社名はガラスびんですが、売上がいちばん大きいのは別の容器です
名前のとおり、ガラスびんを作っている会社です。ただ、短信の事業別の内訳を見ると、売上がいちばん大きいのはペットボトル用のプリフォームです。プリフォームは、太い試験管のような形をしたペットボトルの半製品です。飲料メーカーの工場でこれを温め、金型の中で膨らませると、見慣れたボトルの形になります。空のボトルは中身がほとんど空気ですから、運ぶと費用がかさむ。だから半製品の状態で納める形になっています。
びんとプリフォームのほかには、飲料用の紙の容器、家庭で使うガラスの食器、陶磁器があります。調理器具に使うガラスの天板と抗菌剤もこの会社です。ゼリー飲料のようなパウチ入りの製品を、他社のために詰める仕事も持っています。台所の棚と自動販売機の中身、その両方の裏側にいる会社です。
10月22日に出た中間決算
決算期は3月20日締めで、今回の中間期は2026年3月21日から9月20日までの半年です。10月22日に短信が出ています。
| 項目 | 今回 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 307億9,600万円 | 307億6,900万円 | +0.1% |
| 営業利益 | 24億4,600万円 | 29億900万円 | -15.9% |
| 経常利益 | 25億600万円 | 26億3,300万円 | -4.8% |
| 純利益 | 18億9,700万円 | 17億9,200万円 | +5.8% |
売上はほぼ横ばい。営業利益は1割半ほど減り、経常利益の減りは小さく、純利益は増えています。上から下へ行くほど見え方が良くなる表です。こういう並びのときは、下のほうに本業以外のものが混ざっています。
純利益が増えたのは、遊休地を売ったからでした
損益計算書の特別利益に、固定資産売却益2億9,100万円が立っています。会社の説明文には「固定資産(遊休地)の売却による特別利益の計上もあり」とあります。使っていない土地を手放した分です。
純利益の増えた額は1億500万円です。売却益のほうが大きい。つまりこの土地を売っていなければ、純利益は前年同期を下回っていたことになります。ここまでは損益計算書の数字です。
売上が増えた事業でも、利益は減っています
引っかかったのはここでした。事業ごとの利益を前年同期と並べます。
| 事業 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| ガラスびん関連 | 4億7,000万円 | 2億6,300万円 |
| 紙容器関連 | 2億9,300万円 | 2億8,000万円 |
| プラスチック容器関連 | 12億5,500万円 | 11億8,900万円 |
| ハウスウェア関連 | 3億8,100万円 | 3億500万円 |
| 産業マテリアル関連 | 4億5,200万円 | 3億8,200万円 |
| その他 | 5,600万円 | 2,500万円 |
6つとも減っています。しかも売上が伸びた事業が3つあります。紙容器は2.0%増でした。ハウスウェアは5.4%増、その他は10.2%増です。……いや、増収の事業まで利益が落ちているのか。
売上が増えても利益が減る形が、ここでは例外ではなく全部です。営業利益率は前年同期の9.5%から7.9%へ下がりました。この率は、営業利益を売上高で割って私が出しました。
為替差損が消えて、経常利益の落ち込みが小さく見えています
営業利益は1割半の減り、経常利益は5%弱の減り。この差がどこから来たのかを見に行くと、営業外にありました。
営業外費用の合計が6億5,900万円から4億3,800万円へ減っています。前年同期にあった為替差損1億8,300万円が、今回は計上されていません。営業外収益のほうも3億8,300万円から4億9,800万円へ増えています。内訳の「その他」が8,300万円から1億8,900万円になりました。
為替が逆に振れた分だと受け取りました。理由は、キャッシュ・フロー計算書の調整項目に為替差益7,200万円が載っているからです。本業の費用が改善した結果ではありません。
会社は「様々なコスト上昇」と書いています
利益が減った理由について、会社の説明は「企業活動における様々なコスト上昇の影響により」の一文です。どの費用がいくら増えたのかは、決算短信には書かれていません。売上原価は222億500万円から226億5,100万円になりました。販管費は56億5,400万円から56億9,700万円です。増えたのは原価のほうで、販管費はほとんど動いていません。
事業別の説明では、同じ形が3回出てきます。ガラスびんは物価高による買い控えで出荷量が減少。プリフォームは天候不順で受注が減り、あわせて販売単価の見直しをした。抗菌剤は原材料価格の高騰に伴う価格改定で出荷量が減少。値段を上げると数が落ちる、という説明が並んでいます。
値上げは通っているけれど、数が減った分を取り戻せていない段階だと考えています。
残り半年に残っている利益は、2億5,300万円
通期予想は据え置きです。表紙の予想から中間までの実績を引いて、残り半年に必要な額を出しました。
| 項目 | 通期予想 | 中間まで | 残り半年に必要な額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 620億円 | 307億9,600万円 | 約312億400万円 |
| 営業利益 | 35億円 | 24億4,600万円 | 約10億5,400万円 |
| 経常利益 | 32億円 | 25億600万円 | 約6億9,400万円 |
| 純利益 | 21億5,000万円 | 18億9,700万円 | 約2億5,300万円 |
「約」の付いた列は、私の引き算です。
売上は半分まで来ていて、残りは前年の同じ半年より8.6%多く売る前提です。一方で利益は、営業利益が7割近く、経常利益が8割近く、純利益は9割近くまで来ています。残りの半年で、経常利益は前年の同じ時期より4割以上少なく、純利益は7割近く少ない額しか見込んでいません。
売上を増やしながら利益を落とす置き方です。なぜそうしたのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
なお、会社は2027年度に営業利益50億円という中期計画の目標を短信の中に書いています。今期の予想は35億円です。
私はどう読んだか
私は、この半年を「値上げが通りきる前に、費用の上昇が先に来ている局面」だと考えています。理由は、6つの事業すべてで利益が減り、売上が伸びた3つの事業まで減益だからです。1つの事業の不調なら品種や天候の話で済みますが、全部が同じ向きに動いているときは、会社の外側で起きていることです。
財務の側は悪くありません。営業活動のキャッシュ・フローは51億1,600万円入りました。長期借入金は127億7,800万円から108億5,000万円へ減っています。自己資本比率は37.8%から39.5%に上がっています。現金も29億7,300万円から43億1,300万円へ増えました。
ただ、その現金の入り方に遊休地の売却代金とセール・アンド・リースバックによる収入8億2,000万円が混じっています。どちらも持っている資産を現金に換える動きです。1回ずつなら普通のことですが、同じ半年に2つ並んでいるのは覚えておきます。
上がるかは知りません。次の決算では、残り半年の利益の置き方を確かめます。私はいまのところ、保守的に置いた数字だと思っています。
出典:決算短信(会社発表)
残り半年の経常利益を前年の同じ時期より4割以上少なく置いた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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