TREホールディングス(9247)第1四半期決算分析――売上は15%減ったのに、売上原価はむしろ増えていた

TREホールディングス(9247)第1四半期決算分析――売上は15%減ったのに、売上原価はむしろ増えていた 決算を読む

はじめに

TREホールディングスは、廃棄物処理のタケエイと、金属スクラップのリバーホールディングスが2021年に統合してできた会社です。建設現場や解体現場から出る廃棄物を引き取り、分けて、使えるものは資源として売り、使えないものは処分場に埋める。ついでに木くずなどを燃やして発電もする。つまり、何かを作る会社ではなく、作ったあと・壊したあとの後始末を一手に引き受ける会社です。

建物が建てば廃棄物が出ます。建物が壊されても廃棄物が出ます。そして地震や豪雨のあとには、災害廃棄物という大きな仕事が発生します。この「災害」が、今回の決算を読むうえでの鍵になります。

この決算で何が起きたか

項目今回前年同期増減率
売上高27,44832,398-15.3%
営業利益2,0017,643-73.8%
経常利益1,8307,489-75.6%
純利益1,1775,067-76.8%

(単位:百万円)

営業利益が7割減。数字だけ見ると事故のようですが、1ページ目には前年同期の増減率も印字されていて、前年の営業利益は+204.1%でした。つまり前年が3倍になった年で、今回はそこからの落下です。

最初の表では分からなかったこと

売上原価は減っていない

損益計算書を見て引っかかったのはここです。

項目前年同期今回
売上高32,39827,448
売上原価21,29521,696
売上総利益11,1035,751
販売費及び一般管理費3,4603,750

売上が5,000百万円近く減ったのに、売上原価は前年より増えています。減ったのは売上だけで、コストはそのまま残った。だから粗利が半分になっています。販管費も増えている。……売上構成がまるごと入れ替わっている、ということだ。

消えたのは「災害廃棄物」だった

セグメントの収益分解を見ると、何が消えたのかが分かります。

売上の中身前年同期今回
廃棄物処理14,7745,991
金属スクラップ9,79112,323
電力供給3,0464,397

廃棄物処理の売上が、1年で3分の1近くまで縮んでいます。会社の説明では、令和6年能登半島地震の災害廃棄物処理支援事業が前の期でおおむね収束した、とあります。前年のあの利益3倍は、災害特需だったわけです。

一方で金属スクラップと電力は伸びました。資源リサイクル事業はセグメント利益1,827百万円で前年同四半期比+168.6%。鉄スクラップの価格が期初50,000円/トンから6月末54,000円/トンへ上がったことが追い風だった、と会社が書いています。ただし受け皿としてはまだ小さい。廃棄物処理・再資源化事業の利益は1,051百万円で、△85.2%です。再生可能エネルギー事業は損失390百万円で、前年の損失15百万円から膨らんでいます。片方の翼で飛んでいる形です。

貸借対照表に残った、前年の好業績の跡

未払法人税等が4,603百万円から1,041百万円へ減っています。前年に稼いだ分の税金を、この四半期に払ったということです。同時に短期借入金が9,523百万円から12,723百万円へ増えている。稼ぎが細ったところに納税が来て、短期の借入でつないだ、という動きに私には見えます。読み違いかもしれません。あわせて建設仮勘定が2,076百万円増えており、投資の手は止めていないようです。

細かいところで、豪雨の傷が続いている

北陸環境サービスという子会社が、2025年8月の豪雨による土砂崩れで大型車両の搬入制限が続き、営業損失を計上したと書かれています。災害は仕事をくれることもあれば、奪うこともある。この会社の宿命のようなものかもしれません。

会社はどう説明しているか

減収減益の理由を、会社は一貫して「災害廃棄物処理支援事業の収束」で説明しています。これは受け取っていいと思います。セグメントの数字がそのまま裏付けています。

ただ、粗利が半分になったことについて、原価側の説明はあまりありません。人件費や販管費などのコストが増加傾向にある、という一文はありますが、売上が15%減っても原価が減らない構造なのだとしたら、災害特需が抜けたあとの通常運転の利益率がこの水準だ、ということになります。

なお会社は同日、業績予想を修正したと記載しています(修正後が上の通期予想です)。

通期予想に対して、どこまで来ているか

項目通期予想進捗率
売上高107,40025.6%
営業利益8,70023.0%
純利益5,00023.5%

(単位:百万円)

売上は4分の1ほどで目安どおり。利益はやや足りません。機械が計算した数字では、残り9ヶ月の営業利益は前年同期間から半分近く減る置き方です。会社自身が通期を6割減益と見ているので、この第1四半期は予想の絵のとおりに進んでいる、とも言えます。

私はどう読んだか

私は「前年が特別で、今期が平常」に寄せて読んでいます。理由は、消えた売上の中身が災害廃棄物とはっきり印字されているからです。ただし平常時の姿として見ると、廃棄物処理の利益率の細さと、再生可能エネルギーの損失の膨らみは、災害のせいにできない部分です。資源リサイクルの好調が価格の高い水準に支えられている以上、そこが下を向いたときに何が残るのかは、次の四半期を見ないと分かりません。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260812/140120260812517972.pdf

第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、この四半期に現金が事業からどれだけ入ってきたのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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