竹内製作所(6432)2027年2月期 中間決算分析――売掛金の積み上がりが気になる

竹内製作所(6432)2027年2月期 中間決算分析――売掛金の積み上がりが気になる 日本株

狭い現場で土を掘る、小さな建設機械の会社です

竹内製作所は、小型の建設機械を作っている会社です。主力はミニショベル。住宅の基礎工事や水道管の入れ替えのように、大きな重機が入れない狭い現場で土を掘る機械です。

もう一つの柱がクローラーローダーです。ゴムの履帯で走りながら、車体の前のバケットで土や資材をすくって運び、地面をならします。造成地や庭の工事で、何台もの仕事を1台でこなす機械です。

売り先の大半は海外です。北米と欧州の工事会社が自分で買うか、レンタル会社から借りて現場に持ち込みます。日本の工場で作り、各国の販売子会社や代理店を通して届けています。使う人の多くは、この会社の名前を知らないまま機械を動かしているはずです。

売上は伸び、利益は少しだけ増えた

2026年10月13日に出た中間決算です。

今回前年同期増減率
売上高1,323億8,300万円1,141億300万円+16.0%
営業利益241億9,800万円234億200万円+3.4%
経常利益251億2,200万円236億9,200万円+6.0%
純利益181億2,900万円170億5,500万円+6.3%

売上は1割半ほど伸びましたが、営業利益はほとんど横ばいです。伸びた売上に、利益が付いてきていません。

利益が出た半年に、現金が216億円減っている

キャッシュ・フロー計算書は、短信の8ページ目(添付資料のページ番号)にあります。営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナス111億1,300万円でした。前年の同じ半年は35億4,900万円のプラスです。

項目前年同期今回
税金等調整前中間純利益236億9,200万円251億2,200万円
売上債権の増減△138億3,500万円△240億4,900万円
棚卸資産の増減28億7,200万円△52億4,200万円
仕入債務の増減△52億8,100万円△48億7,400万円
法人税等の支払額△66億2,700万円△49億900万円
営業キャッシュ・フロー35億4,900万円△111億1,300万円

251億円の利益を出した半年に、売掛金の増加だけで240億円がのみ込まれています。貸借対照表では、受取手形及び売掛金が448億2,900万円から701億9,100万円へ。現金及び預金は571億7,000万円から354億9,600万円へ減りました。減った額は216億円あまりです。

……半年で売掛金が1.5倍か。売上の伸びは1割半なので、売上が増えたぶんだけ売掛金も増えた、という説明では追いつきません。

取引先ごとの売掛金の内訳は、決算短信には書かれていません。ただ、手がかりは会社の説明文の中にありました。

大口の受注は、利幅と引き換えになっている

短信の2ページ目に、受注高が1,459億8,300万円、前年同期比48.1%増とあります。理由の一つ目に挙がっているのが「米国の大手レンタル会社からのまとまった受注」です。

同じページの米国セグメントの段落に、この大口取引がもう一度出てきます。今度は減益の理由としてです。ボリュームディスカウントの対象となる大手レンタル会社への販売比率が増えたこと、と書いてあります。

セグメント売上高前年比セグメント利益前年比
日本373億6,200万円+4.6%173億4,400万円+13.9%
米国753億7,700万円+18.5%42億3,700万円−4.3%
英国135億7,100万円+39.1%8億9,000万円+22.1%
フランス60億6,800万円+20.1%2億3,100万円−28.0%

米国は売上が2割近く伸びて、利益は減りました。大口の相手にまとめて値引きして台数を取った形です。フランスも販売プログラムと値引きで台数を取り、利益を3割近く落としています。

米国には関税の話も重なります。会社の説明では、米国関税による減益は17億2,800万円。中身は次のとおりです。

関税の内訳金額
関税コスト増76億8,400万円
価格転嫁33億3,100万円
関税還付26億2,500万円

引っかかったのは還付の26億2,500万円です。減益の17億2,800万円にこの還付を足し戻すと、還付が無ければ関税による減益は40億円を超えていた計算になります。この還付が下期も続くのかは、短信には書かれていません。原油の値上がりで運搬費も29億1,500万円から36億8,300万円へ増えました。

もう一つ、受注の開示をやめる話があります。受注高と受注残高は2027年2月期までで開示を終える、と短信に書いてあります。理由は、注文の特性で四半期ごとの振れが大きくなり、参考にならなくなったからです。受注が大きく伸びた半期に、その数字の開示の打ち切りを決めたことになります。理由の筋は通っていますが、外から確かめる手段が一つ減るのは事実です。

会社の説明は、台数と値上げと円安

売上が伸びた理由について、会社は販売台数の増加、米国関税の価格転嫁、欧州の代理店向けの値上げ、円安を挙げています。利益が伸びなかった理由は、関税と運賃です。損益計算書の数字と食い違うところはなく、ここはそのまま受け取ります。

一方、現金の減り方の説明は、売上債権が増えた、の一言だけです。なぜこれほど増えたのかは、決算短信には書かれていません。アジア・オセアニアの段落には、豪州の旧来の代理店が事業を閉じたことも載っています。

短信の最後には、自己株式の取得が載っています。上限は150億円、220万株。期限は2027年2月19日です。現金が216億円減った半年の直後に、150億円を使う決定をしたことになります。貸借対照表に借入金の行は無く、自己資本比率は83.9%なので、払えない額ではありません。

下期は上期より小さく置いている

進み具合下期に必要な額前年下期比
売上高50.7%1,286億1,700万円+15.8%
営業利益54.4%203億200万円+42.2%
純利益57.6%133億7,100万円+19.2%

営業利益の+42.2%だけ見ると、下期に大きな伸びを求めているように見えます。ただ、203億200万円を1.422で割ると、前年の下期はおよそ143億円です。前年の下期が弱かったぶん、率が大きく出ているだけでした。

下期の203億円は、今回の上期の242億円より小さい額です。会社は下期を上期より弱めに見込んでいることになります。予想は修正したと書いてありますが、修正前の値と修正の幅は別の発表にあり、私はそちらを開いていません。下期の為替は1ドル150円の前提です。

私はどう考えたか

売掛金の積み上がりは、回収の時期の問題だと考えています。理由は、まとまった大口受注が期の終わりに出荷されれば、それがそのまま売掛金として残るからです。貸倒引当金も11億9,000万円から12億7,100万円で、ほとんど動いていません。

本当に気になるのは利幅のほうです。大口の相手で台数を取るほど、米国の利益は薄くなります。営業利益率は20.5%から18.3%へ下がりました。売上が伸びても利益が横ばいになる形が、今回だけで終わるのか。上がるかは知りません。売掛金が次の四半期で現金に戻るかどうかを、次の短信で確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

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増えた売掛金のうち、米国の大手レンタル会社向けがいくらなのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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