はじめに
駅前やショッピングセンターでよく見かける靴の専門店です。スニーカー、革靴、子どもの通学靴、サンダルまで、ほかのメーカーの靴を仕入れて並べる売り方が中心です。
客層は広いです。子どもの足が大きくなるたびに買い替える親、走り始めた会社員、旅行で日本に来て人気のスニーカーを探す人も来店します。大型店では靴の横にスポーツ用の服も並べていて、スポーツ用品店の「オッシュマンズ」も子会社です。
国内のほか、韓国と台湾にも多くの店を持っています。韓国では、今年の夏に現地の靴店チェーンを引き継ぎました。
売上も利益も、そろって6〜7%増えました
2026年10月7日に出た中間決算です。期間は3月から8月の半年です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,022億9,800万円 | 1,901億3,200万円 | +6.4% |
| 営業利益 | 361億3,100万円 | 336億4,400万円 | +7.4% |
| 経常利益 | 379億7,100万円 | 359億2,400万円 | +5.7% |
| 純利益 | 259億3,100万円 | 243億3,600万円 | +6.6% |
経常利益だけ伸びが小さい理由は、損益計算書で分かります。前年は有価証券売却益が11億7,600万円ありましたが、今回はありません。本業の話ではないので、ここは気にしていません。
同じ日に通期予想も引き上げています。
国内の店を押し上げたのは、円安で来た旅行客でした
半年の営業利益のほとんどは国内で稼いでいます。
| 売上高 | 前年比 | セグメント利益 | 前年比 | |
|---|---|---|---|---|
| 国内 | 1,463億4,200万円 | +4.8% | 318億7,500万円 | +5.0% |
| 海外 | 586億9,200万円 | +10.8% | 42億9,900万円 | +31.5% |
海外の利益は3割増えていますが、額は国内の8分の1ほどです。
引っかかったのは、伸びの理由として会社が挙げている言葉です。国内の既存店が4.5%増えた理由について、添付資料の2ページには「円安の進行によりインバウンド売上が好調だったことから」とあります。韓国も台湾も、旅行客の需要が理由に並びます。
米国にいたっては「9円円安だったことから」の5.4%増です。米国の子会社は革靴を作って売っていて、円に直すときの換算の差がそのまま増収になった、と読めます。
海外の子会社はどれも12月決算で、今回連結されているのは1月から6月の数字です。日本の店とは2か月ずれています。
円安がいくら押し上げたのか、その金額は決算短信には書かれていません。
靴の店で、服がいちばん伸びています
品目ごとの表も添付資料に載っています。
| 品目 | 前年同期 | 今回 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| スポーツ | 1,073億3,500万円 | 1,129億5,900万円 | +5.2% |
| レザーカジュアル | 220億9,700万円 | 238億4,700万円 | +7.9% |
| キッズ | 161億2,100万円 | 178億1,200万円 | +10.5% |
| サンダル | 148億4,100万円 | 146億2,300万円 | △1.5% |
| レディース | 85億700万円 | 81億900万円 | △4.7% |
| ビジネス | 46億6,900万円 | 45億2,300万円 | △3.1% |
| ウェアその他 | 130億7,500万円 | 169億3,700万円 | +29.5% |
売上全体の増加は121億6,600万円です。そのうち「ウェアその他」が38億6,200万円で、増えた分の3割ほどを服が占めています。靴の店の増収の3割が服、というのは意外に大きい比率です。
会社は説明文で、手を使わずに履けるサンダルの需要が「急速に拡大」したと書いています。それなのにサンダルの品目は前年を少し下回っています。……書いてあることと表が合わない。高い商品が伸びて、安い商品が減ったのかもしれません。内訳は決算短信からは分かりません。
売上ほどは、粗利が増えていません
損益計算書を前年と並べると、もう一つ気づくことがあります。
売上総利益は976億7,900万円から1,029億800万円へ増えています。増えた額は52億2,900万円です。前年の額で割ると伸びは約5%で、売上の6.4%に届きません。これは私の割り算です。粗利の伸びが売上の伸びより小さいので、売上に対する粗利の率が少し低くなった、ということです。
それでも営業利益の率は17.7%から17.9%へ良くなっています。販管費の増え方が、粗利よりさらに小さかったからです。地代家賃も人件費も増えていますが、売上ほどには増えていません。
粗利の率がなぜ低くなったのかは、決算短信には書かれていません。服の比率が増えたことと関係があるのか、私には読み取れませんでした。
支払いを延ばさずに、前年並みの現金を稼いでいます
添付資料9ページのキャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローは212億100万円から219億9,700万円へ、少し増えています。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 棚卸資産の増加 | 125億4,700万円 | 89億8,500万円 |
| 仕入債務の増加 | 100億4,400万円 | 18億5,900万円 |
| 売上債権の増加 | 46億3,500万円 | 18億3,800万円 |
| 営業キャッシュ・フロー | 212億100万円 | 219億9,700万円 |
前年は在庫を大きく積んでいましたが、仕入先への支払いを後ろへずらして、その分の現金をまかなっていました。今回は支払いの後ろ倒しがほとんどありません。それでも現金の入りは前年を超えています。
在庫は半年で100億円余り増えていますが、会社は仕入の増加によるものと説明しています。前年のほうが積み方は大きかったので、ここは心配していません。
投資では、靴店チェーンの引き継ぎに40億800万円を払っています。のれんは6,300万円から15億4,500万円になりました。
会社はどう説明しているか
会社の説明は短くまとまっています。今回の引き上げは「上半期の期初計画の上振れ分」だけです。下期の国内店舗の売上計画は、期初のまま据え置いています。
下期の悪い材料も、自分で2つ挙げています。物価の上昇で財布のひもが固くなること。11月から免税制度がリファウンド方式に変わることです。旅行客が店で税抜きの値段で払う仕組みから、いったん税込みで払い、出国のときに戻してもらう仕組みに変わります。
上期を押し上げた旅行客の需要に、下期は手続きの変更が入ります。下期の計画を動かさなかったのは、その影響をまだ測りかねているからだと考えています。この説明は、そのまま受け取っています。
通期予想に対して、どこまで来ているか
| 通期予想 | 上期まで | 進み具合 | 残り半年に必要な額 | 前年の下期比 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,030億円 | 2,022億9,800万円 | 約50% | 約2,007億円 | 約+6.4% |
| 営業利益 | 672億円 | 361億3,100万円 | 約54% | 約311億円 | 約+4.8% |
| 経常利益 | 698億円 | 379億7,100万円 | 約54% | 約318億円 | 約+1.8% |
| 純利益 | 477億円 | 259億3,100万円 | 約54% | 約218億円 | 約△1.2% |
約の付いた数字は、通期予想から上期の実績を引き、前期の実績と比べて私が出したものです。
営業利益の予想は656億円から672億円へ引き上げられました。利益はどれも半分を超えて進んでいます。
残りの半年で必要な純利益は、前年の下期をわずかに下回る額です。上期が7%近く伸びたことを考えると、控えめな数字です。
私はどう読んだか
上期の伸びには、円安と旅行客に乗った分がかなり入っています。国内の既存店も、韓国も、米国も、会社自身がそう書いています。
そのうえで、私は、下期の予想は控えめに見積もられた数字だと考えています。理由は、上期に国内を押し上げた旅行客の分を、会社が下期の計画に足していないからです。服の伸びと、支払いに頼らない現金の稼ぎ方は、為替とは別の話です。
心配性なので、11月からの免税の変更は気にしています。旅行客の買い方が変わるかどうかは、次の決算を待つしかありません。上がるかは知りません。
表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、円安の影響額はそちらに出ているのかもしれません。私はまだ開いていません。
出典
出典:決算短信(会社発表)
円安が上期の売上と利益をそれぞれいくら押し上げたのかは、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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