ダイケン(5900)2027年2月期 中間決算分析――伸びた売上が粗利に残らないのが気になる

ダイケン(5900)2027年2月期 中間決算分析――伸びた売上が粗利に残らないのが気になる 日本株

駐輪場のラックと、引き戸のレールを作っている

ダイケンは、建物の中と外で使う金物を作っています。引き戸を上から吊るして滑らせるレール、マンションの駐輪場に並ぶ自転車ラック、宅配ボックス、ゴミ出し場に置く収集庫。住んでいる人は毎日触っているのに、誰が作ったかは気にしない品物です。

買うのは、住む人ではなく建てる側です。工務店やマンションのオーナーが、建物の仕様として選びます。ホームセンター向けの物置も扱っていて、こちらは個人が店で買います。

金物のほかに、自前のワンルームマンションなどを貸す賃貸の事業も持っています。前の期には三木製作所という会社を子会社にして、自転車ラックなど屋外の製品を一緒に広げています。

売上は1割増え、営業の赤字は縮んだ

10月9日に出た中間決算です。3月から8月までの半年分です。

今回前年同期増減率
売上高58億3,500万円51億9,700万円+12.3%
営業利益△1,000万円△3,400万円—
経常利益2,400万円△200万円—
純利益△800万円△800万円—

売上は1割以上伸びました。それでも営業損益はまだ赤字で、最終損益は前年と同じ800万円の赤字です。

6億円増えた売上のうち、粗利に残ったのは4,500万円

最初に引っかかったのは、損益計算書の上のほうです。売上高は51億9,717万円から58億3,537万円へ増えました。増えた額は6億3,820万円です。ところが売上総利益は16億3,140万円から16億7,680万円へ動いただけです。増えたのは4,540万円しかありません。増えた売上の1割にも届きません。

前年中間期今回
売上高51億9,717万円58億3,537万円
売上原価35億6,576万円41億5,856万円
売上総利益16億3,140万円16億7,680万円
売上総利益率約31.4%約28.7%
販売費及び一般管理費16億6,553万円16億8,693万円

約の付いた数字は、売上総利益を売上高で割った私の計算です。

販管費は2,000万円ほどしか増えていません。粗利が販管費をわずかに下回り、その差がそのまま営業の赤字になっています。赤字が残った場所は、販管費ではなく原価の側です。

事業の利益は増え、どの事業にも配らない費用で消えている

事業別の表を開くと、景色は少し違います。金物の事業の利益は1億1,051万円から1億3,575万円へ、2割増えました。賃貸も4,075万円の黒字です。

そこから、どの事業にも配らない本社の費用1億8,664万円を引くと、営業損益が1,000万円の赤字になります。この費用は前年もほぼ同じ額でした。前年より赤字が縮んだぶんは、そのまま金物の事業が上積みしたぶんです。

最終赤字は、税金が税引前の利益を上回ったから

経常利益は2,400万円の黒字です。そこから特別損失として、賃貸物件を建て替えるための除却損1,410万円と、投資有価証券の評価損696万円が引かれました。税引前の利益は384万円まで細ります。

その384万円に対して、法人税等が1,258万円かかっています。税金のほうが3倍大きく、これで最終赤字になりました。税金がここまで重くなった理由は、決算短信には書かれていません。

建て替えている物件は、保育園の事業者に貸すためのものだと短信の5ページ目にあります。テナントが入るのは2027年4月の予定です。

現金は減ったが、工場に機械が入っている

キャッシュ・フロー計算書では、営業キャッシュ・フローが4億4,559万円の収入でした。前年の2億7,141万円より厚くなっています。中心は、売掛金などの回収による7億3,555万円です。

一方で、有形固定資産の取得に5億7,649万円を払っています。前年の2倍以上です。貸借対照表では、機械装置が10億154万円から12億4,913万円へ増えました。減価償却費も前年より3,500万円ほど増えていて、これは原価の側に乗ってきます。現金及び預金は2億7,500万円減りましたが、行き先は機械と配当です。

会社は、値上げが原価に追いつかなかったと書いている

説明文の言葉は「原価低減策や価格改定による収益性の改善が及ばず」です。アルミ地金などの原材料価格が高い水準にとどまり、仕入が先に立っている、とも書いています。粗利の数字とそのまま合うので、この説明は受け取ります。

売上の伸びは、自転車ラックが集合住宅向けに好調で、物置も伸びた、という説明です。ただ、三木製作所は前の期の上期に子会社になった会社です。前年の中間期にその会社の数字が何か月分入っていたかは、短信からは読み取れませんでした。伸びのうち、どこまでが元からの商売の伸びなのかは分かりません。

後半の半年に、前年のほぼ倍の営業利益を置いている

通期予想中間期まで残り半年に要る額
売上高130億円58億3,500万円71億6,500万円
営業利益5億3,500万円△1,000万円5億4,500万円
経常利益5億8,500万円2,400万円5億6,100万円
純利益3億5,000万円△800万円3億5,800万円

右の列は、通期予想から中間期までを引いたものです。

上期の赤字そのものは、この会社では珍しくありません。表紙には、通期の営業利益予想が前期比+107.8%と載っています。前期の2.078倍という意味です。5億3,500万円を2.078で割り戻すと、前期の通期はおよそ2億5,700万円です。この通期の数字には、前年の中間期の赤字3,400万円が差し引かれて入っています。それを足し戻すと、前期の後半の半年は、およそ2億9,100万円の黒字だったことになります。

前年も、上期は赤字で後半に稼ぐ形でした。今期は後半に5億4,500万円を見込んでいます。……前年の後半の、ほぼ倍か。

この予想は、9月30日に修正されたものだと短信の5ページ目にあります。中間期が終わったのは8月31日です。会社は上期の赤字を知ったうえで、この数字を決めています。修正前の予想がいくらだったのかは、私はまだ確かめていません。

私はどう受け取ったか

上期の赤字には驚いていません。前年も同じ形だったからです。事業別の利益も2割伸びています。

それでも私は、後半の予想には届かないおそれのほうが大きいと読んでいます。理由は、売上が6億円増えても粗利が4,500万円しか増えていないからです。後半に前年のほぼ倍を稼ぐには、値上げが原価に追いつくか、入れた機械で原価が下がるか、どちらかが要ります。上期の数字を見るかぎり、まだどちらも表れていません。

心配性なので、後半の粗利率がどこまで戻るかを次の決算で確かめます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信|株主・投資家様向け情報|株式会社ダイケン
株式会社ダイケンの株主・投資家様向け「決算短信」をご覧いただけます。

9月30日の予想修正で、営業利益を上と下のどちらに直したのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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