楽待は、投資用の不動産を探すためのサイトを運営している会社です。不動産投資というのは、自分が住むためではなく、人に貸して家賃を受け取るために、アパート一棟や区分マンション、駐車場を買うことです。将来の年金の足しにしたい会社員や、相続した土地をどうにかしたい人が、そういう物件を探しに来ます。
探す側の個人は、サイトを無料で使います。お金を払うのは、物件を売りたい不動産会社のほうです。掲載料と広告料が、売上のほぼ全部です。つまり売上が増えるのは、掲載する不動産会社が増えるときか、一社あたりの支払いが増えるときです。
もう一つ、「楽待新聞」と「楽待チャンネル」という、会員向けの記事と動画があります。投資の話だけでなく、政治や経済の話も出しています。会員が増えれば見る人が増え、見る人が増えれば不動産会社が掲載したくなる。そういう順番で商売が回っています。
9月14日に出た、2026年7月期の通期決算です。
この決算で何が起きたか
| 今回 | 前期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 36億1,700万円 | 31億5,900万円 | +14.5% |
| 営業利益 | 18億9,900万円 | 15億4,400万円 | +23.0% |
| 経常利益 | 21億3,200万円 | 17億4,900万円 | +21.9% |
| 純利益 | 14億3,600万円 | 11億7,000万円 | +22.7% |
2割の増益で、営業利益率は52.5%まで上がりました。前期は48.9%でしたから、売上の半分以上が営業利益として残る商売です。1ページ目はここまでで、悪い数字は一つもありません。
増えた売上の8割近くが、そのまま利益になっています
損益計算書を見ると、営業費用は16億1,463万円から17億1,804万円へ増えました。増えた額は1億341万円だけです。増収は4億5,800万円です。そこから費用の増加1億341万円を引くと、3億5,459万円が残ります。営業利益の増加3億5,500万円とほぼ重なります。増えた売上の8割近くが、そのまま利益に落ちたことになります。
ここで引っかかったのが、4ページ目の会員数と掲載数です。会員は507千人で1割増、掲載数は84千件で9%弱の伸びです。どちらも売上の伸び14.5%より小さい。一件あたりの掲載料が上がったのか、広告のほうが伸びたのか。どちらなのかは、決算短信には書かれていません。来期は物件掲載と広告掲載の両方で増収を見込む、と5ページ目にあるだけです。
経常利益の1割は、債券の利息です
損益計算書の営業外収益に、有価証券利息が2億3,344万円あります。前期は2億1,210万円でした。経常利益21億3,247万円に対して1割強です。貸借対照表では、投資有価証券が42億6,985万円あり、総資産60億7,424万円の7割を占めています。それが何の債券なのかは、短信には書かれていません。
営業利益率52.5%は営業段階の話で、経常利益まで下りると運用益が乗っています。本業で稼いだ現金を債券に置いて、利息を取っている会社でもある。ここまでは数字です。
現金が減った理由は、還元と税金でした
| キャッシュ・フロー | 今回 | 前期 |
|---|---|---|
| 営業活動 | 14億5,416万円 | 14億3,699万円 |
| 投資活動 | △2億6,083万円 | △6,190万円 |
| 財務活動 | △16億7,637万円 | △14億898万円 |
| 期末残高 | 7億977万円 | 11億9,141万円 |
財務活動の中身は、自己株式の取得が14億5,001万円、配当の支払いが2億2,826万円です。足すと16億7,827万円になります。純利益14億3,617万円より、1億4,200万円ほど多い額です。稼いだ以上を株主に返したわけです。株数は2,115万3,800株から1,975万3,800株へ、7%弱減りました。
もう一つ、営業活動の現金がほとんど増えていないことも、税金で説明できます。税引前利益は3億8,300万円増えたのに、営業活動の現金は1,700万円しか増えていません。理由は、法人税等の支払額が3億9,392万円から7億2,770万円へ、ほぼ倍になっているからです。前期は利益が5割近く伸びた年でした。その分の税金を、この期に払っています。……いや、これで営業活動が横ばいなら、むしろ変な話ではない。
現金が半分近くに減ったこと自体は、私は心配していません。理由は、期末残高の7億977万円が営業活動の半年分にあたるからです。隣には42億円の債券があり、借入は貸借対照表に載っていません。減った理由が、還元と前期分の税金で全部埋まります。腑に落ちました。
会社はどう説明しているか
4ページ目には、楽待新聞と楽待チャンネルで有益なコンテンツを充実させて会員数を増やし、不動産会社への営業を強化した、と書かれています。特に楽待チャンネルで投資・政治・経済の動画を継続して出していること、公式アプリの質を高めていることが、サイトの利用価値を上げている、という説明です。
5ページ目には、来期の費用として、採用による人件費の増加と楽待プレミアムのコンテンツ制作費の増加を含む、とあります。楽待プレミアムという有料と思われるサービスの名前が、ここで初めて出てきます。
この説明は、そのまま受け取れます。ただ、会員と掲載数の伸びより売上の伸びが大きい理由は、この文章では埋まりません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに何か書いてあるかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
来期の純利益は、6%増としか置いていません
| 来期予想 | 金額 | 増減率 |
|---|---|---|
| 売上高 | 40億円 | +10.6% |
| 営業利益 | 21億円 | +10.6% |
| 経常利益 | 23億2,400万円 | +9.0% |
| 純利益 | 15億2,000万円 | +5.8% |
営業利益と経常利益の差からは、営業外を横ばいと見込んでいることが分かります。経常利益23億2,400万円から営業利益21億円を引きます。残る2億2,400万円は、今期の営業外の差し引き2億3,298万円とほぼ同じです。債券の利息が今年並みに続く、という置き方です。
引っかかるのは、経常利益と純利益の差です。来期は経常利益23億2,400万円から純利益15億2,000万円を引きます。残る8億400万円が税金です。今期は21億3,247万円から14億3,617万円を引きます。6億9,630万円でした。税金を経常利益で割ると、今期は32.7%、来期は34.6%になります。これは私の割り算です。会社側は来期の税負担を今期より重く見積もっています。理由は短信には書かれていません。貸借対照表で繰延税金資産6,105万円がゼロになっているので、そこが関係しているかもしれません。
配当は16円で、配当性向は19.9%です。一昨年は10円、昨年は13円でした。3年続けて上げてきています。
私はどう読んだか
私は良いほうの見方をしています。理由は、増収の8割近くが営業利益になるという型が、営業費用の増え方の小ささで裏付けられているからです。人を増やしてコンテンツを作るという来期の費用も、5ページ目に自分から書いてあります。現金の減り方も、還元と税金で説明が付きました。
それでも心配性なので、一つだけ残ります。総資産の7割を占める債券の中身です。政策金利が上がった年でしたが、その他有価証券評価差額金は3,170万円から1億5,584万円へ増えているので、いまのところ含み益の側です。何を持っているのかが分からないまま、経常利益の1割をそこから受け取っている。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)
投資有価証券42億6,985万円が何の債券なのかは、短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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