間が要ります。そこをコールセンターの接客と合わせて引き受けているのが、この会社の商売です。夏にエアコンを探して通販サイトをいくつか開いた人なら、どこかで名前を目にしているはずです。
子会社のエックスワンでは化粧品と健康食品を扱っていて、会員向けの販売と、免税店への卸をしています。もう一つ、通販で培った倉庫と受注の仕組みをほかの通販事業者に貸す、物流代行の仕事もあります。
この会社の決算を読むのは今回が初めてです。
この決算で何が起きたか
9月8日に出た2027年1月期の中間決算です。売上は4%足らずの増収なのに、営業利益は前年同期の2.5倍近くになっています。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 169億2,200万円 | 162億9,200万円 | +3.9% |
| 営業利益 | 1億6,900万円 | 6,800万円 | +146.0% |
| 経常利益 | 1億6,700万円 | 6,700万円 | +150.4% |
| 純利益 | 9,900万円 | △600万円 | — |
営業利益率は1.0%です。前年同期の0.4%から上がったとはいえ、倍増したのは元がとても小さかったからでもあります。ここまでが表紙です。
売上を伸ばしたのは周辺機器とデジカメで、家電は減っています
本体のネット通販は売上164億7,300万円、営業利益4億1,000万円で、前年同期から3割強の増益でした。短信の4ページ目に、その内訳がカテゴリ別に載っています。
| カテゴリ | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 家電 | 72億3,200万円 | 75億5,500万円 | −4.3% |
| パソコン | 27億2,900万円 | 27億1,300万円 | +0.6% |
| 周辺機器・デジタルカメラ | 59億2,500万円 | 49億2,500万円 | +20.3% |
周辺機器とデジカメが10億円伸びて、家電が3億2,300万円減っています。説明文にはスマートフォン、カメラ用レンズ、エアコン、電子レンジが好調と書いてありますが、数字で伸びたのはカメラとレンズの側です。ここで引っかかりました。
もう一つ、注文の数と売上の向きが逆です。受注件数は51万6,000件から50万7,000件へ減り、売上は増えました。
164億7,300万円を50万7,000件で割ると、1件あたり約3万2,500円です。前年は157億2,800万円を51万6,000件で割って約3万500円でした。注文が減って、1件が2,000円ほど高くなった、というのが私の割り算です。単価の高い品が伸びた、という説明文とは噛み合います。
堅調と書かれたエアコンと、5億円近く増えた在庫
貸借対照表の商品は、1月末の25億5,900万円から7月末の30億4,900万円へ増えました。半年で4億8,900万円の積み増しです。棚卸資産の回転率は年換算で13.8回から13.1回に落ちています。会社側は、2027年の省エネ基準への対応で買い替えが増えると見込み、取引先を増やしてエアコンの品揃えを大幅に広げた、と書いています。
……いや、噛み合わない。エアコンは堅調だと3か所に書かれていて、そのエアコンが入る家電のカテゴリは4.3%減っています。ここまでは短信の数字です。広げた品揃えのぶんが、7月末の時点ではまだ売れ切っていないのかもしれない、と私は考えています。
現金の側にも、それが出ています。営業キャッシュ・フローは1億3,900万円で、前年同期の7億4,100万円から大きく減りました。売掛金が4億7,500万円、在庫が4億8,800万円増えました。その分を買掛金の8億2,600万円増でまかなった形です。
現金は5,000万円減って13億1,600万円になりました。自己資本比率は43.8%から38.8%に下がりました。
通販以外の二つは、どちらも赤字です
化粧品と健康食品のエックスワンは、売上3億400万円で2割強の減収、営業損失は3,600万円です。前年同期の損失1,400万円から広がっています。会社の説明では、販売が計画を下回ったとあります。物流代行などのその他事業も1億6,800万円で1割強の減収、200万円の損失です。
連結の営業利益が増えた理由は、通販の増益と全社費用の減少です。通販の営業利益は4億1,000万円で、前年は3億700万円でした。差し引き1億300万円の増益です。全社費用は2億2,600万円から2億200万円に減っています。この2つで連結の増益1億100万円のほぼ全部が説明できます。
純利益の黒字転換には、前年の裏返しが入っています。前年同期は減損2,496万円と貸倒引当金繰入2,500万円の特別損失がありました。今年の特別損失は和解金の658万円だけです。この和解が何についてのものかは、決算短信には書かれていません。
会社はどう説明しているか
説明文には、好調と堅調が並びます。東京ゼロエミポイントの値引き、エアコンの最大5万円引きのクーポン、2027年問題を見込んだ品揃えの拡大、TikTok Shopでの動画販売、eギフトの導入。計画を下回ったと書かれているのは、エックスワンだけです。
通販の売上と利益が伸びたことは数字で確かめられるので、そのまま受け取ります。留保を付けるのはエアコンです。家電の中でどの品目が減ったのかは、短信には書かれていません。
通期予想に対して、どこまで来ているか
会社は3月に出した予想を据え置いています。
| 項目 | 通期予想 | 上期実績 | 進捗率 | 残り6か月に必要な額 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 338億8,100万円 | 169億2,200万円 | 49.9% | 169億5,900万円 |
| 営業利益 | 2億9,400万円 | 1億6,900万円 | 57.5% | 1億2,500万円 |
| 純利益 | 1億9,200万円 | 9,900万円 | 51.6% | 9,300万円 |
営業利益の残り1億2,500万円は、前年の同じ6か月と比べると4割以上減る計算です。これは短信の数字ではなく、私の割り算です。上期に2.5倍近く稼いだ会社が、下期は前年からそれだけ減ると自分で見込んでいることになります。
なぜそう置いたままなのかは、短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、9月11日にホームページへ載る予定ですが、私はまだ読んでいません。配当は期末3円の予想で、配当性向は43%です。
私はどう読んだか
読み方は2つあります。3月の予想が古いまま置いてあるだけ、という見方と、上期に積んだエアコンの在庫が下期の利益に響いてくるのを会社が見込んでいる、という見方です。
私は後者だと考えています。理由は、在庫が5億円近く増えているのに家電の売上が減っている、という組み合わせにあります。それが説明文ではなく、貸借対照表と売上の内訳に出ているからです。値引きクーポンを出して広げた品揃えが7月末に残っているなら、それを処分するのは下期です。心配性なので、そこを先に見ています。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)

貸借対照表の貸倒引当金が半年で2億7,787万円から1,587万円へ減った理由は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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