保育園と、携帯ショップの人と、老人ホームの会社
ライクは、子ども、働く人、お年寄りのそれぞれの場面に、人を置いている会社です。いちばん大きいのは保育の事業です。認可保育園を自分で開くほか、自治体や病院、企業が作った保育園の運営を引き受けています。学童クラブや児童館もあります。共働きの家庭が、朝に子どもを預けていく場所です。
二つめは人材派遣です。携帯電話の販売店やコールセンター、通販の物流倉庫、工場に人を送っています。三つめは首都圏の介護付き有料老人ホームです。看護師が夜も常駐する施設が多く、家での介護が難しくなった方が入居しています。
売上は増えて、利益は半分近くに
10月14日に出た、2027年5月期の第1四半期決算です。6月から8月までの3か月にあたります。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 163億3,000万円 | 159億3,000万円 | +2.5% |
| 営業利益 | 2億6,100万円 | 4億6,600万円 | △43.9% |
| 経常利益 | 2億3,000万円 | 4億3,700万円 | △47.3% |
| 純利益 | 1億3,000万円 | 2億6,500万円 | △50.9% |
売上は少し増えたのに、利益はどの段も4割から5割減っています。
減った2億円の9割は、保育の事業から出ている
短信の添付資料9ページ目に、事業ごとの利益が載っています。
| 事業 | 売上の増減 | 利益 前年同期 | 利益 今回 |
|---|---|---|---|
| 子育て支援 | 4.3%増 | 1億1,048万円 | △7,580万円 |
| 総合人材 | 1.3%減 | 4億3,355万円 | 4億38万円 |
| 介護関連 | 4.5%増 | 1億2,570万円 | 1億3,383万円 |
売上の増減は、短信の説明文に書かれている数字です。
引っかかったのは保育です。売上は増えているのに、黒字が赤字に変わっています。
全体の営業利益は、4億6,657万円から2億6,155万円へ減りました。減った額は2億502万円です。保育は1億1,048万円の黒字から7,580万円の赤字に変わりました。足すと、1億8,628万円の悪化です。2億502万円のうち1億8,628万円ですから、全体の減少の約9割が、保育の一行で説明できます。
派遣は少し減り、介護は少し増えました。この2つは打ち消し合っていて、今回の減益にはほとんど関わっていません。
増えたのは売上原価で、本社の経費は動いていない
損益計算書に戻ると、同じことが別の形で出ています。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 159億3,065万円 | 163億3,080万円 |
| 売上原価 | 139億5,611万円 | 145億5,645万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 15億796万円 | 15億1,278万円 |
売上が約4億円増えたのに、売上原価は約6億円増えています。販売費及び一般管理費の増加は、3か月で500万円足らずです。……本社のほうは、ほとんど何も変わっていない。
減益のほぼ全部が、原価の中で起きています。保育士の給料は現場の費用なので、こうした会社ではふつう売上原価に入ります。保育の人件費が増えたことと、原価だけが膨らんだことは同じ話の表と裏だ、と私は受け取りました。
この短信には、キャッシュ・フロー計算書が無い
私はいつも、キャッシュ・フロー計算書まで行ってから読み終えます。今回は添付資料10ページ目に、この四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない、と書いてありました。現金の動きは、貸借対照表の増減から追うしかありません。
| 前期末から動いたもの | 金額 |
|---|---|
| 受取手形、売掛金及び契約資産 | 19億3,500万円 減 |
| 現金及び預金 | 約3億457万円 減 |
| 未払法人税等 | 5億4,600万円 減 |
| 賞与引当金 | 約4億2,245万円 減 |
| 配当金の支払 | 5億7,500万円 |
約の付いた数字は、貸借対照表の5月末と8月末の差を私が引いたものです。ほかは短信の説明文にある数字です。
売掛金の回収で入ったお金が、税金と賞与と配当の支払いに回った形です。それでも現金は3億円ほどしか減っていません。1年内に返す借入金が減り、長期借入金が増えているので、借り換えもしています。お金の面は落ち着いていると考えています。
会社の説明は「人件費」と「期ズレ補助金」
保育の赤字について、短信は「従業員数増加に伴う人件費の増加や期ズレ補助金計上額の減少」と書いています。同じページには、グループの人材会社と組んで保育士や学童指導員の採用を強化した、ともあります。人を増やしたのは、会社自身が選んだことです。
人件費のほうは、そのまま受け取ります。原価だけが増えた損益計算書と合っているからです。
期ズレ補助金のほうは留保を付けます。費用が出る時期と補助金が入る時期がずれる、という意味だと思います。ただ、前年同期と今回でそれぞれいくらだったのかは、決算短信には書かれていません。表紙には、決算補足説明資料ありと書かれています。金額はそちらにあるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
派遣についても、会社は自分の心配を書いています。携帯電話の分野では需要は堅調なのに、採用が退職に追いつかず、働いている人の数が減っているそうです。物流では、大手通販会社との直接取引が増えています。
通期予想に対して、どこまで来ているか
通期の営業利益予想は35億円です。第1四半期の2億6,100万円は、その1割にも届いていません。4分の1を目安にすると、かなり遠い位置です。
| 営業利益 | 第1四半期 | 残り9か月 | 通期 |
|---|---|---|---|
| 前期 実績 | 4億6,600万円 | 約25億1,500万円 | 29億8,100万円 |
| 今期 会社予想 | 2億6,100万円(実績) | 約32億3,900万円 | 35億円 |
約の付いた数字は、通期の数字から第1四半期を引いた私の計算です。今期は残り9か月で約32億3,900万円ですから、前年の同じ期間の約25億1,500万円より3割近く多く稼ぐ計画です。
この予想が出たのは7月13日でした。6月から8月の第1四半期の、ちょうど真ん中です。会社は四半期の半分を実際に見たうえでこの予想を出し、8月まで終わったあとも変えていません。
もう一つ、経常利益と営業利益の上下が、前期と逆になっています。前期は経常利益36億6,800万円が、営業利益29億8,100万円を上回っていました。差は6億8,700万円です。今期の予想は、経常利益34億円が営業利益35億円を下回ります。前期の上乗せが何で、今期なぜ見込まないのかは、今回の短信には書かれていません。
私はどう読んだか
私は、この第1四半期の保育の赤字は、会社が計画の中に入れていたものだという見方をしています。理由は、予想を出したのが四半期の途中で、そのあとも動かしていないからです。採用を強めたことも、会社が自分で書いています。
それでも心配性なので、気になる点は残ります。残り9か月の3割近い上積みは、増やした保育士に見合う売上があとからついてくることが前提です。給料は毎月出ていくもので、補助金のずれのように後で戻ってはきません。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2462/tdnet/2894645/00.pdf
保育の赤字のうち、人件費と期ズレ補助金がそれぞれいくらずつだったのかは、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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