ベイカレント(6532)2027年2月期 中間決算分析――販管費の伸びは、先行した費用と読みました

ベイカレント(6532)2027年2月期 中間決算分析――販管費の伸びは、先行した費用と読みました 日本株

企業の計画づくりと実行を手伝う会社

ベイカレントは、企業向けのコンサルティング会社です。大企業の経営陣から相談を受けて、新しい事業の計画を一緒に作ります。紙と人手で回している業務をデジタルに置き換える計画もそのひとつで、実行の段階まで付き添います。短信にも、事業はコンサルティングの一本だけだと書かれています。

売っているのは、人の時間と頭です。工場も在庫もほとんど持ちません。ですから費用の多くは、人にかかるお金だと考えるのが普通です。決算と同じ日には、法律事務所と組んで、サイバー攻撃を受けた会社の対応を手伝うサービスを始めるとも発表していました。

私の勤め先は、こういう会社を雇うほど大きくありません。請求書を出す側の帳簿がどうなっているのか、という興味で短信を開きました。

売上は3割半ば、利益は3割弱増えた半年

10月15日に出た、2027年2月期の中間決算です。期間は2026年3月から8月の半年です。

今回前年同期増減率
売上高(売上収益)929億1,300万円684億6,200万円+35.7%
営業利益298億9,200万円232億7,000万円+28.5%
経常利益———
純利益222億900万円172億2,900万円+28.9%

国際会計基準で決算を出しているので、経常利益の欄は短信にありません。売上の伸びに比べて、利益の伸びが少し鈍いことが表から分かります。

粗利で増えた分の6割ほどを、販管費が使っている

業績表では分からず、4ページ目の表で見えたことがあります。粗利の率は、むしろ改善していました。

前年同期今回
売上総利益率55.4%58.3%
販売費及び一般管理費146億6,200万円243億2,700万円
営業利益率約34.0%約32.2%

約の付いた数字は、営業利益を売上で割った私の計算です。

売上総利益は、379億2,200万円から541億5,600万円へ増えました。増えた額は162億3,400万円です。同じ期間に販管費は、146億6,200万円から243億2,700万円へ増えています。こちらの増加は96億6,500万円です。粗利で増えた分の6割ほどを、販管費の増加が使った計算です。

販管費の伸びは65.9%で、売上の伸びのほぼ倍です。営業利益率が低くなったのは、原価ではなく販管費のためです。ここまでは損益計算書の数字です。

販管費が何に使われたのかは、決算短信には書かれていません。手がかりは貸借対照表にあります。有形固定資産が半年で23億2,000万円増え、リース負債も膨らみ、敷金の差し入れもありました。減価償却費は12億1,700万円から20億1,600万円へ増えています。事務所を広げている最中だ、と私は読みました。

本業で入った現金より、株主に返したお金のほうが多い

前年同期今回
営業活動によるキャッシュ・フロー187億1,000万円221億9,500万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△7億8,600万円△9億6,400万円
自己株式の取得△30億600万円△300億3,100万円
配当金の支払△56億2,600万円△75億9,100万円
現金の増減77億3,300万円△178億2,500万円

営業活動で入った現金は、前年同期より増えています。事業の稼ぐ力に、崩れた様子はありません。

それでも手元の現金は、半年で178億2,500万円減って、544億8,300万円になりました。理由は財務活動の欄にあります。自己株式の取得と配当を足すと376億円を超え、本業で入った現金を150億円ほど上回ります。……前年の自社株買いは30億円だった。10倍だ。

なぜこの規模で買ったのかは、決算短信には書かれていません。

もう一つ引っかかったのは、営業活動の中の小さな一行です。「その他の流動負債の増減額」が、前年同期の2億4,400万円の増加から、今回は45億8,800万円の減少に変わっています。貸借対照表でも、この科目は201億4,600万円から155億円へ減りました。中身が賞与の未払いなのか、税金の預かりなのかは、短信からは読み取れませんでした。

消した株が、資本剰余金を使い切った

10ページ目の持分変動計算書に、表紙では見えない動きがありました。会社は買い集めた自己株式のうち、243億2,400万円分を消却しています。

消却の元手には、まず資本剰余金が使われます。その資本剰余金は期首に85億2,200万円しかなく、半年後の残高はゼロです。足りない分として、利益剰余金から166億3,600万円が振り替えられています。発行済みの株は、1億5,541万1,410株から1億5,022万7,210株に減りました。

株の数が減ったぶん、1株あたりの利益は113円44銭から148円63銭へ、3割強伸びました。純利益の伸びより少し大きいのは、このためです。中間配当も、前年の50円から65円になっています。

会社の説明は、EBITDAの物差しで書かれている

会社は4ページ目で、増収とEBITDAの増益を挙げています。そのうえで、人材の採用と育成、主要な顧客への取り組み、サービスの強化を進めたと書いています。中期経営計画の目標は、売上を年に2割ほど伸ばし、2029年2月期に売上収益2,500億円、EBITDAマージン30〜40%です。

今回のEBITDAマージンは、前年同期の34.7%から33.1%へ低くなりました。それでも、掲げた幅の中にあります。会社の物差しでは、計画の範囲に収まっている半年です。

ただ、採用と販管費の増加を結びつける文は、短信にはありません。表紙には決算補足説明資料を作ったとあり、10月19日に説明会を開くとも書かれています。私はその資料をまだ見ていません。ここは留保を付けたまま受け取っておきます。

下期に要るのは、前年の下期より4分の1ほど多い営業利益

通期予想は、4月14日に出した数字から変わっていません。

通期予想上期実績進み具合下期に必要な分
売上高1,900億円929億1,300万円約49%約970億8,700万円
営業利益648億円298億9,200万円約46%約349億800万円
純利益481億円222億900万円約46%約258億9,100万円

約の付いた数字は、表紙の通期予想と上期の実績から、私が割ったり引いたりしたものです。

売上は半分の手前、営業利益は半分に届いていません。前年と並べると、この数字の重さが分かります。表紙の営業利益の予想648億円には、前期比+27.2%とあります。1.272で割り戻すと、前期の営業利益はおよそ509億円です。そこから前年の上期232億7,000万円を引くと、前年の下期はおよそ277億円でした。

今年の下期に必要な約349億円は、それより4分の1ほど多い額です。上期の営業利益は前年より3割弱増えていますから、同じ調子が続けば届く距離です。

販管費を、先に払った費用と考えた

見方は2つあると思います。販管費の伸びを、先に払った費用とみなすか。利益率が下り坂に入った最初の半年とみなすか。

私は前者の見方をしています。理由は、粗利率が改善しているからです。仕事の単価や、コンサルタントが案件に入っている割合が落ちていれば、先に崩れるのは粗利率のはずです。そこが良くなったうえで販管費が増えているので、稼ぐ力が落ちたのではなく、体制づくりにお金を回している形だと考えています。

心配性なので、2つ頭に置いておきます。販管費の中身が短信からは分からないこと。そして、営業活動の中で減ったその他の流動負債の正体です。この先どうなるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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ベイカレントのIR情報「財務・業績」について掲載しています。

販管費が65.9%増えた中身が、人なのか、事務所なのか、それ以外なのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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