ドトール・日レスホールディングス(3087)2027年2月期 中間決算分析――予想は古いと読みました

ドトール・日レスホールディングス(3087)2027年2月期 中間決算分析――予想は古いと読みました 日本株

はじめに

駅前や繁華街にある「ドトールコーヒーショップ」を束ねている持株会社です。店の多くは加盟店です。本部はコーヒー豆を焙煎して加盟店に卸し、ロイヤリティを受け取ります。

もう一つの柱が日本レストランシステムという会社です。「星乃珈琲店」や「洋麺屋五右衛門」のような、座って時間をかけて食べる店を、主に直営で運営しています。

店の外でもコーヒーを売っています。スーパーやドラッグストアに並ぶドリップバッグやインスタント、通信販売の詰め替え用、コンビニの冷蔵棚のコーヒー飲料です。朝の駅で一杯買う人と、家で一杯いれる人。その両方が客になっている会社です。

上期の営業利益は4割近く増えました

2026年10月13日に出た中間決算です。対象は3月から8月までの半年です。

今回前年同期増減率
売上高857億3,600万円797億4,100万円+7.5%
営業利益73億8,400万円53億4,700万円+38.1%
経常利益75億3,400万円54億9,700万円+37.0%
純利益52億1,900万円39億3,300万円+32.7%

売上の伸びは1割に届いていません。それでも、利益は4割近く伸びています。

伸びたのは、店の外で売るコーヒーでした

利益の伸び方の差は、事業ごとの表に出ています。

売上高前年同期比事業の利益前年同期比
ドトールコーヒーグループ532億1,900万円+10.5%40億3,400万円+48.9%
日本レストランシステムグループ293億2,900万円+3.5%27億4,800万円+21.8%

コーヒーの側の利益が5割近く伸びています。その中身をさらに分けると、グループ内の取引を除いた売上のうち、卸売は256億4,800万円から294億6,400万円へ増えました。店で売る小売は212億7,400万円から224億9,900万円へ増えています。増えた額は卸売が38億1,600万円、小売が12億2,500万円です。卸売の増え方は小売の3倍ほどになります。

損益計算書でも確かめました。粗利(売上総利益)は469億9,400万円から505億6,900万円へ増えています。増えた額は35億7,500万円です。販管費の増加は15億3,800万円です。粗利の増加から販管費の増加を引くと、20億3,700万円になります。この額が、営業利益の増加分にそのまま一致します。営業利益の73億8,400万円と53億4,700万円の差です。

営業外や特別利益で膨らんだ利益ではありません。粗利の増え方に、経費の増え方が追いついていない形です。

同じ半年で、在庫も大きく膨らんでいます

貸借対照表に移って、引っかかったのがここです。

2月末8月末
商品及び製品40億4,900万円55億2,200万円
原材料及び貯蔵品26億7,400万円38億1,100万円
支払手形及び買掛金81億200万円103億2,100万円

在庫が半年で両方とも増えています。キャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加で25億9,100万円の現金が出ていきました。前年同期の15億1,000万円より大きい額です。

ただ、同じ計算書で、仕入債務の増加が20億6,900万円の現金を残しています。在庫の多くは、まだ代金を払っていない仕入れで抱えている計算です。現金の面では、いますぐ重い話ではありません。

営業キャッシュ・フローは70億4,500万円で、前年同期の32億5,800万円の倍以上です。ただし前年は、売掛金などの増加と「その他」で、合わせて40億円を超える現金が出ていました。今年が倍になったのは、前年が弱かったせいでもあります。利益が現金で裏付けられている、というところまでは言えます。

在庫が増えた理由は、決算短信には書かれていません。表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」とあります。そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。卸売の伸びに合わせた仕込みなのか、値上がりを見越した買い置きなのか。どちらなのかで、この在庫の重さは変わります。

会社はどう説明しているか

会社は短信の4ページ目で、伸びた理由を自分の言葉で書いています。季節商品など単価の高いメニューを出したこと、ドトールで価格を改定したこと、キャッシュレスの販促で客数を戻したこと。既存店の売上は前年同期比で、コーヒーの側が103.1%、レストランの側が102.7%です。卸売は通信販売、量販店、ドラッグストアでの販売が大きく伸びた、とあります。

一つ、目に留まった一文があります。ドトールでは7月23日に価格を改定し、改定の前後1ヵ月で客数に大きな変化は見られない、としています。

これはそのまま受け取ります。ただ、7月23日は上期の終わりまで6週間ほどしかありません。値上げの効き目は、ほとんどが下期に入ってから出るはずです。1ヵ月で客が離れなかったことと、半年たっても離れないことは、同じではありません。

残り半年は、6月から8月の3か月分で足りる置き方です

ここでいちばん首をかしげました。

営業利益金額
上期の実績73億8,400万円
うち第1四半期(3月〜5月)37億7,000万円
うち6月〜8月約36億1,400万円
通期予想110億4,300万円
残り半年に必要な額約36億5,900万円
前年の下期約48億円

約の付いた数字は、私が短信の数字から引き算したものです。前年の下期はこう出しました。通期予想の110億4,300万円を前期比の倍率1.088で割り戻すと、前年の通期は約101億5,000万円です。そこから前年の上期53億4,700万円を引きました。

7月13日に出た第1四半期の営業利益は37億7,000万円でした。上期の73億8,400万円から引くと、6月から8月の3か月で約36億1,400万円です。そして通期予想を達成するのに、残り半年で要るのは約36億5,900万円。

……3か月で稼いだ額と、半年で稼ぐと置いた額が、ほぼ同じだ。

残り半年の約36億5,900万円は、前年の下期の約48億円より4分の1ほど低い見込みです。営業利益の進み具合は、この時点で3分の2まで来ています。売上のほうは半分を少し超えたところです。

会社は「計画を大きく上回る結果」と自分で書いています。そのうえで、4月14日に出した予想を変えていません。理由は「更なる業績の進捗を見極めるため」とだけ書かれています。中間配当は前年の27円から32円に増やしています。

私はどう読んだか

この据え置きには、2つの受け取り方があります。4月に作った予想がそのまま残っているだけなのか。下期に、上期には出ていない悪い材料を見込んでいるのか。

私は前者の見方をしています。理由は、増えた利益が粗利の伸びから出ていて、営業キャッシュ・フローでも裏付けが取れているからです。価格改定の効き目も、大半はこれから入ってきます。中間配当を増やしたことも、下期を厳しく見込んでいる会社の動きとは思えません。

それでも心配性なので、下振れの側を先に見ておきます。会社は原材料、光熱費、物流費、人件費の上昇を繰り返し書いています。そこへ、短信に理由の書かれていない在庫の積み上がりです。仕入れの値段が上がる前に買い置いたのなら、その原価は下期の損益に出てきます。

上がるかは知りません。在庫の中身だけは、次の決算で確かめるつもりです。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信|株式会社ドトール・日レスホールディングス
株式会社ドトール・日レスホールディングスの「決算短信」をご覧いただけます。

商品と原材料の在庫が半年でこれだけ増えた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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