はじめに
ハローズは、広島と岡山を軸に、中四国と兵庫県、山口県に店を出している食品スーパーです。扱っているのは野菜と肉と魚、できあいの弁当やおかず、それに牛乳や洗剤のような毎日なくなるもの。夕方に誰かが立ち寄って、かごに入れて帰るためのものばかりです。
この会社の店は、ほとんどが24時間開いています。工場の夜勤明けの人、交代勤務を終えて病院を出る人、子どもを寝かせてからようやく台所のことを考える人。そういう時間に開いている売場は、地方だとコンビニ以外にあまりありません。売場の広さをそろえた同じ型の店を、同じやり方で増やしていく。それがこの会社の作り方です。
弁当やおかずは自前で作っています。地元の大学と組んだ弁当も出している。売れ残った食べ物をフードバンクに渡す仕組みを自分たちで作り、いまも続けています。
この決算で何が起きたか
9月25日に出た中間決算です。3月から8月までの半年分にあたります。
| 項目 | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1,190億2,300万円 | 1,115億4,900万円 | +6.7% |
| 営業利益 | 57億800万円 | 58億5,800万円 | -2.6% |
| 経常利益 | 57億5,400万円 | 59億500万円 | -2.6% |
| 中間純利益 | 41億3,500万円 | 40億8,500万円 | +1.2% |
営業収益というのは、売場の売上高と、それ以外の営業収入を足したものです。真ん中の2行が減って、いちばん下だけが増えています。
最後の行だけが増えた理由は、税金の行にありました
税引前中間純利益は59億1,200万円から57億5,900万円へ動いています。減った額は1億5,300万円です。その下の法人税等は、18億2,600万円から16億2,400万円へ減っています。こちらの減りは2億200万円でした。引かれる額の減りが、稼ぎの減りより大きい。だから最後の行だけが上を向きました。
……いや、これは下から読んだほうが早い決算だ。
短信の終わりの注記に、中間期の税金費用は一年分の実効税率を見積もって半年分の税引前利益に掛けている、と書いてあります。この16億2,400万円は、半年で確定した納税額ではなく、通期の見積りを半分に割り付けた数字です。
増えた経費の半分近くが、給料でした
営業総利益は22億2,300万円増え、販売費及び一般管理費は23億7,300万円増えました。入ってきた粗利の増え方より、出ていった経費の増え方が1億5,000万円ほど大きい。これが営業利益の減った額とぴったり同じです。
では経費の何が増えたのか。
| 販管費のおもな科目 | 今回 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 給料及び賞与 | 112億8,700万円 | 101億6,900万円 |
| 地代家賃 | 28億7,500万円 | 26億6,400万円 |
| 減価償却費 | 27億8,800万円 | 23億7,800万円 |
| 水道光熱費 | 20億1,000万円 | 20億1,500万円 |
| 法定福利及び厚生費 | 14億4,700万円 | 13億1,000万円 |
給料及び賞与の増加は11億1,800万円。これだけで経費の増加の半分近くを占めます。短信の4ページ目に、2026年4月に正社員と嘱託社員を対象に賃金のベースアップを行った、と書いてあります。理由はインフレのもとでの従業員の生活支援だそうです。
地代家賃と減価償却費が増えているのは、店を開けた分です。4月に広島県東広島市、6月に兵庫県神戸市、8月に山口県宇部市へ、売場面積600坪型の24時間営業の店を出して、店舗数は116になりました。高松市、福山市、西条市、坂出市の4店は改装しています。
粗利の率は、前年同期とほとんど変わっていませんでした。売上総利益を売上高で割った私の計算です。値段が上がったぶん売上は増えたものの、売価と原価の差の取り方そのものは動いていません。
半年で現金が92億円減ったのは、前の期末の支払日のずれです
営業活動によるキャッシュ・フローが24億2,600万円のマイナスでした。前年同期は213億2,600万円のプラスです。桁から違います。
ただ、振れを作っているのは仕入債務の行でした。前年同期は147億8,200万円のプラス、今回は89億4,200万円のマイナス。短信の4ページ目に、前の事業年度末が金融機関の休日だったため仕入債務の支払が翌期に繰り越された、と書いてあります。
前の期末に払わなかった分が今期に出ていったので、去年ふくらんだ分が今年そのまま引っ込んだ形です。買掛金も、238億円近くから148億4,600万円へ減っています。
現金及び預金は230億6,100万円から137億9,600万円へ。それでも自己資本比率は57.0%から63.1%へ上がりました。払うべきものを払って、資産と負債が同時に縮んだからです。
有形固定資産の取得による支出は61億8,200万円で、前年同期の65億2,900万円とほぼ同じです。店を開ける手は止めていません。
決算短信の説明文に、減益の理由は書かれていません
4ページ目の説明文は、やったことの一覧です。低価格のプライベートブランドを広げた。生活防衛の企画を続けた。自社カードとアプリの会員を優遇した。自動発注の仕組みを広げた。地元の大学と作った弁当の14作目を8月に出した。そして4月にベースアップをした。
そのあと、営業収益と各利益の数字が並びます。利益が減ったことについての理由は、決算短信には書かれていません。
ただ、材料は一覧の中に置かれています。賃金を上げたこと、店を3つ開けたこと、4店を改装したこと。どれも経費が増える側の判断です。表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、10月2日に説明会を開く予定とも書いてあります。そちらに整理があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
通期予想に対して、どこまで来ているか
通期予想は6月24日に出したものから変わっていません。
| 項目 | 中間実績 | 通期予想 | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1,190億2,300万円 | 2,456億2,200万円 | 約48.5% |
| 営業利益 | 57億800万円 | 125億9,000万円 | 約45.3% |
| 経常利益 | 57億5,400万円 | 125億8,000万円 | 約45.7% |
| 純利益 | 41億3,500万円 | 86億6,000万円 | 約47.7% |
約の付いた進み具合は、中間実績を通期予想で割った私の計算です。半年経ったので目安は半分。売上はほぼ届いていますが、営業利益は半分より5ポイントほど手前にいます。
残りの半年に何が必要かを、通期予想から上期の実績を引いて出してみます。
| 残り半年に必要な額 | 金額 | 前の期の同じ半年と比べて |
|---|---|---|
| 営業収益 | 1,265億9,900万円 | 1割ほど増やす |
| 営業利益 | 68億8,200万円 | 4%ほど増やす |
| 経常利益 | 68億2,600万円 | 2.5%ほど増やす |
| 純利益 | 45億2,500万円 | 8%近く減らす |
右の列は、通期予想の増減率から前の期の下半期を割り戻して比べたものです。営業利益なら、通期予想は125億9,000万円で、増減率は+0.9%です。この倍率(1.009倍)で割り戻すと、前の期の通期は約124億7,800万円になります。そこから前年上期の58億5,800万円を引くと、前の期の下半期は約66億2,000万円です。これと68億8,200万円を並べました。
上期は売上+6.7%で営業利益が減りました。下半期は売上を1割増やして、営業利益を4%増に戻す置き方になっています。その段差をどう埋めるのかは、決算短信には書かれていません。
純利益だけが、下半期は8%近く減る形です。上期で税金が軽く出ているぶん、下半期は重くなる勘定だと考えました。
配当は中間36円が決まり、期末も36円の予想です。この利益水準なら、原資を心配する話ではありません。
私はどう読んだか
私はこの半年を、増益ではなく減益として受け取っています。理由は、増えたのは税金の行の下だけで、税引前が減っているからです。
減益の原因は、賃金と、新しい店にかかる償却と家賃でした。賃金は一度上げたら下がりません。人が集まらない商売で、そこに金を回す判断そのものは分かります。店を開ければ減価償却費も家賃も増える。使った先がはっきりしている減益です。
気になるのは下半期の置き方です。新しい3店が丸々効くこと、改装した店が伸びること、年末年始が入ること。思いつく説明はいくつかあります。ただ、上期は売上が6.7%増えても営業利益が減ったのですから、私はこの置き方を無理のあるほうだと考えています。どれが会社の見込みなのかは、決算短信からは拾えませんでした。
出典:決算短信(会社発表)

店を3つ増やして4店を改装したのに、水道光熱費が前年同期より減っている理由は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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