コーナン商事(7516)2027年2月期 中間決算分析――上期の増益は春に偏っていると読みました

コーナン商事(7516)2027年2月期 中間決算分析――上期の増益は春に偏っていると読みました 日本株

週末の客と、朝いちばんの職人が来る店

コーナン商事は、大阪で生まれたホームセンターの会社です。近畿にまとめて店を出し、首都圏には買収で広げてきました。木材や工具、園芸用品から、洗剤や収納用品、ペット用品まで並んでいます。家の中と庭で使うものなら、たいてい置いてあります。

もう一つの顔が、職人向けの店です。「PRO」と名の付く店や、子会社の建デポがそうです。工務店や設備屋さんが、朝のうちに資材や電材、エアコンの部材を買っていきます。週末に網戸を張り替える人と、毎朝現場に向かう人。この2種類の客を、同じ会社が抱えています。

私の家の近くにも1軒あります。網戸の部材を買いに行ったきりで、職人向けの売場には入ったことがありません。今回の決算は、そちらの売場の話が何度も出てくる決算でした。

上期の営業利益は、2割増えました

10月13日に出た中間決算です。期間は2026年3月から8月まで。表紙の数字はこうなっています。

今回前年同期増減率
売上高(営業収益)2,871億3,500万円2,650億4,900万円+8.3%
営業利益176億6,200万円147億200万円+20.1%
経常利益164億3,500万円137億3,000万円+19.7%
純利益103億6,400万円87億2,600万円+18.8%

売上が1割近く伸び、営業利益は2割増えました。表紙だけなら、文句のつけようがない半年です。

6月から8月だけを切り出すと、前年に届いていない

短信には上期の合計しか載っていません。3か月ごとの数字は、同じ日に会社が出した説明会資料にありました。ここから先の四半期ごとの数字は、説明会資料のものです。

営業利益は、3月から5月が前年の1.4倍でした。6月から8月は前年比98.9%で、わずかに減っています。上期の2割増は、ほとんどが春の3か月で稼いだものです。

……ここで引っかかった。同じ資料には上期が計画を2割近く上回ったとあるのに、通期の予想は春に出したままです。

夏に失速した理由は、会社が自分で書いています。売上も粗利率も伸びたものの、「販管費の増加が売上総利益の増加を上回り」減益になった、という説明です。上期の販管費の中では、流通費が前年の4割増しになっていました。

在庫が膨らまなかったぶん、現金が入っていました

短信の添付資料8ページ、キャッシュ・フロー計算書です。増収増益なのに営業CFがマイナスだった会社を見て以来、私はまずここを確かめます。

前年上期今回上期
営業活動によるキャッシュ・フロー160億6,000万円198億9,700万円
うち 棚卸資産の増減△83億4,400万円△27億6,200万円
うち 売上債権の増減△27億1,100万円△50億8,200万円
うち 仕入債務の増減77億7,300万円68億4,900万円

営業CFは38億円あまり増えました。効いているのは在庫です。在庫に回したお金は、前年上期が83億4,400万円、今回が27億6,200万円でした。差し引くと、55億8,200万円になります。前年より在庫に回すお金が少なく済んだぶんだけで、営業CFの38億円あまりの増加を上回っています。

売掛金のほうは50億円増えました。説明会資料によると、売上が伸びたうえに、カードなど現金以外の支払いが増えたためです。カード払いの売上は、入金が少し遅れて届きます。遅れるだけで、消えるお金ではありません。

利益に現金がきちんと付いてきています。ここは安心して受け取れました。

アレンザの株は、借りたお金で買っていました

投資活動の欄に、関連会社株式の取得219億5,700万円がありました。短信の説明文によると、4月に公開買付けで取得したアレンザホールディングスの株です。議決権の49.4%を持ち、持分法の関連会社になっています。

資金は借入です。短期借入金は、282億円から51億円まで減らしました。長期借入金は、1,182億4,000万円から1,541億1,900万円へ増やしています。説明会資料は、この増加を「M&A関連資金の調達」と書いています。

損益計算書に戻ると、つじつまが合います。アレンザの利益の取り分として、持分法による投資利益が4億400万円入りました。一方、支払利息は13億8,600万円から18億3,200万円になっています。増えた分は4億4,600万円です。入った利益と増えた利息が、ほぼ同じ大きさです。

いまのところ、この買収は経常利益の厚みにはなっていない、と私は受け取りました。

もう一組、行き来したお金があります。投資有価証券の取得30億100万円と、自己株式の処分による収入30億1,000万円です。注記によると、6月30日にバローホールディングスと資本業務提携を結び、自己株式719,400株を同社に渡しています。説明会資料では、投資有価証券の増加のうち30億円がバロー株です。お互いの株を、ほぼ同じ金額で持ち合った形になります。

そして10月13日、上限45万株・15億円の自己株式の取得を決めました。バローに渡した株数の6割ほどにあたる枠で、これは私の割り算です。理由は短信に「株主還元の充実及び資本効率の向上」と書かれています。

短信は、増益の理由を書いていません

短信の説明文は、景気の見方、中期経営計画、アレンザの取得、出店数と続き、利益の数字を並べて終わります。なぜ利益が増えたのかは、短信には書かれていません。

説明会資料にはあります。石油由来の工業製品と、エアコンやその部材の需要が膨らみ、夏の季節商品もよく売れた。円安で粗利率を削られたぶんは、売値の見直しで取り返した、という説明です。

説明そのものは、そのまま受け取ります。ただ、同じ資料に「石油由来商品の特需は落ち着く」ともあります。上期の伸びの一部が続かない種類のものだと、会社自身が認めています。

下期の営業利益は、前年の7割と置いています

予想は4月に出したままで、修正はありません。

通期予想上期実績残り6か月進み具合
売上高(営業収益)5,435億円2,871億3,500万円約2,563億6,500万円約52.8%
営業利益230億円176億6,200万円約53億3,800万円約76.8%
純利益125億円103億6,400万円約21億3,600万円約82.9%

約の付いた数字は、通期予想から上期実績を引いたものと、上期実績を通期予想で割ったものです。

営業利益は、半年で4分の3を超えました。前年と比べるために、前年の下期を出します。通期予想の230億円は、前年より2.7%多いという数字です。そこから逆算すると、前年の通期は約223億9,500万円になります。そこから前年上期の147億200万円を引くと、前年下期はおよそ76億9,300万円です。

残りの53億3,800万円は、その7割弱にあたります。説明会資料にも、下期計画は前年同期の69.4%と載っていました。前年の下期に稼いだ利益から、3割を削った見込みです。

私はどう読んだか

予想が古いまま放ってあるだけなのか。それとも、下期は本当にこのくらいなのか。

私は後者に近い見方をしています。理由は、6月から8月の時点で、販管費の伸びが粗利の伸びを上回る形がもう出ているからです。説明会資料の下期計画でも、販管費の伸びが粗利の伸びを上回っています。春の特需が抜ければ、残るのは夏の形です。

ただ、夏は前年並みで、3割減ではありませんでした。3割という減り方には、控えめに置いた分も入っていると思います。減る方向は夏と同じで、減り幅には会社の慎重さが入っている、と考えています。

現金の面は心配していません。気にしているのは、アレンザに払った219億円が、利息の増加を超える利益を連れてくるかどうかです。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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アレンザの取得原価の配分はまだ暫定で、のれんがいくらになるのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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