ヒガシホールディングス(9029)2027年3月期 中間決算分析――減った現金は、前向きと読みました

ヒガシホールディングス(9029)2027年3月期 中間決算分析――上乗せ分の出どころが気になる 日本株

運送会社の集まりから、通販の倉庫とオフィスの引っ越しへ

ヒガシホールディングスは、大阪の運送会社がいくつも集まってできた物流の会社です。トラックで荷物を運ぶだけでなく、荷物を預かって保管し、注文に合わせて出していく倉庫の仕事も多く手がけています。いま伸ばしているのは、大手の通販会社向けの倉庫です。

もう一つの柱は、会社の事務所の引っ越しです。机や棚を運び、パソコンなどの機器の販売や入れ替えまで請け負います。このほか、介護で使う福祉用具の貸し出しや、人材の派遣もしています。ネットで頼んだ荷物も、職場の移転で運ばれた机も、この会社の倉庫やトラックを通っていることがあります。

この決算で何が起きたか

10月23日に出た中間決算です。4月から9月までの半年で、売上も利益もそろって1割以上伸びました。

今回前年同期増減率
売上高300億4,600万円267億9,900万円+12.1%
営業利益20億4,600万円18億5,800万円+10.1%
経常利益22億2,800万円19億2,900万円+15.5%
純利益13億8,000万円12億2,300万円+12.8%

通期の予想は、5月8日に出したものから変えていません。

利益が増えた半年に、営業で入ってきた現金が減った理由

短信の10ページ目、キャッシュ・フロー計算書まで来たところで引っかかりました。税引前の利益は前年より増えているのに、営業活動によるキャッシュ・フローは9億3,267万円から6億2,622万円へ減っています。

2023年に見た、利益は出ているのに現金が入ってこない会社を思い出しました。……ただ、中身は違う。

内訳を前年同期と並べると、こうなります。

営業活動によるキャッシュ・フローの主な項目前年同期今回
税金等調整前中間純利益19億2,775万円22億2,191万円
売上債権の増減額6億450万円10億5,217万円
仕入債務の増減額△10億1,075万円△14億1,322万円
未払消費税等の増減額2億2,824万円△7億8,275万円
法人税等の支払額△7億2,071万円△10億2,030万円
営業活動によるキャッシュ・フロー9億3,267万円6億2,622万円

売上債権は前年以上に回収が進み、現金を押し上げています。売上の代金は、きちんと入ってきています。現金を減らしたのは、払う側の項目です。

期首に残っていた仕入先への支払いと消費税を、この半年でまとめて済ませています。法人税も、前期の利益が大きかったぶん多く納めました。前年同期にも仕入債務は10億円減っていて、3月末に払いが残る形は前年も同じでした。消費税の未払いがここまで動いた理由は、決算短信には書かれていません。

減った30億円の行き先は、倉庫の設備でした

現金及び預金は、この半年で30億584万円減りました。いちばん大きい使い道は有形固定資産の取得で、31億330万円です。前年同期は3億362万円でしたから、10倍を超える規模です。

貸借対照表の科目3月末9月末
現金及び預金91億4,011万円61億3,427万円
建物及び構築物54億5,887万円60億7,199万円
機械装置及び運搬具13億5,351万円32億1,085万円

短信は、これを倉庫増床に伴う設備投資と説明しています。建物よりも、機械装置及び運搬具のほうが大きく増えました。床を広げただけでなく、中に入れる機械にお金を使った、と私は受け取りました。何の機械なのかは、決算短信には書かれていません。

減価償却費は、すでに5億7,745万円から7億3,878万円へ増えています。短期借入金を8億円増やし、支払利息も前年より膨らみました。投資の費用は先に出て、回収はこれからです。

運送は、売上ほど利益が伸びていません

事業ごとに並べると、伸び方にばらつきがあります。

事業売上高増減率セグメント利益増減率
運送152億9,019万円+11.0%18億7,933万円+2.5%
倉庫98億6,696万円+21.1%9億2,740万円+14.4%
商品販売26億2,521万円−2.9%1億5,830万円+3.5%
ウエルフェア6億6,619万円+8.6%1億2,635万円+24.4%
その他15億9,801万円+2.2%3億2,467万円+47.7%

倉庫は売上が2割増え、利益も1割以上伸びました。広げた設備のぶんが、そのまま売上に出ています。

気になるのは運送です。売上の半分を占める事業で、売上は1割増えたのに、利益はほぼ横ばいでした。売上の伸びは移転業務とIT関連の大型案件で説明されていますが、利益が伸びなかった理由は決算短信には書かれていません。

その他の利益が5割近く増えたのは、大手製鋼所グループ会社の工場移転に伴う業務を受注したからです。経常利益が営業利益より伸びたのも、営業外収益が倍以上に増えたためです。その中には保険解約返戻金7,193万円が入っています。どちらも、毎年続く種類の収入ではありません。

会社はどう説明しているか

会社は増収増益の理由として、大手EC会社向けの流山ロジスティクスセンターで増床部分が動き出したこと、既存センターの取扱量の増加、オフィスサービスの伸び、IT関連の大型案件の受注を挙げています。

倉庫の話は、そのまま受け取ります。理由は、設備への支出と倉庫事業の売上の伸びが、同じ方向を向いているからです。大型案件と工場移転のほうは、続くものとしては数えません。

先行きの心配として、会社は原油価格の高止まり、物価上昇による個人消費の低迷、人手不足を挙げています。燃料と運転手は、運送の利益に直接響く項目です。

上期は半分まで来て、下期は前年より少なく見込んでいます

上期の時点で、売上も各利益も通期予想のほぼ半分に届いています。

通期予想上期実績進捗率下期に必要な額前年の下期比
売上高590億円300億4,600万円約50.9%約289億5,400万円約−7.1%
営業利益41億円20億4,600万円約49.9%約20億5,400万円約−6.0%
経常利益42億5,000万円22億2,800万円約52.4%約20億2,200万円約−9.0%
純利益27億300万円13億8,000万円約51.1%約13億2,300万円約−4.0%

約の付いた数字は私の引き算と割り算です。前年の下期は、前期の通期実績から前年同期の上期を引いたものです。前期の通期実績は、表紙にある通期予想の増減率から逆算しました。

上期を1割以上伸ばした会社が、下期は前年より減ると見込んでいることになります。その理由は、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

私はどう読んだか

現金が30億円減った半年ですが、私は前向きの投資の半年だと考えています。理由は、減った現金の大半が倉庫の設備に変わっているからです。営業キャッシュ・フローの減りも、期首に残っていた支払いと税金で説明が付きます。

心配性なので、気になる点も残しておきます。運送の利益が伸びていないこと。増えた減価償却費と利息が、この先の費用として続くこと。そして会社自身が、下期を減ると見込んでいることです。

上がるかは知りません。新しい設備が営業で入る現金に変わっていくかは、次の決算で確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS07003/ab3f64a9/b994/4e99/a2b1/78b8f7931317/140120261022554549.pdf

下期を前年より少なく見込んでいる理由と、増えた機械装置が何なのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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