小松マテーレ(3580)2027年3月期 中間決算分析――減益を埋めたのは本業の外だと読みました

小松マテーレ(3580)2027年3月期 中間決算分析――減益を埋めたのは本業の外だと読みました 日本株

ポリエステルの布に、色と機能を付ける会社

小松マテーレは、ポリエステルの布を染めて仕上げる会社です。織ったり編んだりした生地を受け取ります。そこから汚れや油を落とし、色を付け、柄を刷ります。水をはじく、肌ざわりを変えるといった性質も持たせて送り出します。

行き先は服が中心です。海外のファッションブランド、スポーツウェア、中東の民族衣装に使われる生地もここに入ります。服のほかには、車の内装、鞄や化粧品向けの素材、医療・介護の用品、住まいの布があります。会社や学校の制服にも手を広げています。少し変わったところでは、炭素繊維の撚り線を使って古い工場や倉庫を耐震補強する工法も育てています。

売上と営業利益が減り、純利益だけが跳ねた

11月2日に出た中間決算です。対象は4月から9月の半年です。

項目今回前年同期増減率
売上高197億8,700万円203億5,400万円△2.8%
営業利益11億4,800万円13億5,300万円△15.1%
経常利益17億1,100万円16億9,300万円+1.1%
純利益12億3,400万円1億8,900万円+550.5%

4つの数字が、てんでばらばらの方向を向いています。この並びの理由は、損益計算書の下のほうにありました。

粗利は増え、販管費がそれ以上に増えた

添付資料7ページ目の損益計算書から見ます。売上が減ったのに、売上総利益は45億4,900万円から47億4,800万円へ増えています。増えた額は1億9,900万円です。減った売上で粗利を増やしたのですから、売り方そのものは悪くなっていません。

崩れたのは販売費及び一般管理費のほうで、4億400万円増えました。粗利の増えた1億9,900万円から、この販管費の増加分を引きます。残る差は2億500万円のマイナスで、営業利益の減った分とちょうど同じです。短信の損益計算書では販管費が1行にまとめられていて、何が膨らんだのかは分かりません。手がかりを探してキャッシュ・フロー計算書を開くと、減価償却費が6億8,600万円から9億2,400万円へ増えていました。

経常利益を支えた持分法による投資利益

引っかかったのは、営業外収益の1行です。

科目前年同期今回
売上総利益45億4,900万円47億4,800万円
販売費及び一般管理費31億9,500万円35億9,900万円
営業利益13億5,300万円11億4,800万円
持分法による投資利益1億6,700万円3億9,000万円
経常利益16億9,300万円17億1,100万円

持分法による投資利益が、前年の2倍を超えました。増えた2億2,300万円が、営業利益の減った2億500万円をそのまま埋めています。経常利益が前年を1,800万円上回ったのは、ほぼこの1行のおかげです。

持分法は、出資している関連会社の利益を、持ち分に応じて取り込む仕組みです。自分の工場で稼いだお金ではありません。どの関連会社の利益が増えたのかは、短信にも説明会資料にも書かれていません。

本業が落ちた半年を、出資先が支えていた。……ここは覚えておかないといけない。

純利益が6倍を超えたのは、前年の側の事情

前年の上期には、特別損失に投資有価証券評価損12億3,200万円が入っていました。今年はそれがありません。純利益の大きな伸びは、前年が大きく沈んでいた反動です。今年の稼ぐ力が6倍になったわけではありません。

営業キャッシュ・フローは増えたが、売掛金の回収込み

いつもどおり、キャッシュ・フロー計算書まで行きました。添付資料9ページ目です。営業キャッシュ・フローは5億100万円から19億9,200万円へ大きく増えています。

ただし、そのうち10億3,200万円は売上債権の減少です。3月末に66億7,600万円あった売掛金が、9月末には54億8,200万円まで減っています。3月末にたまっていた代金を回収した分が大きく、半年の稼ぎがそのまま4倍になったわけではありません。

手元の現金は17億円減りました。出ていった先は次のとおりです。

主な支出今回
固定資産の取得14億9,000万円
投資有価証券の取得10億8,400万円
自己株式の取得7億4,400万円
短期貸付け5億5,000万円
配当金の支払4億9,500万円

設備と株主還元は分かります。短期貸付けの5億5,000万円は前年同期には無かった支出で、誰に貸したのかは短信には書かれていません。

会社はどう説明しているか

短信の4ページ目に、会社自身の説明があります。猛暑対策として、働く人の負担を減らすために夏の操業日数を計画的に減らした。そのため生産数量が前年を下回り、減収になった、と書いています。さらに、システムと生産設備への先行投資で減価償却費が増え、減益になったとしています。

説明会資料には、営業利益の増減を要因別に分けた図があります。ここからは説明会資料の数字です。生産数量の減少で7億5,600万円、労働環境や設備、福利厚生のための費用で4億7,900万円のマイナスです。逆に、高付加価値商品の拡大で7億7,500万円、コスト削減で3億8,600万円のプラスでした。

操業日を減らしたのが計画どおりの判断なら、夏に止めた分の減産は下期には出てきません。この説明はそのまま受け取ります。ただ、減価償却費は一度増えたら毎期かかります。そちらは下期も残ると考えています。

下期に4分の1ほどの上乗せが要る

項目上期実績通期予想進捗率
売上高197億8,700万円425億円約47%
営業利益11億4,800万円26億円約44%
経常利益17億1,100万円35億円約49%
純利益12億3,400万円26億円約48%

約の付いた進捗率は、上期実績を通期予想で割った私の計算です。

営業利益だけが、半分に届いていません。通期予想は26億円で、上期の実績は11億4,800万円でした。引き算すると、下期に要るのは14億5,200万円です。前年の下期を4分の1ほど上回らないと届かない、というのが私の引き算です。

それでも説明会資料には、通期予想を上方修正したとあります。短信は修正の詳細を別の「業績予想及び剰余金の配当(中間配当の増配)の修正に関するお知らせ」に回していて、私はそのお知らせを読んでいません。修正前の数字は、手元の資料からは分かりません。

私はどう読んだか

上期の営業減益は、夏に工場を止めた日数と、投資の償却が重なった結果です。売り方が崩れたわけではない、という見方をしています。理由は、売上が減った半年に粗利が増えているからです。

心配なのは別の2点です。経常利益の横ばいは、持分法による投資利益の伸びに頼っています。下期の営業利益は、償却の重さを抱えたまま前年を4分の1ほど上回る必要があります。同じ日に及川被服と米山アパレルの子会社化も発表されましたが、それが数字に出てくるのはもっと先です。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.komatsumatere.co.jp/cms/wp-content/uploads/2026/11/311488943ac415a2fdb9ed9b057898d2.pdf

持分法による投資利益が、どの関連会社でどれだけ増えたのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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