マックスバリュ東海(8198)2027年2月期 中間決算分析――下期の計画が重いと感じました

マックスバリュ東海(8198)2027年2月期 中間決算分析――下期の計画が重いと感じました 日本株

静岡から名古屋まで、夕飯の買い物を受け持つスーパー

マックスバリュ東海は、静岡・愛知・三重で「マックスバリュ」を営む食品スーパーです。イオンのグループに属していて、棚にはプライベートブランドの「トップバリュ」が並びます。

客の中心は、近くに住む家族です。仕事帰りに夕飯の材料や惣菜、弁当を買っていく人たちです。寿司や米飯、惣菜は、子会社が作って店に届けてきました。最近は名古屋の街なかに小さな店を増やしています。移動スーパーやネットスーパー、ミスタードーナツの店も運営しています。

この中間決算は、2026年10月13日に出ました。3月から8月までの半年分です。

売上は横ばい、営業利益は2割近く減りました

今回前年同期増減率
売上高(営業収益)1,928億8,400万円1,925億2,400万円+0.2%
営業利益48億8,900万円58億4,100万円△16.3%
経常利益50億9,000万円59億7,100万円△14.8%
純利益32億5,600万円56億6,300万円△42.5%

純利益の4割減がいちばん目立ちます。ただ、これは前年の側に理由があります。順に書きます。

粗利は増え、販管費がそれを上回りました

まず営業利益です。損益計算書を開くと、減った場所ははっきりしています。

前年同期今回
売上総利益501億6,700万円505億1,100万円
販売費及び一般管理費482億8,700万円496億2,800万円
営業利益58億4,100万円48億8,900万円

粗利は3億円あまり増えました。販管費はその4倍ほど、13億円あまり増えています。営業利益が10億円近く減ったのは、ほぼこの差です。

この半年で、会社は13店を新しく開き、7店を改装しました。13店のうち10店は名古屋市内の都市型の小型店です。説明文によると、既存店の売上は前年同期の99.3%、全店では100.5%でした。前からある店は少し落ち、新しい店がそれを埋めた形です。

販管費の内訳は、決算短信には載っていません。店を出せば、人件費も家賃も開店の費用も、売上より先に出ていきます。上期の減益はその順番どおりの姿だ、と私は考えました。

純利益の4割減は、前年の税金が軽かったからです

前年同期今回
税金等調整前中間純利益61億7,800万円49億4,500万円
法人税等調整額△14億5,800万円1億3,900万円
法人税等合計5億800万円16億8,900万円

前年は、税金の合計が5億円ほどで済んでいました。会社は説明文に注記を付けています。中国の子会社を清算したことで税効果会計を適用し、税金費用が大きく減った、という内容です。

前年には、債務免除益やリース解約益などの特別利益も4億400万円ありました。今年は特別利益がなく、減損損失が1億3,700万円出ています。純利益の減り方を、そのまま本業の悪さとして受け取る必要はありません。

営業キャッシュ・フローが減ったのは、前年の買掛金が大きかったからです

引っかかったのは、キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは、141億6,200万円から55億1,200万円に減っていました。利益の減り方よりずっと大きい。

前年同期今回
税金等調整前中間純利益61億7,800万円49億4,500万円
減価償却費27億8,700万円28億8,600万円
仕入債務の増減額92億2,200万円△15億300万円
その他△31億7,500万円8億6,200万円
営業活動によるキャッシュ・フロー141億6,200万円55億1,200万円

大きく動いたのは、仕入債務の行です。仕入債務は、仕入れた品物の代金のうち、まだ払っていない分です。これが増えると、払うはずの現金がいったん手元に残ります。

前年は半年でこれが92億2,200万円増え、今年は15億300万円減りました。92億円の増加と15億円の減少を足し合わせます。この1行だけで、107億円ほどの開きになります。営業キャッシュ・フロー全体では、141億6,200万円から55億1,200万円を引きます。差は86億円です。この1行の開きのほうが大きい、というのが私の引き算です。……前年のほうが膨らんでいたのか。

前年の買掛金がなぜそこまで増えたのかは、決算短信には書かれていません。今年は2月末から8月末にかけて、貸借対照表の買掛金が15億円ほど減っています。こちらは、払うべきものを払った普通の動きです。

会社は、営業と投資のキャッシュ・フローの合計を「フリー・キャッシュ・フロー」と呼び、今回はゼロだったと自分で書いています。店への投資は前年の33億円から54億円に増えました。稼いだ現金を、出店と改装がちょうど使い切った半年です。配当の27億1,000万円は手元の現金から払われ、現金及び現金同等物は28億1,400万円減りました。

会社は、値上がりと配送費と競争を挙げています

会社は説明文の冒頭で、食品の価格上昇、配送費の負担増、業種や業態を超えた競争の激化を挙げ、「厳しい経営環境」と書いています。そのあとに続くのは、値ごろ感を打ち出す商品、トップバリュの販売強化、出店と改装、セルフレジや自動発注といった取り組みの一覧です。

環境の説明は、そのまま受け取ってよいと思います。ただ、どの費用がいくら増えたのかには、決算短信の説明文は触れていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、補足資料に説明があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

9月1日には、惣菜を作っていた子会社のデリカ食品を吸収合併しました。グループの中での合併なので、連結の売上がこれで大きく変わる話ではありません。効率化の効果がいつ、どれだけ出るかは、決算短信には書かれていません。

下期に、前年より3割近く多い営業利益を置いています

通期予想は4月9日に出したまま、修正していないと短信にあります。上期の6か月を見たうえで、予想を動かさなかったということです。

営業利益上期下期通期
前期 実績58億4,100万円約77億2,000万円約135億6,100万円
今期48億8,900万円(実績)98億1,100万円(予想の残り)147億円(予想)

約の付いた数字は、私の計算です。出発点は、通期予想の147億円です。これを表紙の増減率+8.4%、つまり1.084倍で割り戻して、前期の通期を出しました。そこから前期の上期実績を引いています。

前期も、上期は通期の4割強で、下期に多く稼いでいました。ですから、今期の上期が通期予想の3分の1にとどまったこと自体は、それほど珍しくありません。

引っかかるのは下期のほうです。前期に77億円ほどだった下期の営業利益を、今期は98億円と見込んでいます。3割近い上積みです。売上も、上期はほぼ横ばいだったのを、下期は8%近く伸ばす計算になります。

上期の減益は出店の先払い、通期予想は4月のまま、と考えました

上期の減益は、出店と改装の費用が先に来たものだと考えています。理由は、粗利は増えていて、減ったのは販管費の側だからです。キャッシュ・フローの落ち込みも、前年の買掛金の膨らみでおおむね説明が付きます。

そのうえで、通期予想には4月時点の見込みがそのまま残っている、という見方をしています。理由は、下期だけが3割近く伸びる道筋が、短信の中に見当たらないからです。上期は、既存店が前年を下回り、販管費の伸びが粗利の伸びを上回っていました。

13店が下期にまるまる効いてくるのは確かです。それでも、残りの上積みをどこから持ってくるのか。上がるかは知りません。心配性なので、第3四半期の短信では、販管費がどれだけ増えたかを先に確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

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IR資料室 | マックスバリュ東海のIR情報です。マックスバリュ東海は、想いを形に、「おいしい」でつながるをコンセプトにした静岡、神奈川、山梨、愛知、三重、岐阜、滋賀の食品スーパーです。

下期の営業利益を前年より3割近く増やす根拠は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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