TOTO(5332)2027年3月期 中間決算分析――在庫の積み増しは仕込みと読みました

TOTO(5332)2027年3月期 中間決算分析――在庫の積み増しは仕込みと読みました 日本株

毎朝使う、白い焼き物の会社

TOTOは、トイレの便器や洗面台を焼き物で作っている会社です。お尻を洗う温水洗浄便座も、この会社の看板商品です。家を建てる人だけが買うわけではありません。古くなったトイレや浴室を入れ替えるときにも選ばれます。力を入れているのは、その改装の需要と海外の開拓です。

私の家は賃貸なので、便器を自分で選んだことは一度もありません。それでも、毎朝お世話になっている製品を作る会社の書類は、どこか身近に感じます。

本業の利益が2割伸びた半期

10月30日に発表された中間決算です。4月から9月までの半年分が入っています。

今回前年同期増減率
売上高3,646億7,500万円3,493億7,200万円+4.4%
営業利益251億8,200万円207億8,100万円+21.2%
経常利益248億1,200万円230億8,900万円+7.5%
純利益213億1,500万円87億9,000万円+142.5%

売上高の伸びは4%あまりでした。これに対して、営業利益は2割増えています。損益計算書では、売上総利益が86億2,700万円増え、販売費及び一般管理費の増加は42億2,600万円にとどまりました。この差し引きが、営業利益の増加分です。

純利益が2倍を超えたのは、前年同期の特別損失の反動です。前年同期には事業再編費用として132億3,200万円を計上していました。今期はそれが無く、代わりに投資有価証券売却益59億9,300万円が特別利益に入っています。何の再編だったのかは、今回の決算短信には書かれていません。

営業外の出入りが、経常利益の伸びを削っている

営業利益が2割伸びたのに、経常利益の伸びは1割に届いていません。差は営業外の出入りから生じています。

営業外の項目前年同期今回
営業外収益の合計34億6,800万円23億円
うち為替差益4億4,900万円―
営業外費用の合計11億6,000万円26億7,000万円
うち支払利息3億900万円5億4,300万円
うち「その他」3億3,300万円11億2,100万円

前年同期は、営業外の出入りが差し引きで20億円以上のプラスでした。今回は差し引きでわずかにマイナスです。為替の損益が差益から差損に変わり、費用の「その他」は3倍を超えました。

利益は2割増、営業キャッシュ・フローは5分の1

短信の8ページ目、キャッシュ・フロー計算書を開いて引っかかりました。営業キャッシュ・フローが、前年同期の203億6,200万円から39億9,500万円まで縮んでいます。利益は増えたのに、手元に入ってきた現金は5分の1ほどでした。

営業キャッシュ・フローの主な項目前年同期今回
税金等調整前中間純利益143億8,500万円308億2,000万円
棚卸資産の増減額26億7,500万円△90億5,000万円
仕入債務の増減額△36億5,800万円△85億4,100万円
その他△28億9,700万円△125億700万円
法人税等の支払額△93億4,600万円△119億7,700万円
営業キャッシュ・フロー203億6,200万円39億9,500万円

現金を減らした項目は3つです。在庫が増えた分、仕入先への支払いが進んだ分、そして「その他」です。……125億円の「その他」は、さすがに大きい。印刷した紙に、赤ペンで二重丸を付けました。

一方で、売上債権は減って現金を27億800万円増やしています。売掛金を膨らませて売上を作った形ではありません。

在庫は、原材料から製品まで3つとも増えた

貸借対照表で、在庫の中身を3月末と9月末で並べました。

棚卸資産3月末9月末
商品及び製品800億2,700万円862億9,300万円
仕掛品153億3,000万円171億1,600万円
原材料及び貯蔵品262億5,800万円298億6,900万円

3つとも増えています。完成品だけが積み上がっているなら売れ残りを疑います。ところが増え方の割合がいちばん大きいのは原材料で、1割以上増えました。これは私の割り算です。同じ半年で、現金及び預金は1,328億5,500万円から1,151億3,000万円に減っています。

決算短信には、業績の説明文がありません

多くの会社の短信には、業績を自分の言葉で説明する節があります。今回の添付資料の目次は、財務諸表と注記だけでした。1ページ目には、詳しくは決算説明資料と、11月6日に出す半期報告書を見てほしい、とあります。予想の修正は別のお知らせで出しています。

在庫が増えた理由も、事業ごとの数字も、決算短信には書かれていません。説明資料のほうは私はまだ開いていません。説明を信じるかどうか考える以前に、その材料がまだ手元にありません。

注記の「重要な後発事象」には、10月30日の取締役会で自己株式の取得と消却を決めた、とあります。規模は別のお知らせに回されていました。

通期予想に対して、営業利益は4割強

中間期通期予想進捗率下期に必要な額前年下期比
売上高3,646億7,500万円7,750億円約47.1%4,103億2,500万円約+5.7%
営業利益251億8,200万円600億円約42.0%348億1,800万円約+5.6%
経常利益248億1,200万円580億円約42.8%331億8,800万円約△11.7%
純利益213億1,500万円460億円約46.3%246億8,500万円約△21.5%

下期に必要な額は、表紙の通期予想から中間期の実績を引いたものです。約の付いた数字は、そこから私が割り算しました。

営業利益は半分に届いていません。ただ、7月末に出た第1四半期の営業利益は80億7,300万円でした。半年分の251億8,200万円から引くと、7月から9月の3か月で171億900万円です。夏の3か月で、春の2倍以上を稼いでいます。

下期の経常利益は、前年の下期より1割以上減る前提です。下期に必要な営業利益は348億1,800万円、経常利益は331億8,800万円です。前者から後者を引くと、16億3,000万円になります。下期の営業外の出入りを、これだけのマイナスと見込んでいることになります。

表紙には「業績予想の修正の有無:有」とあります。修正前の数字は短信に載っていないので、どちらの向きに直したのかは分かりません。

在庫は下期への仕込みだと考えています

この在庫の積み増しは、会社が下期の生産と出荷に備えたものだと私は考えています。理由は、増え方がいちばん大きいのが原材料で、売掛金はむしろ減っているからです。会社は下期に、上期より多い売上を見込んでいます。夏の3か月の営業利益も、売れずに困っている会社の数字には見えません。

それでも、営業キャッシュ・フローの細り方は小さくありません。心配性なので、在庫が現金に戻ってくるかどうかは、第3四半期のキャッシュ・フローで確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信
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営業キャッシュ・フローの「その他」125億700万円が何だったのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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