わらべや日洋ホールディングス(2918)2027年2月期 中間決算分析――下期の削り方が深いと読んだ

わらべや日洋ホールディングス(2918)2027年2月期 中間決算分析――下期の削り方が深いと読んだ 決算を読む

コンビニの棚の、おにぎりと弁当の作り手

わらべや日洋ホールディングスは、コンビニの棚に並ぶおにぎり、弁当、サンドイッチ、惣菜、和菓子を作っている会社です。売り先の中心は大手コンビニ1社です。店の名前の付いた商品を自社の工場で作り、決まった時刻に各店へ届けています。昼休みに職場の近くで買ったおにぎりが、この会社の工場から来ていることは珍しくないはずです。

冷蔵で数日しかもたない品物が中心なので、作る量を読み違えると捨てることになります。お米や野菜の値段や、工場で働く人の賃金が高くなれば、それがそのまま利益を削ります。アメリカでも同じ形の商売をしていて、現地のコンビニ向けに作っています。

増収でも、利益は4分の1減った

取り上げるのは、2026年10月7日に出た中間決算です。3月から8月までの半年分です。

今回前年同期増減率
売上高1,208億5,300万円1,196億3,400万円+1.0%
営業利益39億6,900万円52億8,900万円−25.0%
経常利益42億300万円52億3,700万円−19.7%
純利益26億3,800万円40億円−34.1%

売上はほぼ前年並みで、利益だけが落ちています。同じ日に、通期の予想も下げました。

現金が減ったのは、新しく借りなかったから

キャッシュ・フロー計算書まで進むと、本業で入ってきた現金が前の年の上期より35億円あまり少なくなっています。利益の減り方は13億円ほどなので、それだけでは説明が付きません。差の大きな部分は未払金にありました。

前年の上期今期の上期
営業活動によるキャッシュ・フロー86億2,800万円50億7,600万円
うち未払金の増減24億1,100万円△11億8,900万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△89億800万円△53億9,400万円
財務活動によるキャッシュ・フロー10億2,100万円△34億5,600万円
うち長期借入れによる収入42億5,100万円なし
現金の中間期末残高88億200万円67億3,700万円

前の年は未払金が24億1,100万円増えていて、支払いを先へ回した分だけ手元に現金が残っていました。今期は逆に11億8,900万円減っています。溜まっていた支払いを済ませた形です。この2つを足すと、差は36億円になります。

手元の現金は、2月末の103億7,800万円から67億3,700万円へ減りました。理由は財務の欄にあります。前の年は長期の借り入れで42億5,100万円を入れていましたが、今期は新しく借りていません。借入金とリースの返済、それに配当で、34億5,600万円が出ていきました。

ただ、貸借対照表に戻ると1つ引っかかりました。1年以内に返す予定の長期借入金が、2月末の34億3,000万円から90億1,300万円に増えています。長期借入金のほうは220億6,400万円から154億5,600万円に減っているので、借金が膨らんだのではありません。返す期限が1年以内に入ってきた分が移っただけです。

それでも、手元の現金より多い額が、この1年のうちに期限を迎えます。自己資本比率は47.0%で、財務の土台は厚いほうです。新しく借りずに返していくのか、借り換えるのか。そこは次の決算で確かめます。

支払いの欄にだけ出てくる、火災損失

同じキャッシュ・フロー計算書の営業の欄に、前の年には無かった行があります。火災損失の支払額、1億8,500万円です。今期の損益計算書には、火災損失という科目はありません。前の期までに損失として計上してあったものを、今期に払ったのだと考えています。

どこの工場の、いつの火災なのかは、短信には書かれていません。短信の説明文には「札幌工場操業休止影響」とあり、営業外費用にも操業休止関連費用が1億7,700万円出ています。この休止と火災がつながっているのかどうかは、短信からは分かりません。説明会資料も、私が目を通せた範囲では触れていませんでした。

アメリカは、円安で減り方が小さく見えている

短信の収益の注記では、米国の売上は139億5,300万円から135億1,400万円へ減っています。減り方は3%ほどです。

ここからは説明会資料の数字です。ドル建ての売上は9,390万ドルから8,543万ドルへ、1割近く減っています。換算に使ったレートは1ドル148.6円から158.2円へ動いていて、円安が減り方を薄めていました。

説明会資料には、通期予想にオハイオ工場の特別損失7億円を入れたこと、新工場で作る予定だった分をバージニア工場に集めることも書かれています。アメリカの事業は、作り直しの途中にあります。

会社の説明は「原価と人件費に、値上げが追いつかなかった」

短信の説明文は、減益の理由を原材料価格と労働コストの値上がり、札幌工場の操業休止としています。伊勢崎工場の収支は良くなった、とも書いています。

この説明は、そのまま受け取ります。理由は、損益計算書の数字と向きが合っているからです。売上が増えたのに、売上総利益は235億100万円から230億1,600万円へ減りました。減った額は4億8,500万円です。販売費及び一般管理費は8億3,500万円増えています。売上を伸ばしても、原価と経費の増え方がそれを上回った形です。

前の期は、上期で7割を稼いでいた

上期の実績通期の会社予想残り6か月
売上高1,208億5,300万円2,380億円約1,171億4,700万円
営業利益39億6,900万円60億円約20億3,100万円
純利益26億3,800万円35億円約8億6,200万円

約の付いた数字は、通期予想から上期の実績を引いたものです。

営業利益は通期予想の3分の2まで来ていて、半年で半分という目安からすると進みが早く見えます。ただ、この会社は秋冬に利益が薄くなります。説明会資料の四半期の数字では、前の2期はどちらも、第4四半期だけを切り出すと営業赤字でした。

前の期の通期営業利益は、説明会資料によると74億4,100万円です。前の期の上期の52億8,900万円をこれで割ると、私の計算で約7割です。今期の3分の2は、前の期より遅い進み方になります。

下期の置き方を見ると、この予想の性格が分かります。説明会資料では、期初の予想は上期43億5,000万円、通期77億円でした。期初の下期は、77億円から43億5,000万円を引いた額です。33億5,000万円になります。今回の下期は20億3,100万円なので、13億円あまり削っています。上期は、期初の43億5,000万円に対して実績が39億6,900万円でした。外れは3億8,100万円です。

前の期の下期は、74億4,100万円から52億8,900万円を引いた額です。計算すると21億5,200万円です。今期の下期の予想は、それをわずかに下回ります。中東情勢による製造コストの増加を新たに織り込んだ、と説明会資料にあります。純利益の残り8億6,200万円には、オハイオ工場の7億円が入っています。

私はどう読んだか

私は、今回の60億円は慎重な側に置き直した予想だと考えています。理由は、上期で外した額の3倍以上を下期から削り、前の期の下期とほぼ同じ水準まで下げているからです。原価がもう一段重くなっても、吸収できる幅を残しています。

……とはいえ、上期の予想も外したばかりだ。4月に出した上期予想を、半年で4億円近く下回っています。慎重に置き直したことと、その通りに着地することは別の話です。着地するかは知りませんが、慎重な予想だという読みは変えません。

心配性なので、私が次に確かめたいのは利益よりも、1年以内に期限が来る90億円の扱いのほうです。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.warabeya.co.jp/ja/ir/news/auto_20261006546861/pdfFile.pdf

火災損失の支払い1億8,500万円が、どこの何の火災によるものなのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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