オーイズミ(6428)第1四半期決算分析――通期の純利益予想600百万円に対し、最初の3ヶ月で597百万円

オーイズミ(6428)第1四半期決算分析――通期の純利益予想600百万円に対し、最初の3ヶ月で597百万円 決算を読む

はじめに

オーイズミは、パチンコホールの中にある機械を作ってきた会社です。メダルを貸し出す機械や、メダルを店内で補給・回収するシステム、それにパチスロ機そのもの。ホールに行く人なら必ず触れたことのある設備で、ホールを経営する会社がお客です。

ただ、この会社はいま軸足を動かしている最中です。こんにゃくゼリーやサプリメントといった食品を作って売る事業を、自分で「今後の新たな中核事業」と呼んでいます。遊技機の会社が、腸活とかOEMとか言っている。この移り変わりの途中の決算だ、というのが今回の前提です。

8月7日に出た第1四半期の決算短信を読みました。1ページ目は文句なしの数字です。ただ、通期予想と並べたところで引っかかりました。

この決算で何が起きたか

項目今回前年同期増減率
売上高6,2274,820+29.2%
営業利益629180+248.6%
経常利益597165+261.0%
純利益597371+60.7%

(単位:百万円)

売上が3割近く増え、営業利益は3倍を超えました。営業利益率は前年同期の3.7%から10.1%へ。ここだけ見れば、久々の良い決算です。

最初の表では分からなかったこと

稼いだのは「新中核」ではなく、縮小方針の側だった

セグメントの数字は11ページ目にあります。

セグメント売上高(千円)セグメント利益(千円)前年同期の利益
食品・EC2,437,22031,91081,480
アミューズメント3,304,359464,984△73,901
不動産207,780103,127107,664
電気278,415180,076203,261

会社が中核と位置づける食品・EC事業の利益は6割減。一方、営業利益の伸びをほぼ一手に担ったのは、前年同期に赤字だったアミューズメント事業の黒字転換です。

しかもその中身がねじれています。5ページ目で会社自身が書いていますが、5月に出した主力のスマスロは「販売台数が想定を下回り利益への貢献にはいたりませんでした」。利益に貢献したのは子会社が出したパチンコで、理由はリユース部品の使用などで製造コストを下げたこと。周辺機器のほうは需要が減っていて、会社は縮小を検討すると書いています。

新中核が沈み、主力の新機種は外し、縮小を検討する側の部門が子会社のコスト削減で持ち上げた。……増収増益の中身としては、ずいぶん危うい組み合わせだ。

純利益には売却益が乗っている

8ページ目の損益計算書に、固定資産売却益149百万円があります。5ページ目によれば、連結子会社が持っていた東京都豊島区の賃貸用不動産を売却しています。貸借対照表では土地が886百万円、建物及び構築物が801百万円減りました。財務は軽くなりましたが、手放した物件はもう一度は売れません。

なお前年同期にも売却益383百万円が乗っていました。純利益の伸び(+60.7%)が営業利益の伸び(+248.6%)よりずっと小さいのは、これが理由です。

もうひとつ。この短信、キャッシュ・フロー計算書は作成していないと注記にあります。第1四半期なので珍しいことではありませんが、私がいつも見に行く書類が今回は無い、ということは書いておきます。

会社はどう説明しているか

会社の説明文は率直です。スマスロの不振も、食品・ECの販管費増加(リブランディングの販促費、欠品、模倣品対応)も、自分から書いています。読んでいて隠している感じはしません。武内製薬の自社ブランドは値上げと販促費の改善で利益率が上がっている、という良い話も具体的です。ここはそのまま受け取ります。

通期予想に対して、どこまで来ているか

会社は5月15日に出した通期予想を変えていません。

項目通期予想(百万円)進捗率
売上高22,50027.7%
営業利益95066.2%
経常利益85070.2%
純利益60099.5%

売上は4分の1強で、時期相応です。ところが利益は、営業で3分の2、純利益にいたっては99.5%。通期予想600百万円に対して、この3ヶ月で597百万円を稼ぎ終えています。渡された計算では、残り9ヶ月に割り当てられた純利益は3百万円です。

据え置いたままの予想を文字どおり読むなら、会社は「残りの9ヶ月はほぼ利益なし」と言っていることになります。

私はどう読んだか

据え置きには2つの読み方があります。上方修正が近い前触れか、それとも会社自身がこのQ1の中身を続かないものと見ているか。私は後者に寄せて読んでいます。理由は、利益の出どころです。売却益は一度きり、パチンコのコスト低減は台数が続いてこそで、次の新機種が当たる保証はどこにもありません。そして中核のはずの食品・ECが6割減益です。会社が数字を動かさなかったのは、慎重なのではなく、動かせる確信がまだ無いからではないか。読み違いかもしれません。ただ、予想を据え置いた会社の側に、私は無理を感じませんでした。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260807/140120260804508679.pdf

純利益の進捗が99.5%に達しても予想を据え置いた、その判断の理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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