SUMINOE(3501)2027年5月期 第1四半期決算分析――赤字は本業の外で出たと読みました

SUMINOE(3501)2027年5月期 第1四半期決算分析――赤字は本業の外で出たと読みました 日本株

はじめに

床と壁と座席を作っている会社です。オフィスビルの床に敷く四角いタイルカーペットや、ホテルや高級ブランドの店に敷くロール状のカーペットを手がけています。家庭用のラグ、カーテン、壁紙もあります。家を建てる人や、店の内装を決める人が選ぶものです。

売上でいうと、もう一つの柱のほうが大きくなります。乗り物の内側です。自動車の床に敷くカーペットを北米・中国・東南アジアの工場でも作っていて、鉄道やバスの内装材も手がけています。電車の非常脱出はしごまで作っていることは、短信を読んで初めて知りました。

ほかに、使用済みのペットボトルから作る糸や、ホットカーペットのような家電向けの部材もあります。名前を知らないまま、踏んだり座ったりしている会社です。

営業利益は増え、最後の行は赤字

2026年10月9日に出た、第1四半期(6月から8月)の決算です。

今回前年同期増減率
売上高259億8,100万円254億6,500万円+2.0%
営業利益3億7,900万円3億1,800万円+19.0%
経常利益4億600万円5億3,300万円△23.8%
純利益△1億2,100万円5,900万円—

本業の利益は2割近く増えています。それなのに、下の行へ行くほど数字が悪くなる並び方です。

経常利益を削ったのは、為替差益がほぼ消えたこと

経常利益が減った理由は、添付資料9ページの損益計算書に出ています。前年の第1四半期には為替差益が1億6,700万円ありました。今回は100万円です。

営業利益は、今回が3億7,900万円、前年が3億1,800万円です。差し引くと、増えた分は6,100万円です。為替差益は、前年が1億6,700万円、今回が100万円です。減った分は1億6,600万円です。本業で増えた分より、為替差益の減った分のほうが大きかったことになります。補助金収入は3,000万円から6,000万円に増えていて、その差を一部だけ埋めています。

比べる相手の前年が、為替で膨らんでいたとも言えます。ここまでは、そう珍しい話ではありません。

税引前は黒字、そこから先で赤字になった

引っかかったのは、経常利益より下の数行です。

前年同期今回
税金等調整前四半期純利益5億4,900万円4億500万円
法人税等合計2億9,600万円3億4,900万円
四半期純利益2億5,300万円5,500万円
非支配株主に帰属する利益1億9,300万円1億7,700万円
親会社株主に帰属する利益5,900万円△1億2,100万円

税引前では4億500万円の黒字です。そこから3億4,900万円の税金が引かれました。税金の3億4,900万円を、税引前の4億500万円で割ります。答えはおよそ86%です。利益の9割近くが税金に消えたというのは、私の割り算です。

……利益が減ったのに、税金は増えている。

残った5,500万円から、さらに1億7,700万円が引かれます。子会社の株を持っている、外部の株主の取り分です。グループ全体の利益より、外の株主の取り分のほうが大きい。だから親会社の株主から見ると、赤字になります。

ここまでは損益計算書の数字です。黒字の子会社は税金を払い、外の株主にも分け前を渡しています。一方で、赤字の拠点の損は税金を軽くする方向に働いていません。グループの中で、稼ぐ場所と損を出す場所が分かれている、と私は受け取りました。

本業の改善は、ほとんどインテリアから来ている

事業ごとの利益を前年と並べると、増えた場所がはっきりします。

セグメント利益前年同期今回
インテリア2,000万円3億400万円
自動車・車両内装8億2,000万円6億6,700万円
機能資材△1,100万円△1,800万円
全社費用△5億3,300万円△5億9,100万円

インテリアの利益は、前年の2,000万円から今回の3億400万円になりました。増えた分は2億8,400万円です。理由として、会社はタイルカーペットと壁紙の値上げの効果を挙げています。オフィス向けのタイルカーペットは納入物件が少なく、業務用カーペットの売上は減っています。それでも利益が伸びたのですから、値上げが効いたと考えるのが自然です。

一方で、壁装関連の売上が増えた理由は「価格改定前の駆け込み需要」と添付資料4ページにあります。値上げ前に買われた分は、次の四半期にはありません。

主力の自動車・車両内装は、8億2,000万円から6億6,700万円へ下がりました。1億5,300万円の減益です。売上は伸びていますが、原材料の値上がりを価格に乗せる効果が「十分に発現しておらず」と、5ページで会社自身が書いています。

キャッシュ・フロー計算書は作られていない

いつものように添付資料の後ろまでめくると、11ページに「四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあります。第1四半期では作らない会社も多いので、それ自体はおかしなことではありません。現金の出入りは、貸借対照表の差から推し量るしかありません。

科目2026年5月末2026年8月末
現金及び預金89億1,400万円87億3,900万円
電子記録債権72億8,000万円61億2,200万円
商品及び製品92億4,700万円95億3,100万円
原材料及び貯蔵品43億900万円45億7,000万円
電子記録債務69億2,700万円56億9,700万円
短期借入金133億9,500万円143億7,600万円

受け取る側の債権も、支払う側の債務も減っています。支払いを済ませ、在庫を少し積み、短期の借入で足した形に見えます。順番に並べた現金の表が無いので、これ以上は言えません。

会社はどう説明しているか

売上が増えた理由は、東南アジア拠点の受注商材と、店舗内装を丸ごと請け負う事業です。営業利益は値上げ、経常利益は為替の急な動きによる差益の減少、最終赤字は法人税等の増加、と説明しています。

営業利益と経常利益の説明は、損益計算書の数字とそのまま合っています。これは受け取ります。

最終赤字の説明には留保を付けます。利益が減ったのに税金がなぜ増えたのか、外の株主の取り分がどの子会社から来ているのかは、決算短信には書かれていません。表紙には「決算補足説明資料作成の有無:無」とあります。

通期予想に対して、どこまで来ているか

通期予想第1四半期進み具合残り9か月に要る額
売上高1,065億円259億8,100万円24.4%805億1,900万円
営業利益35億円3億7,900万円10.8%31億2,100万円
純利益14億5,000万円△1億2,100万円—15億7,100万円

進み具合と残りの額は、表紙の予想から私が割ったり引いたりした数字です。

売上はほぼ4分の1で、予定どおりです。営業利益は1割ほどしか来ていません。前期は通期で営業利益23億6,900万円、最終は赤字でした。そこから前年の第1四半期の3億1,800万円を除いた残り9か月と比べると、今期はその5割増しを稼ぐ予想です。

近い目印は上期です。上期の営業利益予想は11億円で、第1四半期までに3億7,900万円を稼いでいます。残りの7億2,100万円を、9月から11月の3か月で稼ぐ必要があります。第1四半期のほぼ2倍です。予想は7月14日に出したまま変えていません。

私はどう読んだか

最終赤字を本業が傷んだ印と見るか、本業は良くなっていて赤字は外側で生まれたと見るか。私は後者の見方をしています。理由は、営業利益を押し上げたのがインテリアの値上げで、為替や一時的な収入ではないからです。

ただ、心配性なので下のほうも確かめておきます。値上げの一部には駆け込みが混じっていますし、上期の残り3か月に第1四半期の倍を求める予想は、自動車の値上げが効き始めることが前提だと思います。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://suminoe.co.jp/uploads/2026/10/20261009_202705_1Qtanshin.pdf

税金が利益の9割近くまで膨らんだ理由と、外部の株主の取り分がどの子会社から来ているのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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