東邦レマック(7422)2026年12月期 第3四半期決算分析――夏の3か月の赤字が気になる

東邦レマック(7422)2026年12月期 第3四半期決算分析――赤字の出どころが腑に落ちない 日本株

はじめに

東邦レマックは靴の卸の会社です。自社で企画した婦人靴や紳士靴を主にアジアの工場で作らせ、量販店やショッピングセンターの靴売り場へ納めています。郊外のスーパーの一角に、手に取りやすい値段の通勤用パンプスや夏のサンダル、子どもの長靴が並んでいます。ああいう棚の向こう側にいる会社です。

得意としているのは、合成皮革や樹脂で作るケミカルシューズです。本革より軽く、値段も抑えられるので、毎日履きつぶす靴を探す人が買っていきます。靴のほかに、賃貸用の建物を持ち、物件を仕入れて売る不動産の仕事もしています。

9か月で、売上は少し減り、赤字が続いた

10月23日に出た第3四半期決算です。対象は2025年12月21日から2026年9月20日までの9か月の累計です。

項目今回前年同期増減率
売上高33億800万円33億8,100万円2.2%減
営業利益△7,800万円△7,100万円―
経常利益△1億200万円△4,400万円―
純利益△5,600万円△5,200万円―

利益の3行は、前年に続いてすべて赤字です。その中で経常損失だけが、前年同期の倍を超えています。

赤字のほとんどは、夏の3か月で出ていた

7月24日に出た中間決算では、6月20日までの半年の営業損失は1,100万円でした。今回の累計は7,800万円です。この7,800万円から、半年分の1,100万円を引きます。すると、6月21日から9月20日までの3か月だけで6,700万円の営業損失を出したことになります。

項目中間決算(半年)今回(9か月)夏の3か月
売上高24億4,200万円33億800万円約8億6,600万円
営業損益△1,100万円△7,800万円約△6,700万円

約の付いた数字は、9か月累計から半年の数字を私が引いたものです。

半年で1,100万円だった赤字の6倍を、次の3か月だけで出しています。……いや、これは大きい。

会社は、5月後半から全国的な天候不順が続いたと書いています。婦人靴のサンダル類は9か月累計で前年同期より2割減りました。夏物の稼ぎどきに、雨と涼しさが重なったと私は受け取りました。

靴は主力がそろって減り、不動産だけが伸びた

区分売上高前年同期比
婦人靴15億7,600万円8.1%減
紳士靴6億3,600万円26.7%減
ゴム・スニーカー・その他7億7,800万円6.5%増
不動産事業3億1,600万円361.9%増

紳士靴は、販売足数が前年同期より3割近く減っています。単価は少し上がっていますが、数がここまで落ちると売上は戻りません。婦人靴も足数は1割強の減少です。

不動産の伸びには、短信の9ページ目に手がかりがあります。賃貸用に持っていた土地と建物を合わせて2億9,278万円分、この四半期に販売用不動産へ振り替えています。貸していた物件を、売るための物件に切り替えたわけです。不動産事業の営業利益は2,200万円で、靴の事業の営業損失1億円を埋めるには足りません。

現金が減り、売るための不動産が倍以上に増えた

この短信に、キャッシュ・フロー計算書は付いていません。第3四半期は作成していないと、注記にあります。代わりに貸借対照表の前期末と今回を並べました。

科目前期末今回
現金及び預金19億3,503万円14億4,115万円
販売用不動産5億1,932万円12億2,332万円
有形固定資産のその他(建設仮勘定を含む)7,680万円3億5,038万円

現金は5億円近く減り、販売用不動産は7億円増えました。7億円の増加から、振り替えた2億9,278万円を引きます。それでも4億円あまりが残ります。この4億円あまりは、新しく仕入れた物件だと考えています。建設仮勘定も2億7,700万円増えていますが、何を建てているのかは決算短信には書かれていません。

営業外費用に、靴の会社らしくない科目が並ぶ

経常損失が倍を超えた原因は、営業外費用です。

営業外費用前年同期今回
支払利息499万円2,308万円
暗号資産評価損―864万円
特別調査費用―1,432万円
営業外費用合計500万円4,858万円

支払利息は4倍を超えました。借入金の合計は期首から1割も増えていないので、利息の伸びとは釣り合いません。その理由は、決算短信には書かれていません。

暗号資産は、前年同期には517万円の評価益で、今回は評価損です。……靴の卸の短信で、暗号資産の文字を見るとは思わなかった。

いちばん引っかかったのは、特別調査費用1,432万円です。何を調べるための費用なのかは、決算短信には書かれていません。同じ日に「業績予想の修正及び営業外費用の計上に関するお知らせ」を出したと短信にありますが、私はそちらをまだ開いていません。

純損失を前年並みに抑えたのは、特別利益に入った役員退職慰労引当金戻入額4,673万円です。税引前の損失5,514万円に、この戻入額を足し戻すと1億187万円になります。戻入額が無ければ、損失は1億円を超えていたことになります。

会社はどう説明しているか

会社は短信の4ページ目で、主力の婦人靴と紳士靴が苦戦したと書いています。売上の減少と円安で売上原価が増え、売上総利益は9.4%減りました。販管費も減らしたものの、粗利の減り方に追いつかなかった、という説明です。経常損失は、支払利息、暗号資産評価損、特別調査費用が増えたためだ、と書いています。

靴の側の説明は数字と合っているので、そのまま受け取ります。単価は上げたが足数が落ちた、と区分ごとに書いてあり、ごまかしは見当たりません。営業外の3つの費用は、決算短信では科目の名前が並ぶだけで、増えた理由までは短信に書かれていません。ここには留保を付けます。

通期予想は、残り3か月で黒字を出す前提

表紙には、業績予想を修正したと書かれています。修正後の通期予想と、9か月累計を並べます。

項目9か月累計通期予想残り3か月
売上高33億800万円48億1,600万円約15億800万円
営業損益△7,800万円△7,600万円約200万円
純損益△5,600万円△5,500万円約100万円

約の付いた数字は、通期予想から9か月累計を私が引いたものです。

売上の進捗率は7割弱で、9か月なら4分の3ほど来ていたい時期です。残り3か月で要る15億800万円は、前年の第4四半期より3割近く多い額です。この3割は私の割り算です。夏の3か月の8億6,600万円と比べると、1.7倍ほどになります。

利益のほうは、累計の赤字がすでに通期予想を超えており、最後の3か月で小さな黒字を出す前提です。修正前の予想がいくらだったのかは、この短信には載っていません。

私はどう読んだか

冬物が売れる季節だから売上が戻る、という見方もできます。私は、残り3か月の上積みは、靴よりも販売用不動産の引き渡しに頼った組み立てだと考えています。理由は、売るための物件が期首の2倍以上の12億円あまりに積み上がる一方で、靴の主力はそろって数が減っているからです。

そうだとすると、通期の赤字幅が予想どおりに収まっても、靴の本業が持ち直したことにはなりません。赤字予想のまま、年11円40銭の配当予想も据え置かれています。利益ではなく、これまでの蓄えから払う形です。上がるかは知りません。夏の3か月で6,700万円の営業損失を出したあと、靴の事業がどこまで戻るのか、次の決算で確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

開示書類 › 東邦レマック株式会社
詳しくみる

特別調査費用が何の調査のためのものか、通期予想を修正前からどう動かしたのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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