暁飯島工業(1997)2026年8月期 通期決算分析――リニューアルの減収は先送りと読みました

暁飯島工業(1997)2026年8月期 通期決算分析――リニューアルの減収は先送りと読みました 日本株

はじめに

茨城県を地盤に、建物の中の設備をつくる会社です。空調、給排水、電気といった設備を、設計から施工まで引き受けています。どれも完成した建物では、壁や天井の裏に隠れてしまう部分です。発注するのは、商業施設や事業所を建てる民間の会社が中心です。

建てて終わりの商売ではありません。古くなった設備の入れ替え(リニューアル)や、ビルの点検・保守も手がけています。設備は建物より先に寿命が来るので、一度手がけた建物とは長い付き合いになります。ほかに、小さいながら太陽光発電の売電も続けています。子会社を持たないため、短信も単体の数字だけです。

利益が3割近く増えた1年

10月9日に出た、2026年8月期の通期決算です。

今回前の期増減率
売上高101億2,900万円91億3,500万円+10.9%
営業利益14億3,700万円11億2,600万円+27.5%
経常利益15億400万円11億6,000万円+29.6%
純利益10億7,000万円7億9,600万円+34.4%

売上の伸びより、利益の伸びのほうがずっと大きい1年でした。表紙の売上高営業利益率も、12.3%から14.2%へ上がっています。

減った売上と、増えた受注が同じ工事に並んでいた

短信の16ページ目に、工事の種類ごとの受注・売上・年度末の手持ち(繰越工事高)の表があります。引っかかったのはここです。

売上高前の期今回増減率
建築設備工事39億2,975万円61億1,817万円+55.7%
リニューアル工事46億7,873万円34億8,558万円△25.5%

建築設備工事の売上が5割以上増え、リニューアル工事は4分の1ほど減っています。前の期はリニューアルが売上の半分を占めていましたが、今期は3分の1ほどです。

同じ表の受注と手持ちの欄を見ると、リニューアルの話は逆向きになります。

リニューアル工事前の期今回増減率
受注工事高32億6,669万円38億9,726万円+19.3%
繰越工事高16億5,100万円20億6,267万円+24.9%

受注が2割近く増え、年度末の手持ちも4分の1ほど積み上がっています。……売上だけが減っている。取った仕事のうち、今期の売上になった分が少なかった、という並び方です。ここまでは短信の表の数字です。

増益を支えたのは工事の採算

設備事業のセグメント利益は、15億3,874万円から19億3,218万円へ増えています。売上の伸びの倍以上の率です。

営業外では受取配当金が1,376万円から4,003万円へ増えました。ただ、営業利益と経常利益の差はもともと小さく、利益の伸びのほとんどは本業の工事から来ています。

営業キャッシュ・フローが減ったのは、税金の支払いでした

13ページ目のキャッシュ・フロー計算書では、営業キャッシュ・フローが11億9,835万円から10億3,889万円に減っています。利益が3割増えた年としては、最初は逆の向きに見えました。

前の期今回
小計14億7,554万円14億8,146万円
法人税等の支払額△2億8,543万円△4億8,059万円
営業キャッシュ・フロー11億9,835万円10億3,889万円

小計はほぼ同じです。差の大半は法人税の支払いで、前の期に利益が増えたぶん、今期に払う税金が2億円近く増えています。

完成工事未収入金は8億6,383万円から11億3,727万円へ膨らみました。ただ、こちらが払う側の工事代金の未払いも増えていて、出入りはおおむね打ち消し合っています。売上が1割増えた年に未回収の代金が増えるのは、珍しいことではありません。現金同等物は年度末で63億2,400万円あります。

会社はどう説明しているか

会社は増益の理由を「完成工事高が増加し工事利益率が上昇したことから」と書いています。受注時の採算の強化、原価管理と施工管理の徹底、経費の削減を続けてきた、とも説明しています。設備事業の利益の伸び方は、この説明と食い違いません。

ただ、建築設備とリニューアルの売上がなぜここまで入れ替わったのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

来期は、売上を増やして減益の予想

2026年8月期はもう終わった期なので、進み具合を測る段階ではありません。代わりに、会社が出した2027年8月期の予想を、今期の結果と並べます。

2026年8月期 実績2027年8月期 会社予想
受注高110億6,400万円90億円
売上高101億2,900万円105億円
営業利益14億3,700万円12億円
純利益10億7,000万円8億5,000万円

売上は少し増やし、利益は2割近く減らす見込みです。予想の営業利益を予想売上で割ると、私の計算で約11.4%になります。今期の14.2%どころか、前の期の12.3%も下回る前提です。

受注高も90億円と、今期より2割ほど少なく見込んでいます。それでも年度末の手持ちが98億9,959万円あるので、来期の売上105億円の大半は、すでに取ってある仕事でまかなえます。

見通しの節に並んでいるのは、建設資材の価格や人手不足といった業界全体の話です。来期の利益率をどう見積もったのかは、短信には書かれていません。

配当は110円から155円に増やしました。来期は140円の予想です。11月20日付で社長が交代することも、短信の最後に載っています。

私はどう考えたか

今期の増益は、建築設備の大きな工事が売上になった年に、採算の良さが重なった結果だと考えています。リニューアルの減収は、仕事が細ったのではなく、売上になる時期が来期以降へ送られた分だと見ています。理由は、リニューアルの受注と年度末の手持ちが、どちらも前の期より増えているからです。

そうなると、来期の減益予想が腑に落ちません。手持ちが増え、リニューアルの売上も戻ってくるはずの年に、会社は利益率を前の期より低く見積もっています。採算の悪い工事を抱えているのか、単に慎重なのか。心配性なので、私は前者の見方をしています。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.eazima.co.jp/wp-content/themes/twentyten-child/pdf/financial/tan2604.pdf

来期の営業利益を今期より2億円以上少なく置いた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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