静岡から名古屋まで、夕飯の買い物を受け持つスーパー
マックスバリュ東海は、静岡・愛知・三重で「マックスバリュ」を営む食品スーパーです。イオンのグループに属していて、棚にはプライベートブランドの「トップバリュ」が並びます。
客の中心は、近くに住む家族です。仕事帰りに夕飯の材料や惣菜、弁当を買っていく人たちです。寿司や米飯、惣菜は、子会社が作って店に届けてきました。最近は名古屋の街なかに小さな店を増やしています。移動スーパーやネットスーパー、ミスタードーナツの店も運営しています。
この中間決算は、2026年10月13日に出ました。3月から8月までの半年分です。
売上は横ばい、営業利益は2割近く減りました
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 1,928億8,400万円 | 1,925億2,400万円 | +0.2% |
| 営業利益 | 48億8,900万円 | 58億4,100万円 | △16.3% |
| 経常利益 | 50億9,000万円 | 59億7,100万円 | △14.8% |
| 純利益 | 32億5,600万円 | 56億6,300万円 | △42.5% |
純利益の4割減がいちばん目立ちます。ただ、これは前年の側に理由があります。順に書きます。
粗利は増え、販管費がそれを上回りました
まず営業利益です。損益計算書を開くと、減った場所ははっきりしています。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 501億6,700万円 | 505億1,100万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 482億8,700万円 | 496億2,800万円 |
| 営業利益 | 58億4,100万円 | 48億8,900万円 |
粗利は3億円あまり増えました。販管費はその4倍ほど、13億円あまり増えています。営業利益が10億円近く減ったのは、ほぼこの差です。
この半年で、会社は13店を新しく開き、7店を改装しました。13店のうち10店は名古屋市内の都市型の小型店です。説明文によると、既存店の売上は前年同期の99.3%、全店では100.5%でした。前からある店は少し落ち、新しい店がそれを埋めた形です。
販管費の内訳は、決算短信には載っていません。店を出せば、人件費も家賃も開店の費用も、売上より先に出ていきます。上期の減益はその順番どおりの姿だ、と私は考えました。
純利益の4割減は、前年の税金が軽かったからです
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 税金等調整前中間純利益 | 61億7,800万円 | 49億4,500万円 |
| 法人税等調整額 | △14億5,800万円 | 1億3,900万円 |
| 法人税等合計 | 5億800万円 | 16億8,900万円 |
前年は、税金の合計が5億円ほどで済んでいました。会社は説明文に注記を付けています。中国の子会社を清算したことで税効果会計を適用し、税金費用が大きく減った、という内容です。
前年には、債務免除益やリース解約益などの特別利益も4億400万円ありました。今年は特別利益がなく、減損損失が1億3,700万円出ています。純利益の減り方を、そのまま本業の悪さとして受け取る必要はありません。
営業キャッシュ・フローが減ったのは、前年の買掛金が大きかったからです
引っかかったのは、キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは、141億6,200万円から55億1,200万円に減っていました。利益の減り方よりずっと大きい。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 税金等調整前中間純利益 | 61億7,800万円 | 49億4,500万円 |
| 減価償却費 | 27億8,700万円 | 28億8,600万円 |
| 仕入債務の増減額 | 92億2,200万円 | △15億300万円 |
| その他 | △31億7,500万円 | 8億6,200万円 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 141億6,200万円 | 55億1,200万円 |
大きく動いたのは、仕入債務の行です。仕入債務は、仕入れた品物の代金のうち、まだ払っていない分です。これが増えると、払うはずの現金がいったん手元に残ります。
前年は半年でこれが92億2,200万円増え、今年は15億300万円減りました。92億円の増加と15億円の減少を足し合わせます。この1行だけで、107億円ほどの開きになります。営業キャッシュ・フロー全体では、141億6,200万円から55億1,200万円を引きます。差は86億円です。この1行の開きのほうが大きい、というのが私の引き算です。……前年のほうが膨らんでいたのか。
前年の買掛金がなぜそこまで増えたのかは、決算短信には書かれていません。今年は2月末から8月末にかけて、貸借対照表の買掛金が15億円ほど減っています。こちらは、払うべきものを払った普通の動きです。
会社は、営業と投資のキャッシュ・フローの合計を「フリー・キャッシュ・フロー」と呼び、今回はゼロだったと自分で書いています。店への投資は前年の33億円から54億円に増えました。稼いだ現金を、出店と改装がちょうど使い切った半年です。配当の27億1,000万円は手元の現金から払われ、現金及び現金同等物は28億1,400万円減りました。
会社は、値上がりと配送費と競争を挙げています
会社は説明文の冒頭で、食品の価格上昇、配送費の負担増、業種や業態を超えた競争の激化を挙げ、「厳しい経営環境」と書いています。そのあとに続くのは、値ごろ感を打ち出す商品、トップバリュの販売強化、出店と改装、セルフレジや自動発注といった取り組みの一覧です。
環境の説明は、そのまま受け取ってよいと思います。ただ、どの費用がいくら増えたのかには、決算短信の説明文は触れていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、補足資料に説明があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
9月1日には、惣菜を作っていた子会社のデリカ食品を吸収合併しました。グループの中での合併なので、連結の売上がこれで大きく変わる話ではありません。効率化の効果がいつ、どれだけ出るかは、決算短信には書かれていません。
下期に、前年より3割近く多い営業利益を置いています
通期予想は4月9日に出したまま、修正していないと短信にあります。上期の6か月を見たうえで、予想を動かさなかったということです。
| 営業利益 | 上期 | 下期 | 通期 |
|---|---|---|---|
| 前期 実績 | 58億4,100万円 | 約77億2,000万円 | 約135億6,100万円 |
| 今期 | 48億8,900万円(実績) | 98億1,100万円(予想の残り) | 147億円(予想) |
約の付いた数字は、私の計算です。出発点は、通期予想の147億円です。これを表紙の増減率+8.4%、つまり1.084倍で割り戻して、前期の通期を出しました。そこから前期の上期実績を引いています。
前期も、上期は通期の4割強で、下期に多く稼いでいました。ですから、今期の上期が通期予想の3分の1にとどまったこと自体は、それほど珍しくありません。
引っかかるのは下期のほうです。前期に77億円ほどだった下期の営業利益を、今期は98億円と見込んでいます。3割近い上積みです。売上も、上期はほぼ横ばいだったのを、下期は8%近く伸ばす計算になります。
上期の減益は出店の先払い、通期予想は4月のまま、と考えました
上期の減益は、出店と改装の費用が先に来たものだと考えています。理由は、粗利は増えていて、減ったのは販管費の側だからです。キャッシュ・フローの落ち込みも、前年の買掛金の膨らみでおおむね説明が付きます。
そのうえで、通期予想には4月時点の見込みがそのまま残っている、という見方をしています。理由は、下期だけが3割近く伸びる道筋が、短信の中に見当たらないからです。上期は、既存店が前年を下回り、販管費の伸びが粗利の伸びを上回っていました。
13店が下期にまるまる効いてくるのは確かです。それでも、残りの上積みをどこから持ってくるのか。上がるかは知りません。心配性なので、第3四半期の短信では、販管費がどれだけ増えたかを先に確かめます。
出典:決算短信(会社発表)
下期の営業利益を前年より3割近く増やす根拠は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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