オービック(4684)2027年3月期 中間決算分析・続報――純資産の減少は半年で戻ったと読みました

オービック(4684)2027年3月期 中間決算分析・続報――純資産の減少は半年で戻ったと読みました 日本株

はじめに

オービックは、会社の事務を一つの仕組みにまとめるソフトを作っています。会計を中心に、販売、購買、人事、給与などを同じ土台に乗せるもので、統合業務ソフト、ERPと呼ばれています。使うのは大手・中堅企業で、毎日触るのは経理や情報システムの担当者です。

ソフトは自社で開発し、自社で販売しています。クラウドの設備も自前です。一度入れた会社は簡単には替えないので、導入のあとも運用や保守の仕事が長く続きます。私も財務の仕事でこの種のソフトを使っていて、止まると月次が締まりません。

このサイトでは、7月22日に出た第1四半期の短信を前の記事で取り上げました。そのときは、利益が増えたのに持ち株の評価が減り、純資産まで減ったことに引っかかりました。受注と前受収益はこの先も追いかける、とも書いています。今回はその続きです。

半年で、4つの利益がそろって1割以上の増益

10月27日に出た中間決算の短信です。会社は同じ日に、通期予想の上方修正と期末配当の増配も発表しています。

項目今回前年同期増減率
売上高750億2,300万円657億8,400万円+14.0%
営業利益510億3,800万円436億5,500万円+16.9%
経常利益628億2,600万円522億2,800万円+20.3%
純利益443億8,300万円373億300万円+19.0%

いちばん伸びたのは経常利益で、この形は第1四半期と同じです。

半年で見ると、純資産は増えていた

中間期末の純資産は5,194億8,300万円で、前期末の5,160億1,100万円を上回っています。増えた額は34億7,100万円です。

戻ったのは持ち株の評価です。その他有価証券評価差額金は、前期末の1,444億1,500万円から1,452億7,200万円になりました。第1四半期に150億円以上減った分が、7月から9月の3か月でほぼ戻ったことになります。……3か月で減って、次の3か月で戻ってきたのか。

前回の受け取り方が合っていたかも確かめておきます。純利益は443億8,300万円、配当の支払は203億6,600万円です。差し引くと、利益剰余金は240億1,700万円増えるはずです。実際の増加は169億2,600万円で、約71億円足りません。発行済株式数は前期末から600万株減っています。消した自己株式の分が剰余金から落ちた、という前回の見方は、半年の数字とも食い違いませんでした。

経常利益の伸びには、株の売却益が上乗せされている

営業外収益今回前年同期
投資有価証券売却益41億1,900万円25億4,300万円
持分法による投資利益37億8,100万円29億9,600万円
受取配当金29億2,500万円25億2,000万円
受取賃貸料12億1,600万円10億9,300万円
受取利息4億3,700万円1億6,900万円
合計(その他を含む)125億5,200万円93億5,000万円

半年の売却益は41億1,900万円、第1四半期の分は20億300万円でした。引き算すると、7月から9月の分は21億1,600万円です。四半期ごとに、ほぼ同じ額です。

経常利益から売却益を引いて比べてみます。今回は587億700万円、前年同期は496億8,500万円です。伸びは約18%になります。経常利益の2割の伸びのうち、2ポイントほどは売却益が膨らんだ分、というのが私の引き算です。

キャッシュ・フロー計算書を開くと、投資有価証券の売却による収入が51億1,300万円ありました。取得による支出も16億5,400万円あり、前年同期の300万円から増えています。今期は売るだけでなく買ってもいます。

何を、なぜ売り買いしたのかは、決算短信には書かれていません。今回の表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」「決算説明会開催の有無:有」とあり、7月とは違います。そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ目を通していません。

前受収益は、6月末より減っていた

前回「追いかけたい」と書いた前受収益は、中間期末で23億2,400万円でした。前期末の13億3,500万円よりは多いものの、6月末の27億9,900万円からは減っています。

受注も同じ流れです。半年の受注は806億400万円で、前年同期から14.0%増え、売上と同じ伸び率です。第1四半期に見えた「受注が売上より先に伸びる」差は、半年では無くなりました。前回の見出しは言いすぎでした。

それでも受注は売上を55億8,100万円上回っていて、仕事の積み上がりは続いています。前受収益は代金を受け取る時期で上下するものです。私は3か月の増減に意味を持たせすぎました。

会社はどう説明しているか

事業売上高増減率営業利益増減率
システムインテグレーション306億4,200万円+12.1%193億3,000万円+15.8%
システムサポート400億8,700万円+16.2%300億1,000万円+17.1%
オフィスオートメーション42億9,300万円+8.6%16億9,700万円+26.0%

会社は増収の理由を2つ挙げています。大手・中堅企業の新規開拓が進んで統合業務ソフトの構築が堅調だったこと、顧客が増えてクラウドを中心に運用支援・保守が好調だったことです。業界については、更新投資の需要は高いものの、投資判断に慎重さが見られた、と書いています。

本業の説明は、そのまま受け取ります。理由は、事業ごとの数字と受注が同じ方向を向いているからです。上方修正については、本文が同じ日の別のお知らせを示しているだけで、理由は決算短信には書かれていません。そのお知らせも私は読んでいません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

7月の短信の表紙にあった予想と、今回の予想を並べます。

項目7月時点の予想今回の予想進捗率残り6か月に必要な額残りの前年比
売上高1,487億円1,512億円49.6%761億7,700万円+9.7%
営業利益980億円1,005億円50.8%494億6,200万円+9.4%
経常利益1,145億円1,200億円52.4%571億7,400万円+8.7%
純利益820億円850億円52.2%406億1,700万円+7.1%

進捗率と残りの額は、今回の予想から私が引いて割った数字です。

上げ幅は、営業利益が25億円、経常利益が55億円です。差の30億円は、営業外の見込みを上積みした分になります。前回は、会社が持ち株からの収益を先の期間に当て込んでいない、と書きました。今回はそこを一部見込みに入れた形です。それでも、残り半年の経常利益の伸びは、営業利益の伸びより低く見込まれています。

上期は1割半ば伸びたのに対し、残り半年は1割弱の伸びで予想に届きます。控えめな予想だと考えています。

配当は期末を53円とし、年100円の予想です。7月時点の年94円からは6円の増配です。前期の84円と比べると、16円増えます。予想の1株利益198.59円の、ほぼ半分を配当に回す計算です。

私はどう読んだか

本業と持ち株を分けて考える見方は、半年の数字を見ても変えていません。そのうえで、今回の上方修正は本業の伸びが土台だと考えています。理由は、いちばん大きいシステムサポートの売上が1割半ば伸び、受注も売上と同じ率で伸びているからです。

気にかかる点は、評価から売却益に移りました。評価の上下は損益計算書を通りませんが、売却益は経常利益に入ります。2四半期続けて20億円ほどを計上しているので、経常利益の2割の伸びは、2ポイントほど割り引いて受け取っています。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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この半年で51億円分を売却し、16億円分を新たに取得した投資有価証券が何だったのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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