オープングループ(6572)2027年2月期 中間決算分析――増えた利益の出どころが気になる

オープングループ(6572)2027年2月期 中間決算分析――増えた利益の出どころが気になる 日本株

はじめに

オープングループは、パソコンの中の決まった手順をソフトに肩代わりさせる会社です。人が毎日同じ画面を開いて、同じ場所に同じ形の数字を打ち込む仕事があります。主力の「ビズロボ」は、そういうものを代わりに片づけます。

私は財務の仕事をしているので、この手のものは身近です。月末に同じ帳票を同じ順番で作る作業は、どの会社にもいくつか残っています。その受け皿にあたる商品です。

もう一つの柱は広告で、こちらは成果報酬の形をとります。看護師や薬剤師といった人材の募集と、金融の分野が中心です。載せただけでは料金が立たず、反応があった分だけ売上になります。

ほかに、法務の事務を助けるソフトも育てている段階だと短信に書かれています。

売上は2割、利益は5割以上増えました

10月15日に出た中間決算です。3月から8月までの6か月分になります。

今回(中間期)前年同期増減率
売上高46億1,500万円38億6,400万円+19.4%
営業利益6億5,100万円4億1,800万円+55.6%
経常利益6億9,900万円3億9,900万円+75.4%
純利益4億5,500万円2億5,400万円+79.0%

売上が2割増えて、利益はどの段も5割以上増えています。営業利益率は前年同期の10.8%から14.1%へ。ここまでは表紙に載っている数字です。

増えた営業利益の4割近くが、各事業の外から出ています

事業ごとの利益が、添付資料の後ろのほうに載っています。こちらは千円単位で書かれているものを、万円に直しました。

営業利益の内訳前年同期今回
インテリジェントオートメーション事業4億5,275万円5億3,970万円
アドオートメーション事業3億2,287万円4億4,431万円
その他△1億56万円△1億6,315万円
各事業に配分していない全社費用△2億5,672万円△1億6,973万円
営業利益4億1,833万円6億5,112万円

ここで引っかかりました。下から2行目です。各事業に配分していない全社費用が、2億5,672万円から1億6,973万円へ減りました。減った額は8,699万円です。営業利益の増加は2億3,279万円ですから、そのうち8,699万円、4割近くがこの行から出ている勘定です。

ただし短信には、報告する事業の業績をより適切に反映させるため、全社費用の配り方を見直したと書かれています。前年の数字も変更後の区分で組み替えたとあります。配り方の変更まで前年にさかのぼって当てたうえでの並びなのかは、短信からは読み取れませんでした。

「その他」の赤字も、1億56万円から1億6,315万円へふくらんでいます。ふくらんだ額は6,259万円です。この区分には営業代行、マッチング、医療分野、給与計算の自動化が入っています。給与計算の分は、今期からこちらへ移されました。

事業そのものの中身では、広告のほうが目を引きます。売上8億7,612万円で4割近い増収、利益4億4,431万円でこちらも同じ速さで伸びています。数を取るために値段を下げた動きではありません。

経常と純利益の伸びには、前年に出た損が消えた分が乗っています

営業外費用の合計が、前年の9,041万円から4,092万円へ半分以下になりました。投資事業組合の運用損が4,248万円から1,254万円へ減りました。前年に2,120万円あった持分法による投資損失は、今期は145万円の利益に変わっています。

さらに、前年の中間期には特別損失として投資有価証券評価損4,115万円が立っていました。今期の特別損失はゼロで、代わりに関係会社株式の売却益766万円が特別利益に入っています。

経常利益の増え方が営業利益より大きいのは、ここが振れたからです。営業外の収支は前年の1,934万円のマイナスから4,883万円のプラスへ。差は6,800万円ほどで、これは私の引き算です。本業の増益2億3,300万円に、この分が足されて経常は3億円増えました。

1株利益も見ておきます。4.31円から8.14円へ、ほぼ倍です。純利益の伸びは+79.0%なので、1株利益のほうが速い。理由は、前年の中間期に10億7,569万円の自己株式を買っていて、1株を数えるときの母数が5,908万株から5,593万株へ減ったからです。

増えた現金は、前受けと回収から来ています

営業活動によるキャッシュ・フローは、6億9,915万円から10億6,496万円へ増えました。

中身に、契約負債の増加4億3,173万円が入っています。契約負債は、お金を先に受け取ってサービスをまだ提供していない分です。前年の同じ時期は2億4,758万円でしたから、増え方が1億8,400万円ほど大きい。年単位の契約でソフトを売っていれば、前受けが増えるのは契約が増えた証拠にもなります。

売掛金は28億5,888万円から26億9,789万円へ減りました。売上が2割増えて売掛金が減っているので、回収は進んでいます。社債と長期借入金の返済も進み、自己資本比率は54.2%から55.7%へ上がりました。

気になったのは貸倒引当金で、225万円から3,578万円へ増えています。金額は小さいのですが、15倍です。

会社の説明と、そこに無かったこと

会社は「ビズロボ」「オートロ」「ロボロボ」「プレスコ」のそれぞれで、既存の顧客の継続と新規の獲得に力を入れたと書いています。あわせて「ロボロボ」の開発への先行投資を続けたとあります。自動化の事業は、費用の管理を強めたことで利益率が上がったという説明です。広告のほうは人材と金融が堅調、と。

事業ごとの説明としては、数字と合っています。ただ、増益のいちばん大きな部分を作った全社費用の減少は、なぜ減ったのかが決算短信には書かれていません。

下期は、利益率を1割以下に置いています

通期予想は変えていません。2026年4月14日に出したものがそのままです。

上期の実績通期予想進み具合
売上高46億1,500万円98億円約47%
営業利益6億5,100万円11億円約59%
経常利益6億9,900万円10億8,000万円約65%
純利益4億5,500万円6億5,000万円約70%

進み具合の欄は、上期の実績を通期予想で割った私の計算です。売上は半分に届いていないのに、純利益は7割まで来ています。

残りの6か月に何が置かれているかを見ます。通期予想から上期の実績を引いた額です。

残りの6か月必要な額前年の同じ6か月と比べて
売上高51億8,500万円2割増
営業利益4億4,900万円2割以上減る
経常利益3億8,100万円3割減る
純利益1億9,500万円半分近くまで減る

売上は上期より多い51億8,500万円を見込みながら、営業利益は4億4,900万円しか置いていません。割ってみると、利益率は9%弱です。上期の14.1%から5ポイント落ちる勘定になります。

営業外も同じ向きです。残り6か月の営業利益4億4,900万円から、経常利益3億8,100万円を引きます。差は6,800万円で、営業外でそれだけのマイナスを置いていることになります。上期の営業外は4,883万円のプラスでした。経常3億8,100万円から純利益1億9,500万円までも目減りします。その額は1億8,600万円で、経常の半分近くです。上期は6億9,900万円から4億5,500万円で、目減りは3分の1ほどでした。

ここまで低く置いて動かさない理由は、決算短信には書かれていません。表紙に決算補足説明資料の作成は有とあります。そちらに書いてあるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

私はどう読んだか

増益の本体は本物だと考えています。理由は、広告の事業が4割近い増収で、利益も同じ速さで伸びているからです。値段を下げて数を取った形ではありません。契約負債の増え方も、売ったあとに積み上がる前受けとして説明が付きます。

それでも、経常と純利益の伸び方をそのまま受け取るのは早いと思います。前年に出た投資の損が今期は無い、その分が乗っています。

いちばん引っかかったのは全社費用です。8,699万円減って、それが増益の4割近くを作っている。配り方を見直した年の数字なので、どこまでが実際に減った費用なのかは切り分けられませんでした。なので私は、この8,699万円を増益の中身から外して読んでいます。会社側は下期の利益率を1割以下に置いています。……いや、置き方が低いからといって、中身まで低いと決める話ではない。

出典:決算短信(会社発表)

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貸倒引当金が225万円から3,578万円へ増えた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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