ニイタカ(4465)2027年5月期 第1四半期決算分析――小さな事業の崩れが気になる

ニイタカ(4465)2027年5月期 第1四半期決算分析――小さな事業の崩れが気になる 決算を読む

飲食店の厨房と、旅館の宴会場にあるもの

外食の店に入ると、客席からは見えない場所に食器洗浄機があります。そこへ入れる洗浄剤、まな板や手を洗う消毒剤、床にこぼれた油を落とす洗剤。ニイタカが作っているのは、そういう業務用の洗剤や洗浄剤です。

もう一つの柱が固形燃料です。旅館の宴会場で、小さな鍋の下に置いて火をつける、あの白い固形の燃料です。

買い手は消費者ではありません。飲食チェーン、旅館、給食や病院の調理場です。だから一般の景気よりも、店が開いていて客が食事をしているかどうかが先に来ます。感染対策の製品も作っているので、衛生に対する世の中の気分も、そのまま売上に出ます。

売上は5%増えて、利益はほぼ横ばい

2026年9月25日に、2027年5月期の第1四半期(6月から8月)の決算短信が出ました。

項目今回前年同期増減率
売上高63億3,400万円60億600万円+5.5%
営業利益5億8,500万円5億8,200万円+0.5%
経常利益6億800万円6億1,600万円△1.2%
純利益4億1,500万円4億1,900万円△0.8%

前年の同じ四半期が営業利益で3割以上伸びた反動かとも考えましたが、そういう話ではありませんでした。

増えた1億600万円が、別の事業で1億300万円消えた

この会社は事業を2つに分けています。洗剤・感染対策製品・固形燃料のケミカル事業と、健康食品のヘルスケア事業です。短信の4ページに、会社自身が両方の増減を並べた表を載せています。

今回前年同期増減率
ケミカル 売上高61億5,600万円56億4,200万円+9.1%
ケミカル 営業利益5億7,400万円4億6,800万円+22.7%
ヘルスケア 売上高1億7,700万円3億6,300万円△51.2%
ヘルスケア 営業利益1,000万円1億1,300万円△90.8%

ここで引っかかりました。ケミカルの営業利益は1億600万円増えています。ところがヘルスケアが1億300万円減ったので、全社では200万円しか増えていません。本業が2割以上伸びた四半期の成果が、ほとんど残っていないわけです。

ヘルスケアの前年を見ると、理由が分かります。売上は全社の6%ほどしかないのに、営業利益は全社の2割弱を出していました。利益率は31.3%です。

その事業が半分以下に縮みました。会社は4ページで「米国の大幅減収に加え、国内も低調」と書いていますが、米国で何がどう減ったのかは決算短信には書かれていません。

利益率が9.7%から9.2%へ下がったのは、洗剤が悪くなったからではない

全社の営業利益率は0.5pt下がりました。ところがケミカルの利益率は8.3%から9.3%へ上がっています。改善幅は1.0ptです。

利益率3割の小さな事業が消えて、利益率9%の大きな事業が伸びた。混ぜれば平均は下がります。全社の数字だけを見て本業が苦しいと受け取ると、逆を読むことになります。

ヘルスケアの営業利益はもう1,000万円しか残っていません。ここから落ちる余地は、金額としては小さくなっています。

経常利益と1株利益は、損益計算書の下のほうで動いた

営業利益が増えたのに経常利益が減った理由は、8ページにありました。前年にあった為替差益942万円が無くなり、代わりに為替差損637万円が立っています。この振れだけで1,500万円以上です。本業とは別の話です。

利息は増えていました。受取利息が935万円から1,615万円へ。手元の現金が多い会社なので、金利が上がった分がそのまま入ってきます。

もう一つ、株数の話があります。会社は7月13日の取締役会決議で自己株式133,600株を取得しました。期中平均の株数は5,903,440株から5,857,236株へ減っています。純利益は0.8%減りました。それでも1株当たり四半期純利益は70.99円から71.00円へ。利益ではなく、株数の減りが支えた数字です。

この短信に、キャッシュ・フロー計算書は無い

10ページに「当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあります。現金の出入りは、貸借対照表の差で見るしかありません。

現金及び預金は9億6,000万円減って、73億9,000万円になりました。未払法人税等が5億6,700万円減り、流動負債のその他が5億200万円減っています。配当金2億3,100万円と自己株式2億8,500万円も払いました。四半期の初めに支払いが集まるもので、不思議なところはありません。

気になったのはもう一方です。商品及び製品が3億2,000万円増え、原材料及び貯蔵品も1億3,400万円増えています。売上が5.5%増えるあいだに、製品の在庫がそれ以上の速さで積まれています。固形燃料は鍋の季節に出るものですから、秋冬に向けた仕込みかもしれません。ただ、この増え方の理由は決算短信には書かれていません。

会社の説明は、そのまま受け取れる

会社は4ページで、洗剤・固形燃料・感染対策製品が堅調だったと書いています。利益の面では、ヘルスケアの減益とケミカルの原材料費上昇を、ケミカルの売上拡大と価格改定で吸収したとしています。大手外食チェーンへのクロスセルが進み、食中毒対策に対応した高付加価値製品が伸びた、とも。

ここは疑っていません。増益側に数量と価格、減益側に原材料費・人件費・物流費が挙げられていて、結果が利益率1.0ptの改善です。値上げが通って、数量も落ちていない。言っていることと数字が合っています。

売上は4分の1弱、利益は3分の1。それでも予想は動いていない

通期予想は7月13日に出したものから変えていないと、5ページに書いてあります。

第1四半期通期予想進み具合
売上高63億3,400万円275億円約23%
営業利益5億8,500万円18億円約33%
純利益4億1,500万円12億8,500万円約32%

進み具合は、私が割った数字です。1年の4分の1が過ぎた時点ですから、目安は25%。

残りを引き算します。売上は残り9か月で211億6,600万円です。営業利益は12億1,500万円、純利益は8億7,000万円になります。前年の同じ9か月と比べると、売上は1割以上増やし、営業利益は2割、純利益は4割減らす置き方です。

……いや、これは向きが合わない。売上を1割以上伸ばしながら、利益を2割落とす。第1四半期は増収で、利益も減っていないのに。なぜそう置いたのかは決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに理由があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

純利益の落差だけは、半分ほど説明が付きます。前期は経常利益22億1,700万円に対して純利益19億円で、差は経常の1割半でした。今期の予想は経常18億5,000万円に対して純利益12億8,500万円、差は3割です。前期の税負担が軽かった分、今期の純利益の落ち込みが大きく見えています。その軽かった理由は、今回の短信には出てきません。

私はどう読んだか

洗剤と固形燃料の事業を見るかぎり、商売は良い方向に進んでいると考えています。理由は、値上げが通ったうえで数量も増えているからです。原材料費と人件費と物流費の上昇を吸収して、利益率が1.0pt上がっています。全社の横ばいは、小さな高収益事業が崩れたからで、本業の失速ではありません。

それでも、頭に残っているのは在庫のほうです。心配性なので、私はまず売れ残りの入口を疑っています。増えた3億2,000万円が季節の仕込みなのかどうかは、次の四半期の売上の出方で分かります。通期の利益を減らす予想を会社が動かさなかったことと、どこかでつながっているのかもしれません。

出典:決算短信(会社発表)

株式会社ニイタカ

ヘルスケア事業の米国で何が起きて売上が半分以下になったのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました