リテールパートナーズ(8167)2027年2月期 中間決算分析――粗利の伸びが給料に消えたと見ました

リテールパートナーズ(8167)2027年2月期 中間決算分析――粗利の伸びが給料に消えたと見ました 日本株

山口と九州で、夕飯の材料を買う店

リテールパートナーズは、山口県と九州で食品スーパーを営む会社をまとめている持株会社です。主な子会社は、山口の丸久、大分のマルミヤストア、福岡のマルキョウです。店の看板は「アルク」「マルキョウ」など地域ごとに違います。

仕事帰りに夕飯の材料を買い、週末にまとめ買いをする。そういう店です。焼肉のたれを作る会社や保険の代理店も持っていますが、売上のほとんどはスーパーです。この半年で、宮崎の惣菜工場とお菓子の会社も買いました。

私は埼玉に住んでいるので、どの店にも入ったことがありません。それでもスーパーは決算が家計簿に近く、外からでも中の動きがつかみやすい業種です。

売上は増えて、利益は2割近く減りました

10月15日に出た、2027年2月期の中間決算です。3月から8月までの半年分にあたります。

今回前年同期増減率
売上高(営業収益)1,433億9,200万円1,390億6,100万円+3.1%
営業利益27億7,600万円33億5,200万円△17.2%
経常利益32億9,500万円39億5,200万円△16.6%
純利益20億3,400万円27億400万円△24.8%

売上は増えたのに、利益はどの段でも減っています。

増えた粗利と、ほぼ同じだけ給料が増えていました

利益がどこで消えたのかは、損益計算書に出ています。

前年同期今回増減
売上総利益(粗利)316億4,800万円327億1,300万円+10億6,500万円
従業員給料及び賞与139億4,400万円149億4,600万円+10億200万円
販管費のうち「その他」104億9,000万円110億2,900万円+5億3,900万円
販売費及び一般管理費の合計332億5,700万円350億400万円+17億4,700万円

増減の列は、私の引き算です。

粗利は10億6,500万円増えました。同じ半年で、従業員の給料と賞与は10億200万円増えています。……ほとんど同じ額だ。

そこへ、手数料などが入る販管費の「その他」の増加が重なりました。販管費の合計は17億4,700万円増えて粗利の増加を上回り、その差だけ営業利益が減っています。

ただし、給料の増加を全部「賃上げ」と受け取るのは早いです。前の期に子会社にした永野は、前年は半年の途中から、今年は期首から損益に入っています。永野の分と賃上げの分の内訳は、決算短信には書かれていません。

店の数も確かめました。半年で1店開けて3店閉め、ほかに改装と地震で3店が休業中です。8月末は277店で、半年前より4店少なくなっています。売上が増えたのは、店が増えたからではありません。

営業キャッシュ・フローは、利益より大きく減っています

営業キャッシュ・フローは21億3,800万円減りました。

前年同期今回
税金等調整前中間純利益39億1,600万円32億300万円
減価償却費20億7,700万円22億900万円
仕入債務の増減27億4,800万円22億4,000万円
その他14億3,100万円9,200万円
営業活動によるキャッシュ・フロー80億1,700万円58億7,800万円

このうち、利益の減少で説明できるのは、税金等調整前の利益が減った7億1,300万円です。いちばん大きく減ったのは「その他」で、13億3,900万円減っています。

ここに何が入っているのかは、決算短信には書かれていません。前年の14億円が大きかったのか、今年のほうが普通なのかも分かりません。

営業で得たお金は58億7,800万円です。そこから投資に使った32億7,200万円を引くと、26億600万円が残ります。その中から、自社株買いに20億円、配当に8億5,800万円を出しました。借入の返済にも10億8,100万円を出しています。出した額は、残った分を上回ります。

手元の現金同等物は195億4,500万円から181億8,800万円へ減っています。自己資本比率は66.0%で、借入も多くありません。お金の面で心配する決算ではありません。

会社の説明は「単価」と「人件費」

会社は短信の4ページ目で、増収の理由に、物価高による一品単価の上昇と、永野の損益が期首から入ったことを挙げています。

利益については、在庫管理や仕入れ先の見直し、販売価格への反映で「売上総利益は前年同期並みを確保」と書いています。粗利の額は増えているので、これは売上に対する割合の話だと受け取りました。そのうえで、人件費と各種手数料の増加が続いていることを、会社自身が認めています。

対策は、DXによる省力化など「生産性の向上に関する検討を進めております」です。まだ検討の段階です。

7月の熊本地震では5店が一時休業し、災害による損失は4,600万円でした。利益が減った主な理由ではありません。

残りの半年に、3割近い増益が要ります

上期の実績通期予想進み具合下期に要る額
売上高1,433億9,200万円2,885億円約50%1,451億800万円
営業利益27億7,600万円68億円約41%40億2,400万円
純利益20億3,400万円53億5,000万円約38%33億1,600万円

約の付いた数字は、上期の実績を通期予想で割ったものです。

通期予想は、下期に40億2,400万円、前年の下期より3割近く多い営業利益を稼ぐ前提になっています。

予想は4月13日に出したもののまま、変えていません。下期になぜそれだけ増えるのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに理由があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

宮崎の惣菜会社の損益は、下期から入ります。ただ、取得で増えた資産は8億1,100万円です。グループ全体の中では小さな会社です。

下期の3割増は、重い置き方だと考えています

第1四半期の営業利益は14億1,300万円でした。中間の27億7,600万円から引くと、6月から8月は13億6,300万円です。後半の3か月は、前半より少し減っています。

私は、下期の3割増は重すぎる見込みだと考えています。理由は、利益を削ったのが給料で、給料は半年たっても元に戻る種類の費用ではないからです。

単価の上昇がこれから粗利にもっと効いてくる、という読み方もあります。ただ、6月から8月の数字はまだその形になっていません。だから私は、会社の見込みには届かない側だと読んでいます。心配性なので、私は足りない側から先に考えてしまいます。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信|IR情報|株式会社リテールパートナーズ

営業キャッシュ・フローの「その他」が、14億3,100万円から9,200万円まで減った中身は、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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