リビングプラットフォーム(7091)2027年3月期 第1四半期決算分析――経常の予想が腑に落ちない

リビングプラットフォーム(7091)2027年3月期 第1四半期決算分析――経常の予想が腑に落ちない 決算を読む

はじめに

リビングプラットフォームは、介護施設の会社です。大都市圏の駅に近い場所に、有料老人ホームやグループホームをまとめて建てています。施設どうしが近いので、職員の行き来や運営に無駄が出にくい作りです。家族が親の入居先を探すときに、面会に通いやすい場所にある施設、という選ばれ方をしているのだと思います。

介護のほかに、障がいのある人の暮らしと仕事を支える事業もあります。数人で共同生活をする住まいや、一般の会社で働くのが難しい人が作業をして工賃を受け取る事業所です。保育園も運営しています。お年寄り、障がいのある人、子ども。世話をする相手は違いますが、どれも人が職員の手を借りて毎日を過ごす場所を、施設ごと用意する商売です。

売上も利益も伸びた3か月でした

8月14日に出た第1四半期決算です。

今回前年同期増減率
売上高59億4,600万円53億5,400万円+11.1%
営業利益2億1,600万円1億2,000万円+79.6%
経常利益2億7,400万円1億3,200万円+106.6%
純利益1億7,400万円9,300万円+87.2%

経常利益は倍を超えていて、伸び方が営業利益より大きくなっています。この差がどこから来たのかを探しに、損益計算書まで進みました。

営業利益の外で、助成金収入が倍になっていた

経常利益は、営業利益に本業以外の出入りを足したものです。その本業以外の収入の内訳が、短信の8ページ目にあります。

営業外収益前年同期今回
家賃従業員負担金1,041万円2,648万円
助成金収入2,547万円5,311万円
その他1,335万円2,105万円
合計4,937万円1億83万円

引っかかったのは、助成金収入の5,311万円です。前年同期のほぼ倍で、今回の営業利益の4分の1に近い金額になります。何の助成金なのか、今後も続く種類のものなのかは、決算短信には書かれていません。

家賃従業員負担金も2倍半に増えています。職員向けに会社が部屋を用意し、その家賃の一部を職員から受け取っている科目名です。社宅に住む職員が増えたのかもしれません。人手の確保にお金をかけている跡だと私は考えていますが、これも短信に説明はありません。

会社自身は、経常利益を営業利益より低く置いている

ここで表紙の通期予想に戻ると、経常利益と営業利益の大小が逆になっていることに気づきます。

営業利益経常利益経常から営業を引いた差
第1四半期 実績2億1,600万円2億7,400万円約5,800万円
通期 会社予想7億4,700万円6億1,600万円約△1億3,100万円
残り9か月約5億3,100万円約3億4,200万円約△1億8,900万円

約の付いた数字は、通期予想から第1四半期の実績を引いた私の引き算です。

第1四半期は、本業以外の出入りで5,800万円のプラスでした。通期では1億3,100万円のマイナスと置かれています。通期でそこに着地するには、残り9か月で、すでに出た5,800万円のプラスを打ち消したうえで、さらに1億3,100万円沈む必要があります。合わせて1億8,900万円のマイナスが要ります。……いや、これは向きが逆だ。

今回の営業外費用は、支払利息を含めて4,291万円でした。この水準が続くだけなら、残り9か月でこれほど大きく沈む形にはなりません。何か大きな費用を見込んでいるのか、助成金を最初から予想に入れていないだけなのか。理由は決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれません。ただ、私はまだ補足資料に目を通していません。

キャッシュ・フロー計算書の無い短信で、現金の増え方を確かめた

いつものように10ページ目まで行きました。そこにあったのは、第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない、という注記です。代わりに減価償却費が7,502万円、のれんの償却額が4,041万円と載っていました。

仕方がないので、貸借対照表で現金を追います。現金及び預金は、3月末の14億7,806万円から6月末に17億9,252万円へ増えました。3億1,445万円の増加で、純利益の倍近くあります。

同じ3か月で、負債の側では賞与引当金が2億627万円から3億4,856万円へ積み上がっています。前受金も1億7,666万円から2億8,937万円に増えました。賞与引当金は、これから払う賞与のために積んでいる分です。払えば現金は出ていくので、6月末の現金の厚みは少し割り引いて受け取っています。

会社の説明は、稼働率の改善でした

会社の説明文は短信の4ページ目にあります。理由は一貫していて、低稼働だった事業所の入居が進んだことです。売上高と営業利益は、四半期として過去最高だと書かれています。

事業所稼働率会社が並べた比較
有料老人ホーム等89.7%改善基調とだけ記載
就労継続支援B型78.6%前期末から改善
障がい者グループホーム等84.9%利用率の改善が進展
認可保育所85.2%前期末を下回った

比べている相手は、前年同期ではなく前期末です。保育だけは悪化したと、自分から書いています。

この説明は、損益計算書の数字と合っています。売上総利益は5億7,956万円から7億75万円へ増えました。増えた額は1億2,118万円です。販管費の増え方は2,519万円にとどまります。施設を新しく建てずに空き部屋が埋まれば、人件費や家賃はそれほど増えないまま売上が乗ります。会社の説明は、そのまま受け取ってよいと考えています。

通期予想に対して、どこまで来ているか

予想は5月15日に出したまま、変わっていません。

通期予想第1四半期までの進み残り9か月に必要な額
売上高241億7,000万円24.6%182億2,400万円
営業利益7億4,700万円28.9%5億3,100万円
経常利益6億1,600万円44.5%3億4,200万円
純利益4億2,700万円40.7%2億5,300万円

売上はほぼ4分の1で、時期どおりの進み方です。営業利益は3割近くまで来ています。経常利益が半分近くまで来ているのは、予想を低く置いたぶん膨らんで見えるだけなので、当てにしていません。

残り9か月の営業利益5億3,100万円は、前年の同じ9か月より5割ほど多い額です。これは私の引き算です。この四半期の伸び方が続けば届く水準で、稼働率の改善が止まらないことが条件になります。

私はどう読んだか

この四半期は、本業が伸びた3か月なのか、助成金で膨らんだ3か月なのか。受け取り方は2つあります。

私は前者の見方をしています。理由は、営業利益の伸びが粗利の増え方で説明でき、その粗利の増え方が会社の挙げた稼働率の改善と合っているからです。助成金は経常利益の話で、営業利益には入っていません。

一方で、経常利益の予想がなぜ営業利益より1億3,100万円低いのかは分かりません。自己資本比率が2割に届かず、長期借入金が50億円を超える会社なので、営業外の沈み方は気になります。心配性なので、頭の片隅に置いておきます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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投資有価証券が3か月で6,372万円から2,893万円に減った理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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