ソフトクリエイトホールディングス(3371)2027年3月期 中間決算分析――償却の重さと読みました

ソフトクリエイトホールディングス(3371)2027年3月期 中間決算分析――償却の重さと読みました 日本株

はじめに

ソフトクリエイトホールディングスは、企業がネット通販のサイトを持つための仕組みを売っている会社です。カート、会員管理、決済、キャンペーンの設定など、通販に要る機能をひと通り備えた土台のソフトを持っています。そこに相手先ごとの作り込みを足して納め、公開したあとの保守や運用も引き受けます。買うのは、自社の通販サイトを作りたい中堅から大手の小売やメーカーです。

もう一つの柱は、企業の情報システム部門向けの仕事です。社内の申請や稟議を画面で回すワークフローのソフトや、社員のIDをまとめて管理するソフトを扱っています。マイクロソフトのクラウドの導入支援、セキュリティの構築、パソコンやサーバーの販売まで手がけています。どちらの事業も相手は企業で、月ごとに料金を受け取る契約が厚い会社です。

半年で1割の増収、営業利益は1割強の増益

2026年11月2日に出た、2027年3月期の中間決算です。4月から9月までの半年分にあたります。

今回前年同期増減率
売上高182億5,500万円165億800万円+10.6%
営業利益31億1,500万円27億3,900万円+13.7%
経常利益32億9,700万円30億3,900万円+8.5%
純利益20億2,600万円18億6,900万円+8.4%

この表だけなら、そろった増収増益です。通期予想は変えていません。

売上が1割伸びたEC事業で、利益だけが少し減った

短信の添付資料9〜10ページにあるセグメント情報を、前年と並べました。

売上高 前年同期売上高 今回事業の利益 前年同期事業の利益 今回
EC事業87億7,090万円97億6,220万円22億7,729万円22億6,185万円
IT事業77億3,717万円84億9,302万円13億5,222万円16億786万円

売上高は外部のお客さま向けの金額です。事業の利益は、短信のセグメント利益で、経常利益の段階の数字です。

引っかかったのはECの行です。売上は1割以上伸びたのに、利益は前年をわずかに下回っています。IT事業の利益が2割近く増えたので、合計では目立ちません。

説明会資料の数字ですが、EC事業の売上総利益は1割近く増えています。粗利が増えて事業の利益が減ったのなら、粗利より下の費用が膨らんだことになります。

減益の幅より、のれん償却の増え方のほうが大きい

キャッシュ・フロー計算書の「のれん償却額」が、前年同期の1,431万円から、今回は1億5,307万円へ増えています。増えた額は1億3,876万円です。

その理由は、短信の最後にある企業結合の注記に書かれています。2026年3月31日にメグリという会社を子会社にし、その会計処理が今回確定しました。のれんは暫定の18億547万円から、4億1,783万円減りました。確定後の額は13億8,764万円です。減った分は、顧客関連資産7億4,000万円などに振り替えられました。

説明会資料には、のれんを5年で償却すると書かれています。13億8,764万円を5年で割ると、年2億7,753万円です。半年なら1億3,876万円になります。のれん償却額の増えた分と、1万円の位まで一致します。

メグリはEC事業に入っています。EC事業の利益は22億7,729万円から22億6,185万円へ減りました。減った額は1,544万円です。償却の増加1億3,876万円のほうがずっと大きく、償却の増加が無ければ事業の利益は増えていたことになります。ここは私の引き算です。

ただ、償却はのれんだけではありません。振り替えた顧客関連資産も、何年かに分けて費用になります。減価償却費は6億7,379万円から8億1,137万円へ増えていますが、ソフトウェアの分と混ざっていて、短信の数字からは切り分けられません。

説明会資料の25ページは、のれんの計上額を18億円、年間の償却費を3億6,000万円としています。確定前の暫定額のままの数字です。確定後の短信の数字では、のれんの償却はそれより軽くなります。

経常利益の伸びを抑えたのは、持分法の利益の減少

営業利益が13.7%増えたのに、経常利益は8.5%増にとどまりました。営業外収益の中の「持分法による投資利益」が、前年同期の1億8,939万円から2,020万円へ減ったためです。どの会社の分なのかは、短信からは分かりませんでした。

純利益の側には、前年に無かった投資有価証券売却益2億367万円が入っています。純利益の伸びには、この一度きりの利益も含まれています。

現金同等物は減ったが、預け先を変えただけ

営業キャッシュ・フローは38億3,365万円で、前年同期の28億5,184万円を上回りました。売掛金などの回収が進み、売上債権が8億9,266万円減ったことが効いています。

一方で、現金及び現金同等物は半年で16億270万円減りました。定期預金に25億円を預け入れたのが主な理由です。満期まで3か月を超える定期預金は現金同等物に数えないので、置き場所を変えただけです。貸借対照表の現金及び預金は、8億7,820万円増えています。

短信は売上の理由だけを書き、説明会資料が償却を語る

短信の添付資料2ページは、EC事業について「ECサイト構築売上高が伸長したことや、ECサイトの売上拡大施策となるクラウドサービス売上高が伸長したこと等により」と書いています。これは売上が伸びた理由です。事業の利益が減った理由は、短信には書かれていません。

説明会資料の25ページには、償却について「会計上の費用配分であり、経済実態はストック収益の積み上がりで評価いただきたい」とあります。今期は案件の仕込みに充て、来期に通期で寄与させる計画だとも書いています。メグリ単体の経常利益は2,000万円規模、というのも説明会資料の記述です。

償却が会計上の費用だという点は、そのまま受け取ります。キャッシュ・フロー計算書でも足し戻されていて、現金は出ていきません。ただ、月額の収入で買収額を回収できるかどうかは、説明会資料自身が計画値だと断っています。そこは来期の数字を待ちます。

通期予想に対して、半分の地点でちょうど半分

通期予想進捗率残り6ヶ月に必要な額前年の下期比
売上高370億円約49.3%187億4,500万円約+4.8%
営業利益63億円約49.4%31億8,500万円約−8.1%
経常利益65億5,000万円約50.3%32億5,300万円約−7.2%
純利益42億円約48.2%21億7,400万円約−5.7%

約の付いた数字は、通期予想と上期の実績から私が割り算・引き算したものです。

進捗率はどれも半分の前後です。通期予想どおりなら、下期の営業利益は前年の下期を1割近く下回ることになります。前年の下期にはメグリの償却がまだ無かったので、その分は差し引いて受け取る必要があります。

説明会資料には、上期の経常利益が計画の29億6,000万円を11.2%上回ったとあります。短信のほうは「計画どおりに推移」です。……いや、1割上回ったなら計画どおりとは言わない。

私はどう読んだか

私は、EC事業の減益は買収の償却が乗った会計上の重さで、本業の伸びが止まったのではない、という見方をしています。理由は、償却の増加が減益の幅のおよそ9倍あり、説明会資料の数字でもEC事業の粗利が増えているからです。下期の減益予想も、上期に計画を上回ったことを考えると、慎重な組み立てだと考えています。

心配なのは、この償却がこの先も5年近く続くことです。顧客関連資産の償却も別に乗ります。買った会社の稼ぎは、説明会資料では2,000万円規模です。それが償却に追いつくかは来期以降の受注次第で、まだ数字には表れていません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.softcreate-holdings.co.jp/cms/html/pdf/press/sof261102-2.pdf

決算説明資料(会社発表)

https://www.softcreate-holdings.co.jp/cms/html/pdf/press/sof261102-4.pdf

顧客関連資産7億4,000万円を何年で償却しているのかは、短信からも説明会資料からも読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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