コメリ(8218)2027年3月期 中間決算分析――上期の伸びに前倒しの需要が混じっていると読みました

コメリ(8218)2027年3月期 中間決算分析――上期の伸びに前倒しの需要が混じっていると読みました 日本株

はじめに

コメリは新潟で生まれたホームセンターです。店は全国にあり、その大半は小さな店です。肥料や農薬、農業用のフィルム、工具、建築資材を並べ、冬には灯油も売っています。

客は家庭の人だけではありません。田畑を持つ農家、工務店や職人さん、自治体も買いに来ます。個人向けとは別に、農業者や法人、公共団体向けのカードまで出しています。

最近は、品物を売るだけの店ではなくなっています。店の窓口でリフォームや住宅設備の交換を受け付け、シロアリの駆除や庭木の手入れも請け負います。郊外で家と畑を持っている人が、困ったときに最初に行く店です。

上期は増収増益で、利益率も上がった

2026年10月27日に出た中間決算です。

今回前年同期増減率
営業収益2,088億300万円2,012億3,400万円+3.8%
営業利益173億100万円153億5,900万円+12.6%
経常利益172億7,900万円156億500万円+10.7%
純利益113億1,000万円103億6,000万円+9.2%

営業収益は、商品の売上高に不動産賃貸などの収入を足したものです。営業利益は、営業収益の3倍ほどの勢いで伸びました。粗利の率が上がる一方で、販売費及び一般管理費は営業収益ほど伸びていません。営業利益率は7.6%から8.3%になりました。

現金の入りが半分になったのは、前年の在庫が大きく減っていたから

表だけ見れば良い決算です。ところがキャッシュ・フロー計算書まで行くと、営業キャッシュ・フローは78億300万円でした。前年同期の半分以下です。利益が1割増えて、現金の入りは半分。ここで引っかかりました。

営業キャッシュ・フローの主な項目前年上期今年上期
税金等調整前中間純利益152億8,300万円168億7,200万円
棚卸資産の減少100億7,200万円11億2,800万円
預け金の増加△48億6,000万円△62億6,800万円
仕入債務の減少△49億1,000万円△58億8,600万円
営業キャッシュ・フロー167億8,900万円78億300万円

違いのほとんどは在庫の行から来ています。前年の上期は、在庫が減ったぶんで100億7,200万円の現金が入っていました。今年は11億2,800万円です。差し引きで約89億円になります。

営業キャッシュ・フローそのものは、前年同期の167億8,900万円から78億300万円になりました。減った額は約90億円です。在庫の行の差と、ほぼ同じ大きさです。……前年のほうが特別だったわけだ。

預け金の増加と仕入債務の減少は、前年にも同じ向きで出ています。3月末は春の繁忙期に向けて仕入れが膨らみ、9月末までにその支払いが進みます。毎年のこの時期の動きだと私は受け取りました。ただ、この預け金が何の預け金なのかは、短信にも決算補足資料にも書かれていません。

借入を増やして、自己株式と投資有価証券を取得している

財務の側にも、前年と違う動きがあります。長期借入で50億円、短期借入の純増で35億円を調達しました。一方で、自己株式を29億9,100万円分取得し、投資有価証券を30億円分取得しています。

支払利息は8,200万円から1億5,100万円に増えました。自己資本比率は65.8%あるので、借入が安全性を揺らす大きさではありません。取得した有価証券が何なのかは、短信からは分かりませんでした。

7月28日の熊本地震で、店と商品に被害が出ています。発災直後は9店舗が営業を見合わせ、特別損失に災害による損失3億8,800万円を計上しました。店は順次再開している、と会社は書いています。

会社が挙げた伸びの理由は、値上がりへの備え

短信の4ページ目には、部門ごとに伸びた理由が会社の言葉で書いてあります。

部門前年同期比会社が書いた主な理由
工具・金物・作業用品+7.6%中東情勢を受けてシンナーや接着剤の需要が拡大
リフォーム資材・エクステリア用品+5.4%価格高騰の懸念から建築資材の販売が好調
園芸・農業用品+1.7%出荷用ポリ袋や農業用フィルムなど石油由来の商品の需要拡大
日用品・家電・カー・レジャー用品+4.7%2027年エアコン問題によるエアコン需要、春先の紙類や洗剤のまとめ買い
ペット用品・燃料他△0.1%4、5月は気温が高く灯油が低調、7月以降は回復

並べると、値上がりする前に買っておこうという動きが目立ちます。会社自身が「懸念」「まとめ買い」という言葉を使っているので、この説明はそのまま受け取ります。

ただ、伸びたのは外から来た需要だけではありません。リフォーム事業は前年同期比107.9%、取り付けや駆除を請け負う住急番サービスは128.6%でした。工事とサービスの売上は、まとめ買いとは性質が違います。

営業利益は上期で7割、下期は前年より減る見込み

上期実績通期予想進捗率
営業収益2,088億300万円4,008億円約52%
営業利益173億100万円240億円約72%
純利益113億1,000万円150億円約75%

進捗率は、上期実績を通期予想で割って私が出したものです。

通期の240億円から、上期の173億100万円を引きます。下期に必要な営業利益は66億9,900万円です。第1四半期の営業利益は108億8,300万円でした。上期の173億100万円から引くと、7月から9月の3か月だけで64億1,800万円を稼いでいます。下期の半年ぶんが、ほぼこの1四半期と同じ大きさです。

ホームセンターは春に稼ぐ商売なので、上期に偏ること自体は珍しくありません。通期予想の240億円は、前年比4.1%増です。そこから割り戻すと、前年の通期営業利益は約230億5,000万円になります。上期の153億5,900万円は、その3分の2ほどでした。今年はそれが7割を超えています。

前年の下期の営業利益は、約230億5,000万円から上期の153億5,900万円を引いて出します。結果は約76億9,000万円でした。会社は下期を1割強の減益と見込んでいることになります。これは私の引き算です。予想は4月28日に出したまま変えていません。下期を減益と見込む理由は、短信にも決算補足資料にも書かれていません。

私はどう読んだか

考えられる筋は2つです。4月に作った予想を据え置いているだけなのか。上期に下期の需要を前に持ってきていて、その反動を見込んでいるのか。

私は後者の見方をしています。理由は、会社自身が伸びた部門の説明に、価格高騰の懸念とまとめ買いを挙げているからです。シンナーや建築資材を値上がり前に買った人は、下期には同じだけ買いません。

ただ、上期の改善が全部前倒しだとも考えていません。粗利の率が上がったことと、工事やサービスの売上が伸びたことは、損益計算書と短信の説明文に出ている事実です。これらは来月消えるものではない。

心配性なので、下期の減益見込みは素直に受け取っておきます。それが13%も減るほどの大きさなのかを左右するのは、冬の灯油の売れ方だと考えています。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.komeri.bit.or.jp/ir/finalaccounts/2027/66th_2Q_tanshin_kessan.pdf

その預け金が何の預け先で、なぜ毎年9月末にかけて大きく増えるのかは、短信からも決算補足資料からも読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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