使い終わった業務用スマホが、次の持ち主に渡るまで
ReYuu Japanは、中古のスマートフォンを仕入れて、検品して、売る会社です。もとは携帯電話の販売代理店でしたが、いまの柱は端末のリユースです。企業が社員に配ったスマートフォンは、何年かで入れ替わります。その端末をまとめて買い取り、次の持ち主に届けています。
売り先は法人が中心です。格安SIMのMVNO事業者、販売代理店、社用端末を安く揃えたい一般企業。新品が高くなり、「新品でなくてよい」と考える人と企業が増えた、というのが短信の見立てです。
売上は5割以上増え、損失は半分近くまで縮みました
9月14日に出た2026年10月期第3四半期決算です。2025年11月から2026年7月までの9か月分で、連結ではなく単体の数字です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 66億7,300万円 | 42億7,300万円 | +56.1% |
| 営業利益 | △9,200万円 | △1億9,000万円 | — |
| 経常利益 | △1億3,400万円 | △2億600万円 | — |
| 純利益 | △1億3,600万円 | △2億3,800万円 | — |
まだ赤字ですが、損失は前年の半分近くまで縮みました。ここまでが表紙の話です。
3か月だけ黒字になった理由の一つが、短信に金額のない一時益でした
引っかかったのは、短信の4ページ目の一文です。第3四半期の3か月だけなら、営業利益3,900万円の黒字だったと書いてあります。ただ、その黒字には「蓄電池設備等に係る権利譲渡による利益」が含まれている、とも添えてあります。……いや、これは何の話だ。
その利益がいくらかは、決算短信には書かれていません。損益計算書は9か月の累計だけです。3,900万円のうち、リユースの商売で稼いだ分が分からない、ということです。
9か月の営業損失は9,200万円です。最後の3か月が3,900万円の黒字ですから、最初の6か月はその2つを足した額の赤字になります。1億3,100万円です。半年で失った分を、額の分からない一時益込みで取り返しにかかった形です。
台数は8割増えたのに、1台あたりの売上は前年より小さくなっていました
リユース関連事業の売上と販売台数は、5ページ目に載っています。台数の伸びが売上の伸びより大きいので、1台いくらで売れたのかを割ってみました。
| リユース関連事業 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| 売上高 | 41億8,862万円 | 65億2,465万円 |
| 販売台数 | 13万5,004台 | 24万6,374台 |
| 1台あたり売上 | 約3万1,000円 | 約2万6,500円 |
約の付いた数字は、売上高を販売台数で割った私の割り算です。
1台あたりの売上は、1年で1割半ほど下がりました。会社は、仕入れから時間の経った在庫を計画的に整理していて、それが粗利を減らした、と説明しています。貸借対照表でも商品は1億7,900万円減っていて、説明と数字は合っています。
一方で、売上に対する粗利の割合は約5.5%で、前年の4.8%より少し上です。これも私の割り算です。粗利を減らしたと言いながら率は上がっているので、整理をしなかった場合との比較だと受け取りました。安く売っても、仕入れがそれ以上に安い段階かもしれません。
キャッシュ・フロー計算書が無いので、貸借対照表で現金の行き先を追いました
私はいつもキャッシュ・フロー計算書から読み始めますが、この短信には載っていません。第3四半期では作らない会社が多いので、仕方なく貸借対照表の前期末と今回を並べました。
| 貸借対照表の科目 | 前期末 | 今回 |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 6億7,903万円 | 8億6,772万円 |
| 商品 | 8億3,184万円 | 6億5,237万円 |
| 前渡金 | 48万6,000円 | 2億8,243万円 |
| 短期貸付金 | 1億円 | 3億6,000万円 |
| 転換社債型新株予約権付社債 | 0円 | 1億8,153万円 |
現金は1億8,800万円増えました。ただし、転換社債と新株予約権で入ったお金は、社債の残高1億8,153万円だけではありません。資本金・資本準備金に移った2億4,842万円もあります。足すと4億3,000万円ほどです。外から入れた分のほうが、増えた現金よりずっと大きいことになります。
商品が減って浮いたのは1億7,900万円です。一方で、前渡金には2億8,100万円が回りました。短期貸付金には2億6,000万円です。足すと5億4,100万円になります。前渡金は仕入れの前払いですから、大きな仕入れの約束を先に固めた、と受け取れます。
短期貸付金の3億6,000万円は、誰に貸しているのかが短信には書かれていません。受取利息が前年の17万円から629万円に増えているのは、この貸付の利息だと私は読みました。
営業外にはもう一つ、暗号資産評価損526万円があります。昨年9月に持つ方針を決め、今年9月11日にやめました。始めて1年で終わり、第4四半期に売却益500万円を見込んでいます。
期末の前に、4億4,470万円の買収が決まっています
後発事象として、スマートフォンの修理と中古販売の会社を10月13日に子会社にする、とあります。株式の代金が3億9,970万円です。それに助言の費用4,500万円が乗ります。合わせて4億4,470万円です。相手の直近の売上は5億4,300万円です。営業利益は1,700万円で、1,600万円の債務超過です。
手元の現金8億6,772万円の半分ほどが出ていく計算です。修理のノウハウと店舗を取り込む狙い、と書かれています。10月13日は期末の18日前です。連結した場合の影響は「精査中」とあり、いまの通期予想には入っていない前提で読みました。
会社の説明は「在庫整理は計画どおり、疑義はあるが不確実性は無い」
会社の説明は2つです。1つは、在庫整理は新たな悪化への対応ではなく、在庫の構成を良くするために計画して進めている、という説明です。商品が実際に減っているので、そのまま受け取ります。
もう1つは継続企業の前提です。2022年4月期から営業損失が続き、重要な疑義を生じさせる事象がある、と会社自身が書いています。そのうえで、損失が縮み、第3四半期は黒字で、資金も足りているので、重要な不確実性は認められない、と続きます。ここには留保を付けます。理由は、その黒字に額の分からない一時益が含まれているからです。
残り3か月に要る営業利益は4,000万円です
通期予想は、7月10日に修正したものから変えていません。
| 通期予想 | 9か月実績 | 残り3か月 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 84億円 | 66億7,300万円 | 17億2,700万円 |
| 営業利益 | △5,200万円 | △9,200万円 | 4,000万円 |
| 経常利益 | △1億500万円 | △1億3,400万円 | 2,900万円 |
| 純利益 | △1億700万円 | △1億3,600万円 | 2,900万円 |
残り3か月の列は、通期予想から9か月実績を引いた私の引き算です。
9か月の売上を3で割ると1四半期あたり約22億2,400万円ですから、残りの17億2,700万円は平均より2割ほど少ない、控えめな置き方です。
営業利益は、残り3か月で4,000万円の黒字が要ります。直前の3か月が3,900万円でしたから、同じことをもう一度やれば届きます。ただし、その3,900万円には一時益が入っていました。リユースの商売だけで4,000万円を出した四半期は、この短信には出てきません。
私は慎重なほうの見方をしています
読み方は2つあります。損失が半分に縮み、在庫が軽くなり、3か月とはいえ黒字になった、体質が変わり始めているという見方。もう1つは、黒字の中身が分からず、現金は外から入れた分で増え、その半分が期末前の買収に出ていくという見方です。
私は後者だと考えています。理由は、この決算でいちばん大事な数字であるはずの一時益の額を、会社が短信に書いていないからです。書いていなければ、第3四半期の黒字を本業の力と数えられません。
とはいえ、営業損失が半分近くまで縮んだのは損益計算書の数字ですし、商品が1億7,900万円減ったのは貸借対照表の数字です。悪い材料だけの決算ではありません。この先どうなるかは知りません。私が言えるのは、短信の中までです。
出典:決算短信(会社発表)
蓄電池設備等の権利譲渡による利益が、いくらで、損益計算書のどの科目に入っているのかは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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