工事現場の小屋を、売って、貸す会社
工事現場の入り口に、窓の付いた四角いプレハブの小屋が置いてあることがあります。あれがユニットハウスで、ナガワはその大手です。建設会社が現場事務所や休憩所として借ります。地震や豪雨のあとには、仮設の事務所や住まいとして運び込まれます。大きな催しでは、控室や受付にもなります。
売るだけでなく、貸すことが商売の大きな柱です。ハウスを自分で持っておき、必要な期間だけ現場へ出します。
ほかに二つの事業があります。工場で作ったユニットを組み上げて倉庫や事務所を建てるモジュール・システム建築と、北海道での建設機械のレンタルです。
4つの利益がそろって前年を上回った上半期
2026年10月26日に出た中間決算です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 174億4,500万円 | 164億800万円 | +6.3% |
| 営業利益 | 20億2,200万円 | 18億3,000万円 | +10.5% |
| 経常利益 | 24億8,300万円 | 22億3,100万円 | +11.3% |
| 純利益 | 16億2,600万円 | 11億8,200万円 | +37.5% |
純利益だけ、伸び方が飛び抜けています。
ハウスを買うお金が、営業キャッシュ・フローの中にある
貸借対照表を開くと、現金及び預金がこの半年で21億円あまり減っていました。利益は前年より多いのに、です。キャッシュ・フロー計算書で行き先を確かめました。
| 今回 | |
|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 10億5,100万円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △16億4,300万円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △15億4,800万円 |
| 現金及び現金同等物の増減 | △21億3,900万円 |
財務活動の出金は、全額が配当金の支払いです。投資活動では、11億8,400万円が投資有価証券の取得でした。この二つは使い道がはっきりしています。
引っかかったのは営業活動のほうです。税引前中間純利益が24億5,900万円、減価償却費が23億3,400万円あります。それなのに、営業で残った現金は10億5,100万円でした。……少なすぎる。
答えは営業活動の欄の中ほどにありました。「貸与資産の取得による支出」28億8,500万円です。貸し出すハウスを買ったお金が、投資活動ではなく営業活動に入っています。10億5,100万円に、この28億8,500万円を足し戻してみます。合計は39億3,600万円です。ハウスを買わなければ、本業はそれだけの現金を生んでいた計算です。
買った額は、会社全体の減価償却費を上回っています。貸借対照表でも、貸与資産は8億900万円増えて157億3,400万円になりました。古くなったハウスを入れ替えただけではなく、貸せる台数そのものを増やしている、と私は受け取りました。
前年同期と並べると、買い増しの勢いが分かります。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 貸与資産の取得による支出 | △24億6,200万円 | △28億8,500万円 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2億2,700万円 | 10億5,100万円 |
前年はハウスを買ったあと、営業キャッシュ・フローが2億円台まで細っていました。今回はそれより多く買って、なお10億円を残しています。
純利益は、前期の一時的な損と益にはさまれている
中間純利益は4割近く増えましたが、経常利益の伸びは1割ほどです。差を生んだのは特別損失でした。前年の上半期には投資有価証券評価損が4億3,400万円あり、今回はそれがありません。
反対に、通期の純利益は4分の1ほど減る予想です。減る理由は、決算短信には書かれていません。表紙の通期予想と増減率から前期を割り戻すと、前年の下期の形が見えてきます。
| 前期通期 | 前期中間 | 前期下期 | |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 約50億500万円 | 22億3,100万円 | 約27億7,400万円 |
| 純利益 | 約44億3,500万円 | 11億8,200万円 | 約32億5,300万円 |
約の付いた数字は、通期予想を表紙の増減率(経常利益+1.9%、純利益△25.6%)で割り戻し、前期中間の実績を引いた私の計算です。
前年の下期は、純利益が経常利益を5億円近く上回っていたことになります。税金を払ったあとの利益が経常利益より大きくなるのは、特別利益が入った期くらいです。
前期の下期に大きな一時的な利益があり、今期はそれを見込んでいません。通期の減益予想はそういう組み立てだ、と私は考えました。その利益の中身は、この短信からは分かりません。
配当をもらう側でも、払う側でもある
営業利益と経常利益の差は4億6,100万円です。ほとんどが受取配当金の4億3,700万円でした。保有する投資有価証券は230億4,400万円あり、総資産のほぼ3割にあたります。この半年でもさらに買い増しています。
払う側では、配当予想が60円から80円へ引き上げられました。ただ、前期の期末配当は100円でした。引き上げたあとでも、前期より20円少ない水準です。前期が100円だった理由は、今回の短信には書かれていません。
会社はどう説明しているか
ユニットハウスの販売は、常設展示場の増設と展示品の増強で、全国的に受注が進んだと書いています。レンタルは保有するハウスを増やし、民間やアジア大会などの催しの需要についていけた、という説明です。令和8年熊本地震や台風・豪雨の復旧にも対応したそうです。
ハウスの買い増しは、キャッシュ・フロー計算書の数字と噛み合っています。この説明はそのまま受け取ります。
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| ユニットハウス | 144億8,100万円 | +5.5% | 17億5,900万円 | +13.2% |
| モジュール・システム建築 | 25億5,800万円 | +14.1% | 2億3,200万円 | +1.9% |
| 建設機械レンタル | 4億500万円 | △8.0% | 4,900万円 | △27.1% |
留保を付けたいのは、モジュール・システム建築です。短信には「価格転嫁が進み、改善が見られました」とあります。しかし売上が1割以上増えたのに、利益はほぼ横ばいです。「改善」という言葉と、数字の伸び方が合っていません。
建設機械レンタルは、道南で土木工事の需要をつかめなかったと書いています。規模が小さいので、全体への響き方は限られます。
通期予想に対して、どこまで来ているか
通期予想は5月15日のまま据え置かれています。
| 中間期 | 通期予想 | 進捗率 | 下期に必要な額 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 174億4,500万円 | 380億円 | 45.9% | 205億5,500万円 |
| 営業利益 | 20億2,200万円 | 45億円 | 44.9% | 24億7,800万円 |
| 経常利益 | 24億8,300万円 | 51億円 | 48.7% | 26億1,700万円 |
| 純利益 | 16億2,600万円 | 33億円 | 49.3% | 16億7,400万円 |
右端の列は、通期予想から中間期を引いた私の引き算です。
進捗率は、どれも半分を少し下回っています。下期の売上は、前年の下期より1割近く多い見込みです。それなのに下期の営業利益は、前年の下期をわずかに下回る予想になっています。
上期は売上が増え、利益率も上がりました。会社は半年の実績を見たあとも、下期の利益の見込みを上げていません。その理由は、短信には「予想に変更はございません」とあるだけです。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。
私はどう読んだか
私は、現金が減ったのは投資の結果で、本業は細っていない、という見方をしています。理由は、ハウスを前年より多く買ったうえで、営業キャッシュ・フローが前年の4倍以上に増えているからです。レンタルを広げたという会社の説明とも、数字が一致しています。
純利益の上下は、前期の評価損と、前期下期にあったはずの特別利益の出入りで、だいたい説明が付きます。通期の減益予想は、本業が落ちる話とは別だと考えています。
心配なのは下期の営業利益です。買い増したハウスの減価償却が、下期に重くなってくる段階なのかもしれません。心配性なので、ここは次の決算で確かめます。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)
下期の営業利益を前年の下期より低く見込んでいる理由は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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