三機サービス(6044)2027年5月期 第1四半期決算分析――更新工事の重なりと読みました

三機サービス(6044)2027年5月期 第1四半期決算分析――更新工事の重なりと読みました 日本株

店の設備を、まとめて引き受ける会社です

三機サービスは、店やビルの設備を点検し、修理し、古くなったら入れ替える会社です。業務用の大きなエアコン、厨房の機器、電気、給排水まで受け持ちます。お客様の中心は、全国に店を出している飲食や小売りのチェーンです。

真夏に店のエアコンが止まれば、その日は商売になりません。店がたくさんあるチェーンにとって、地域ごとに別々の業者を探すのは手間です。それを広い範囲でまとめて引き受けるのが、この会社の看板の仕事です。

もう一つ、金属製のドアやシャッター、サッシを作って取り付ける部門も持っています。こちらは小さいほうの柱です。

この会社は、この秋に上場をやめる予定です。

売上は1割強、利益はどの段も倍になりました

10月15日に出た、2027年5月期の第1四半期決算です。6月から8月までの3か月にあたります。

今回前年同期増減率
売上高67億6,100万円59億5,600万円+13.5%
営業利益3億9,900万円1億9,500万円+104.3%
経常利益4億300万円1億9,700万円+104.0%
純利益2億5,700万円1億2,900万円+99.4%

売上の伸びに比べて、利益の伸び方が大きすぎます。この差がどこから来たのかを探しました。

増えた売上の半分が、そのまま粗利に残っています

損益計算書まで行くと、売上と原価の動きが揃っていないことに引っかかりました。

前年同期今回増えた額
売上高59億5,690万円67億6,148万円約8億457万円
売上原価48億1,269万円52億1,034万円約3億9,764万円
売上総利益11億4,421万円15億5,114万円約4億692万円
販売費及び一般管理費9億4,850万円11億5,129万円約2億278万円
営業利益1億9,570万円3億9,984万円約2億413万円

約の付いた数字は、損益計算書の2期を私が引き算したものです。

売上は約8億円増えたのに、原価は約4億円しか増えていません。増えた売上の半分ほどが、粗利として手元に残ったことになります。

販管費も2割増えました。この会社は人を増やし、自前の研修センターで技術者を育てると書いているので、ここが膨らむのは不思議ではありません。それでも増えた粗利のほうが大きく、差し引きの約2億円が、営業利益の増えた分です。

営業外の収入はわずかで、特別利益もありません。利益の倍増は、ほぼ全部が粗利から出ています。

稼いだのはメンテナンス事業、ドアの部門は売上が減って利益が増えた

どの部門で稼いだかは、セグメントの表に出ています。

売上 前年同期売上 今回利益 前年同期利益 今回
メンテナンス事業52億8,503万円61億4,730万円1億3,009万円3億205万円
建設関連製品サービス事業6億8,006万円6億1,477万円6,560万円9,779万円

増えた営業利益の大半は、メンテナンス事業です。利益は前年同期の2倍を超えました。とはいえ、61億円あまりを売って残るのが3億円あまりという、薄い商売であることは変わっていません。

ドアやシャッターの部門は、売上が1割近く減ったのに、利益は5割増えています。売上が減って利益が増えた理由は、決算短信には書かれていません。小さい部門なので全体の結論は変わりませんが、気になる動き方です。

この短信に、キャッシュ・フロー計算書が無かった

私はいつも、添付資料をキャッシュ・フロー計算書のところまでめくります。今回、短信の11ページ目の注記には「キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」と書いてありました。第1四半期に作らない会社は珍しくありません。

代わりに、貸借対照表の動きで現金の出入りをたどりました。

5月末8月末増減
現金及び預金22億9,223万円25億243万円2億1,020万円
受取手形、売掛金及び契約資産50億9,837万円52億8,456万円1億8,619万円
未成工事支出金1億3,151万円2億3,860万円約1億709万円
支払手形及び工事未払金21億1,278万円26億718万円4億9,440万円

約の付いた数字だけが私の引き算で、ほかの増減は会社が説明文の中で書いている数字です。

現金は3か月で2億円あまり増えました。ただ、同じ3か月で、工事の支払いのうちまだ払っていない分が5億円近く増えています。……現金が増えたのは、まだ払っていないからか。

工事の途中でまだ売上になっていない費用も、2倍近くに増えています。8月末の時点で、手がけている途中の工事が多いということです。工事が重なれば、外注や材料への支払いが後ろにずれるのは普通のことです。

ただ、この3か月の現金の増加が、本業で稼いだ分なのか、支払いの時期がずれた分なのかは、計算書が無いので分けられません。

会社は「更新」を2回挙げています

会社は増収の理由を2つ書いています。1つは、多店舗のお客様のところで設備の入れ替えが進んだことです。もう一つは、メンテナンスサービスで「第2期を迎えた大型設備更新案件」が順調に進んだことです。

2つとも、古い機械を新しいものに替える工事です。点検や修理の契約が積み上がった、という書き方ではありません。

背景として、原油価格の上昇でエネルギーの費用が読みにくく、設備の維持費を削りたいお客様が多いことも挙げています。古いエアコンを省エネ型に替えれば電気代が下がるので、更新工事の話とつながります。

この説明は、貸借対照表の動きと合っています。工事の途中の費用と工事の未払いが、同じ3か月で一緒に膨らんでいるからです。なので、説明はそのまま受け取ります。

ただ、分からないことも残ります。大型案件が全体で何期まであるのか、工事と点検の売上がそれぞれいくらなのかは、決算短信には書かれていません。

通期予想は出ず、11月27日に上場廃止の予定です

この短信に、通期予想はありません。会社は理由をはっきり書いています。シンメンテホールディングスとの株式交換を予定していて、2026年11月27日に上場廃止になる予定だから、です。

進み具合を比べる通期予想がないので、ここは計算しません。前期の通期実績で割ることはできますが、工事が重なった四半期の数字をそれで割っても、予想の代わりにはなりません。空いている欄を、私の手で埋めることはしません。

配当も、今期の予想の欄は空いています。前期の期末配当は30円でした。株式交換の条件は、この短信には書かれていません。別の開示に出ているのかもしれませんが、私はそちらを開いていません。

表紙には、決算補足説明資料も説明会も「無」とあります。予定どおりに進めば、上場企業としてこの会社が出す短信は、これが最後になる計算です。

工事の重なりが効いた四半期だと考えています

利益が倍になった理由は、営業外でも特別利益でもなく、粗利です。ここまでは損益計算書の数字です。

そのうえで、私はこの伸びの多くを、設備更新の工事が重なった分だと考えています。理由は、会社が挙げた増収の要因が2つとも更新工事で、貸借対照表でも工事の途中の費用と未払いが同時に増えているからです。

点検や修理の契約が厚くなって粗利が増えたのなら、次の四半期も同じ形が続きます。工事の重なりなら、案件が終われば形が変わります。私の読みは後者で、それが合っているかを次の短信で確かめるつもりでした。

答え合わせができない会社を書くのは、私には珍しいことです。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

株主・投資家向け情報 | 株式会社 三機サービス【ビル・店舗・施設のトータルメンテナンス】
三機サービスの株主・投資家向け情報をご紹介しています。

工事の売上と、点検・修理の売上がそれぞれいくらだったのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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