はじめに
栃木県に本社があり、北関東を中心に店を出しているドラッグストアです。郊外の幹線道路沿いに、売り場の広い大きな店を構えています。品ぞろえは食品の比重が高いのが特徴です。
薬や化粧品を買いに行く店というより、牛乳や冷凍食品、洗剤やトイレットペーパーを車でまとめ買いしに行く店、と言ったほうが近いと思います。調剤薬局を併設しているところも多くあります。病院の帰りに処方薬を受け取り、そのまま夕飯の買い物を済ませる、という使われ方をしている店です。
売上も利益も、前年をわずかに下回った半年
この会社の決算期は少し変わっていて、3月16日から翌年の3月15日までです。2026年10月28日に出た今回の中間決算は、3月16日から9月15日までの半年分です。
| 項目 | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,441億4,300万円 | 1,453億5,700万円 | △0.8% |
| 営業利益 | 30億900万円 | 32億900万円 | △6.2% |
| 経常利益 | 34億6,800万円 | 38億600万円 | △8.9% |
| 純利益 | 22億4,500万円 | 24億5,700万円 | △8.6% |
売上はほぼ横ばいです。利益の減り方のほうが少し大きい決算でした。
価格を見直しても、粗利率は保たれていた
短信の4ページ目に、物価高対策として約5,400品目の販売価格を見直した、とあります。物価高対策という書き方からすると値下げの方向だと思いますが、上げたのか下げたのかは決算短信には書かれていません。値下げが多いなら粗利率が落ちているはずだと考えて、損益計算書を開きました。
| 項目 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 331億9,500万円 | 330億900万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 299億8,500万円 | 299億9,900万円 |
| 営業利益 | 32億900万円 | 30億900万円 |
売上総利益は1億8,600万円減りましたが、減った割合は売上とほぼ同じです。粗利率は前年とほとんど変わっていません。販管費も1,400万円増えただけです。ここまでは損益計算書の数字です。
7月に第1四半期の短信も開いています。そのときの営業利益は14億4,700万円でした。これを今回の30億900万円から引くと、6月16日から9月15日までの3か月は15億6,200万円です。会社が天候不順で季節商材が売れなかったと書いている3か月のほうが、第1四半期より営業利益は多かったことになります。前年の同じ3か月の数字は手元に無いので、前年との比較まではできません。
営業キャッシュ・フローが増えたのは、売掛金の回収が大きい
利益は減ったのに、営業キャッシュ・フローは107億4,900万円と、前年同期の93億3,700万円より増えています。差を作った科目を拾うと、こうなります。
| 営業キャッシュ・フローの主な項目 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| 税金等調整前中間純利益 | 37億5,000万円 | 34億5,700万円 |
| 売上債権の増減 | △19億6,300万円 | 24億6,900万円 |
| 仕入債務の増減 | 31億3,600万円 | 18億7,000万円 |
| 営業キャッシュ・フロー | 93億3,700万円 | 107億4,900万円 |
売上債権の行は、前年は現金が出ていく側、今回は入ってくる側です。貸借対照表でも、売掛金は3月15日の158億3,300万円から9月15日の133億6,300万円へ減っています。売掛金の中身は決算短信には書かれていません。本業の稼ぐ力が増えたというより、回収の時期の差が出た、と私は受け取りました。
稼いだ現金から、42億円を株主に回している
営業キャッシュ・フロー107億4,900万円から、投資キャッシュ・フローの18億7,800万円を引きます。手元に残るのは88億7,100万円です。そこから8月3日の取締役会決議に基づき自己株式を532,400株、19億9,900万円分取得し、配当に22億3,100万円を払いました。合わせて42億3,000万円です。それでも現金及び預金は期首より増えていて、416億800万円あります。
配当は中身が変わっています。前期は中間配当が無く、期末の100円のうち20円が創業65周年の記念配当でした。今期は中間で50円を払い、期末も50円の予想です。年100円が、すべて普通配当です。営業利益の予想を前期から4分の1ほど減らした年に、普通配当を80円から100円へ増やしています。配当予想に修正は無い、とも書かれています。
会社は天候と競争を理由に挙げている
会社の説明はこうです。節約志向が強まり、競合の出店や小売各社の販促で厳しい環境が続いている。価格の見直しやアプリのクーポン配信で、第1四半期は売上が増えた。第2四半期は夏場の天候不順で季節商材が伸びず、売上が減った。店は栃木県に1店舗出し、宮城・茨城・千葉の3店舗を閉めて、384店舗になった、という内容です。
上期の売上の説明としては、そのまま受け取れます。ただ、これは下期の営業利益を大きく減らす理由にはなっていません。予想修正の詳細は、同じ日に出た「通期業績予想の修正に関するお知らせ」を見るよう書かれていますが、私はそちらをまだ開いていません。修正前の予想の数字も決算短信には載っていないので、上方修正か下方修正かは言えません。
下期の営業利益は、前年の下期から4割減の見込み
通期予想に対する進捗率は、営業利益が6割近く、純利益が4分の3です。目安の半分を超えているので、数字だけ見れば順調です。ところが、残りの半年に必要な額を前年の下期と並べると、話が変わります。
| 項目 | 前年の下期 | 今期の下期(予想) |
|---|---|---|
| 営業利益 | 約35億7,000万円 | 20億9,100万円 |
| 経常利益 | 約40億9,000万円 | 25億3,200万円 |
| 純利益 | 約7億4,500万円 | 7億5,500万円 |
約の付いた数字は私の計算です。今期の通期予想を、短信にある増減率(営業利益なら△24.8%)で割り戻して前年の通期を出し、そこから前年の上期実績を引きました。今期の下期は、通期予想から上期実績を引いています。
営業利益と経常利益は4割近く減る見込みなのに、純利益だけは前年の下期と同じ水準です。ここに引っかかりました。前年の下期は経常利益が約40億9,000万円あったのに、純利益は約7億4,500万円しか残っていません。差の約33億円は特別損失か税金のどちらかですが、前年の下期に何があったのかは今回の短信には載っていません。
今期の下期の差は約17億8,000万円です。……前年ほどではないにせよ、今年も下期に大きな差を見込んでいる。通期の純利益の減益が1割に届かないのは、前年の下期に利益が大きく削られていたからで、今期の稼ぐ力が強いからではありません。
私はどう読んだか
下期の予想を慎重に作っているのか、上期にはまだ出ていない費用の増加が下期に来るのか。このどちらかだと思います。
私は前者の見方をしています。理由は、上期の粗利率が保たれ、販管費もほぼ横ばいで、営業利益を4割削るほどの崩れが上期の損益計算書には出ていないからです。第2四半期の3か月だけでも、営業利益は第1四半期を上回っていました。
心配性なので、予想どおりに着地した場合のことも考えます。前期末は1株100円の配当で、22億3,100万円を払いました。今期の年100円の配当も、ほぼ同じ額になります。これを、上期の22億4,500万円と下期の7億5,500万円を足した純利益の予想と比べると、利益の7割以上が配当に回る計算です。それでも年100円の予想は動かしていません。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)
下期に営業利益を前年から4割減らすと見込んだ理由と、修正前の通期予想の数字は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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