西松屋チェーン(7545)2027年2月期 中間決算分析――下期の倍増は前年次第と読みました

西松屋チェーン(7545)2027年2月期 中間決算分析――下期の倍増は前年次第と読みました 決算を読む

赤ちゃんから小学生までの服と日用品を、郊外の大きな店で

西松屋チェーンは、赤ちゃんから小学生くらいまでの子ども服と、育児の日用品を売っている会社です。紙おむつ、ベビーフード、チャイルドシート、玩具までが一つの店でそろいます。商品は自社で企画したものが中心で、その分だけ値段を低く抑えています。

店の多くは、郊外の道路沿いにある大きな平屋です。車で来て、まとめて買っていく使われ方をします。子どもは毎年サイズが変わるので、服は買い替えるのが前提です。高い服を長く着せるより、安い服を季節ごとに買い直す家庭が主なお客さんだ、と私は受け取っています。うちの5歳の娘の肌着も、半分くらいはここのものです。

売上は伸び、営業利益は前年に届かなかった上期

10月1日に出た中間決算です。対象は2026年2月21日から8月20日までの半年です。

今回前年同期増減率
売上高1,026億3,600万円969億7,300万円+5.8%
営業利益70億3,200万円73億500万円△3.7%
経常利益73億7,800万円75億800万円△1.7%
純利益49億9,200万円49億6,900万円+0.5%

売上は6%近く増えました。それでも営業利益と経常利益は前年を少し下回り、純利益だけがわずかに前年を上回っています。

粗利の伸びより、店の費用の伸びが大きかった

損益計算書を見ると、減益の形ははっきりしています。売上総利益は356億9,000万円で、前年同期より4.9%増えました。販売費及び一般管理費は286億5,700万円で、7.3%増です。粗利の増え方より、店を回す費用の増え方のほうが大きかったわけです。

販管費が増えた理由について、短信には「積極的な出店で店舗数が増加したことなどにより」とあります。半年で34店を出して17店を閉じ、店舗数は1,198店になりました。キャッシュ・フロー計算書の減価償却費も7億8,700万円から9億1,300万円へ増えていて、新しい店の分がここに乗ってきています。

半年を3か月ずつに分けると、利益の偏りが見えてきます。6月26日に出た第1四半期決算では、営業利益が53億2,100万円でした。上期の70億3,200万円からこれを引くと、5月21日から8月20日までの3か月は約17億1,100万円です。

第1四半期(2月21日〜5月20日)第2四半期(5月21日〜8月20日)
売上高545億5,400万円約480億8,200万円
営業利益53億2,100万円約17億1,100万円

約の付いた数字は、上期の累計から第1四半期を私が引いたものです。

上期の営業利益70億3,200万円のうち、53億2,100万円、およそ4分の3は、入学と進級の季節を含む最初の3か月で出ています。前年の同じ3か月の数字は、私の手元にまだありません。これが毎年の形なのか、今年だけ夏の3か月が弱かったのかは、判断がつきません。

営業キャッシュ・フローが減ったのは、仕入代金の払い方

10ページ目のキャッシュ・フロー計算書で引っかかったのは、営業キャッシュ・フローが85億2,000万円から56億800万円へ、3割以上減っていることです。利益はほぼ前年並みなのに、入ってきた現金は少なくなっています。

項目を順に追うと、差を生んでいるのは仕入代金の支払いでした。

前年同期今回
仕入債務の増減30億7,600万円△17億3,600万円
棚卸資産の増減△12億2,100万円6億7,700万円
売上債権の増減△4億4,700万円△11億1,200万円
法人税等の支払額△21億7,100万円△12億4,400万円

前年は、仕入れの支払いを後ろに回した分が、現金を30億円あまり押し上げていました。今年は逆に、溜まっていた支払いを済ませた分で、現金が17億円あまり減っています。貸借対照表でも、電子記録債務が25億2,900万円減りました。一方で商品の在庫は6億7,700万円減っていて、売れ残りが積み上がっている形ではありません。

これは支払いの時期の違いで、商売が現金を生まなくなったわけではない、と私は考えています。理由は、比べている前年の数字のほうが、支払いを先送りした分だけ膨らんでいたからです。

持っている有価証券の評価が減り、包括利益は4割減

純利益とは別に、包括利益は32億8,300万円で、前年同期より44.0%減りました。原因は、その他有価証券評価差額金が16億3,400万円のマイナスになったことです。保有している投資有価証券の評価額が目減りしたことを示しています。本業の損益には入らない数字ですが、純資産の増え方はこの分だけ鈍りました。

会社の説明は、出店と季節の衣料

短信の説明文で、会社は売上の伸びた理由を3つ挙げています。春物と夏物の衣料が気温の上昇で好調だったこと。小学校高学年向けの服が伸び続けていること。公式オンラインストアが、新規会員の増加で好調だったことです。減益については、販管費が出店で増えたという一文があるだけです。

売上の説明は、そのまま受け取ります。商品の名前が具体的で、数字とも食い違いません。ただ、第2四半期の3か月で利益が細った理由は、決算短信には書かれていません。夏物が好調だったとある時期に利益が小さいので、ここは説明が足りないと感じました。表紙には決算補足説明資料も説明会も「有」とあるので、そちらに理由があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

下期に必要な営業利益は55億円、上期の70億円より少ない

通期予想上期実績残り6か月に必要な額
売上高2,050億円1,026億3,600万円1,023億6,400万円
営業利益125億4,000万円70億3,200万円55億800万円
純利益83億7,700万円49億9,200万円33億8,500万円

右の列は、通期予想から上期実績を私が引いたものです。

売上はちょうど半分を過ぎ、営業利益は通期予想の半分を少し超えたところまで来ています。数字の上では、順調な進み方です。

気になるのは、下期の55億800万円が前年の下期の2倍を超えることです。前年の下期を出してみます。表紙の通期予想125億4,000万円には「前期比26.1%増」とあります。つまり、前期の通期の営業利益を1.261倍したものが125億4,000万円です。これを1.261で割り戻すと、前期の通期の営業利益はおよそ99億4,000万円になります。そこから前年上期の73億500万円を引くと、前年の下期はおよそ26億4,000万円になります。

前年は、上期に73億円を稼ぎ、下期は26億円で終わっていたことになります。……前年の下期は、何かで凹んでいたのか。

通期予想は、4月2日に出したものから変わっていません。一方で中間配当は前期の16円から17円に上がり、配当予想を修正したと短信にあります。利益の見通しは据え置き、配当だけを1円上げた形です。

私はどう読んだか

私は、下期の倍増を「前年の下期が小さかった分の戻り」として組んだ予想だ、という見方をしています。理由は、今年の下期に求められている55億円が、今年の上期の70億円より少ないからです。上期より稼ぐ下期を前提にした数字ではありません。

ただ、前年の下期がなぜ26億円で終わったのかは、この短信には書かれていません。値引きで在庫を片付けたのか、一時的な費用があったのか。一時的なものなら予想は自然に見えますし、毎年の季節の形なら55億円は重い数字です。今年の第2四半期が17億円だったことを考えると、心配性の私は後者を先に思い浮かべてしまいます。

上がるかは知りません。上期の減益は出店の費用で、営業キャッシュ・フローの減少は支払いの時期で、どちらも説明が付きます。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.24028.jp/ir/wp-content/uploads/sites/3/2027-2-2q.pdf

前年の下期の営業利益が、なぜ上期の半分にも届かなかったのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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