FPパートナー(7388)2026年11月期 第3四半期決算分析――減益は粗利で起きたと読みました

FPパートナー(7388)2026年11月期 第3四半期決算分析――減益は粗利で起きたと読みました 日本株

はじめに

FPパートナーは保険の代理店です。生命保険を中心に、いくつもの保険会社の商品を扱っています。営業社員がお客さんの家や職場に出向いて話をする、訪問型が中心です。店舗も持っています。

この会社には分業の仕組みがあります。話を聞きたい人を集めるのは会社の仕事です。営業社員は、保険の説明と契約に専念します。

お客さんは、老後のお金や子どもの学費を考え始めた家庭です。どの保険会社の商品がいいのか、自分では比べきれない人が、比べてもらうために話を聞きます。

もう一つ、短信には、業務改善計画を全社で実行していると書かれています。改正保険業法の施行に合わせて、商品を比べて勧めるやり方を見直している最中です。

売上は少し減り、利益は3割減った

10月15日に出た第3四半期決算です。期間は12月から8月までの9か月です。

今回前年同期増減率
売上高234億2,700万円243億5,800万円△3.8%
営業利益15億4,300万円22億2,800万円△30.8%
経常利益16億7,100万円23億8,900万円△30.1%
純利益10億9,400万円15億2,800万円△28.4%

前年同期も、その前の年から営業利益が半分近く減った年でした。2年続けての減益です。

売上が9億円減って、粗利が7億円減っていた

損益計算書まで下りて、引っかかったことがあります。売上原価がほとんど減っていません。

前年同期今回
売上高243億5,821万円234億2,783万円
売上原価162億6,644万円160億4,213万円
売上総利益80億9,176万円73億8,569万円
販売費及び一般管理費58億6,297万円58億4,252万円
営業利益22億2,878万円15億4,317万円

売上は9億3,037万円減りました。原価の減りは2億2,431万円にとどまります。差し引きで、粗利は7億606万円減っています。

販管費は、前年とほぼ同じ額です。営業利益の減少は6億8,561万円なので、減益のほとんどは粗利の段階で起きたことになります。人を増やして経費がふくらんだ、という形ではありません。

この会社の売上原価の中身は、決算短信には書かれていません。代理店なので、営業社員への報酬が多くを占めるのだろうと想像はしていますが、確かめてはいません。

減ったのは生命保険の売上だけだった

売上の内訳は、短信の最後のほうに載っています。

前年同期今回
生命保険代理店業231億1,618万円221億1,943万円
損害保険代理店業9億8,796万円10億4,212万円
その他の事業2億4,357万円2億5,489万円

減ったのは生命保険だけです。損害保険とその他は、少しずつ伸びています。

理由は、会社の説明文の中にあった

短信の説明文に、この減り方の理由になりそうな一文がありました。商品構成の話です。

資産形成への関心が高く、一時払いの商品がよく売れている。その裏で、平準払いの商品の比率が下がった。そのため、業務品質支援金の計上が抑えられた。会社は短信の4ページ目でこう説明しています。

一時払いは、保険料をまとめて一度に払う契約です。平準払いは、毎月や毎年、同じ額を払い続ける契約です。業務品質支援金が何に対して払われるお金なのかは、決算短信には書かれていません。

ここまでは会社の説明と損益計算書の数字です。

ここからは私の推測です。支援金は、平準払いの契約に付いて保険会社から入るお金だと思います。営業社員への報酬がほとんど付かないお金なので、減ればそのまま粗利が減ります。売上の減り方に比べて原価が減らなかったのは、このためだと私は読みました。

現金が23億円減った先は、配当と自社ビルだった

いつもの癖で、キャッシュ・フロー計算書を探しました。短信の注記には、第3四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない、とあります。第3四半期では珍しいことではありません。代わりに貸借対照表を見ました。

現金及び預金は、75億1,935万円から52億1,335万円へ減っています。会社は主な理由として、配当金の支払いを挙げています。

この9か月には、2月に10億9,211万円、8月に10億8,443万円の配当を支払っています。合わせて21億7,655万円です。同じ期間の純利益は10億9,477万円なので、利益の倍ほどを配ったことになります。そのほかに、自己株式30万1,500株の取得と、自社ビルの建設がありました。建物は22億1,100万円から31億5,899万円へ増えています。

通期で見ると、予想1株利益70.08円に対して配当予想は94円です。利益を3割あまり上回る配当を予定しています。それでも自己資本比率は62.3%あり、すぐに資金が足りなくなる形ではありません。ただ、営業でどれだけ現金が入ったのかは、この短信からは確かめられません。

会社はどう説明しているか

会社は、売上を伸ばすための材料を並べています。6月から8月の3か月で営業社員を122名採用し、8月末の人数は2,242名です。新たに9つの代理店と、契約を引き継ぐ合意をしています。廃業や事業縮小を考える代理店からの相談が増えていて、特に損害保険の代理店からの相談が多いそうです。

損害保険の売上が伸びているのは、この話と矛盾しません。ただ、伸びた額は、生命保険の減った額より一桁小さいのが現状です。

資産除去債務の見積りを変更したことで、営業利益が3,792万円減っています。減益の6億8,561万円と比べれば、小さな額です。

業績については、7月15日に出した通期予想に対して、おおむね想定どおりだと書いています。数字の上では、想定どおりという説明はそのまま受け取ります。引っかかるのは、その想定の中身のほうです。

最後の3か月に、前年と同じ利益を置いている

7月に出た中間決算の短信では、上期の営業利益は10億7,600万円でした。今回の9か月累計は15億4,300万円です。ここから上期の分を引くと、6月から8月の3か月は4億6,700万円になります。

売上高営業利益
上期(12月〜5月)155億9,900万円10億7,600万円
第3四半期(6月〜8月)約78億2,800万円約4億6,700万円
9月〜11月に必要な額約83億6,600万円約7億5,700万円
通期予想317億9,300万円23億円

約の付いた数字は、表紙の通期予想と累計の数字から私が引き算したものです。

営業利益は、通期予想の3分の2ほどまで来ています。残りの3か月に必要なのは7億5,700万円で、直前の3か月より6割あまり多い額です。前年の同じ3か月とほぼ同じ利益を見込んでいることになります。

9か月で3割減った会社が、最後の3か月だけ前年並みに戻す計画です。……6割増しは、軽くない。

私はどう読んだか

考え方は2つあります。採用と契約の引き継ぎが効いて、最後の3か月で取り戻すという見方。商品構成の変化が続いて、粗利の減り方が当面変わらないという見方です。

私は後者だと考えています。理由は、会社自身が挙げた原因が、金利の上昇で一時払いが売れるという流れだからです。短信の説明文は、資産形成の需要が引き続き高いと書いています。その流れが9月からの3か月で反転するとは、短信のどこからも読み取れません。

上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | 株式会社FPパートナー

業務品質支援金が、どの商品にどんな条件で支払われるお金なのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました