コスモス薬品(3349)2027年5月期 第1四半期決算分析――現金は店と土地に回ったと読みました

コスモス薬品(3349)2027年5月期 第1四半期決算分析――現金は店と土地に回ったと読みました 日本株

はじめに

コスモス薬品は、九州を地盤にするドラッグストアです。店は郊外の大きな平屋が多いようです。風邪薬や湿布だけでなく、牛乳やパン、カップ麺、洗剤やティッシュまで同じ店で買えます。

買いに来るのは、薬が要る人に限りません。夕飯の材料と日用品をまとめて買う人です。売上のいちばん大きな部分は食品で、短信の商品区分の表でもそうなっています。「近所のスーパーの代わりになる薬局」と考えると近いと思います。

その店を、九州から東へ広げている最中の会社です。

売上は5%伸び、利益の伸びは小さめでした

2026年10月13日に出た第1四半期決算です。6月から8月の3か月が対象です。

今回前年同期増減率
売上高2,866億5,300万円2,723億9,400万円+5.2%
営業利益120億500万円116億4,500万円+3.1%
経常利益127億6,600万円121億8,800万円+4.7%
純利益82億5,100万円81億7,100万円+1.0%

この会社の表紙の業績表は、売上高のすぐ隣にEBITDAという列があります。179億1,100万円という数字がそれで、営業利益は3列目です。うっかり隣の列を拾うと、利益が5割増しに見えます。上の表は、損益計算書の数字で作り直しました。

この短信には、キャッシュ・フロー計算書が付いていません

私はいつも、キャッシュ・フロー計算書から先に開きます。今回は、それがありませんでした。短信の注記に「四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあります。第1四半期では省く会社が多く、珍しいことではありません。

代わりに、貸借対照表を前の期末と並べました。

前期末(5月末)今回(8月末)
現金及び預金613億4,100万円393億7,500万円
土地675億1,500万円734億2,200万円
有形固定資産のその他374億200万円488億円
買掛金1,957億9,600万円1,889億7,400万円
長期借入金618億8,900万円596億9,300万円

現金は3か月で219億6,600万円減りました。……3か月で、か。

引っかかったのは、そこです。ただ、表のほかの行を見ると、行き先はおおむね追えます。有形固定資産は185億2,300万円増えています。土地が59億円ほど、その他が114億円ほど膨らみました。短信4ページ目の会社の説明でも、現金の減少と有形固定資産の増加が並べて書かれています。

ほかに、買掛金の支払いで68億円ほど減っています。法人税の支払いが29億円、借入金の返済が22億円ほどです。店を建てる土地と建物、季節の支払いと税金。これで減った現金の大半に説明が付きます。

ここまでは貸借対照表の数字です。本業で現金がどれだけ入ったのかは、計算書が無いので確かめられません。

借入金は減ったのに、支払利息は2.5倍です

損益計算書の営業外費用に、目が止まる行がありました。支払利息が1億1,000万円から2億8,100万円へ増えています。

借入金は、むしろ減っています。1年内返済分は8億7,840万円で変わらず、長期借入金は22億円ほど返しました。借りている額が減って利息が増えたなら、効いているのは利率のほうです。

会社の説明文は、景気の話のなかで「金利上昇によるインフレの進行」に触れています。ただ、自社の利息がなぜ増えたのかは、決算短信には書かれていません。

金額は、営業利益に比べればまだ小さいものです。それでも、出店を借入でまかなう会社にとって、この行は毎期見ておく場所になりました。

粗利の増加を、販管費がほとんど使い切っています

粗利は62億1,290万円から引いて、と書くと長いので表にします。

前年同期今回
売上総利益571億7,400万円621億2,900万円
販売費及び一般管理費455億2,900万円501億2,400万円
減価償却費57億4,800万円64億1,400万円

粗利は49億5,500万円増え、販管費は45億9,500万円増えました。増えた粗利から販管費の増加分を引くと、営業利益に残ったのは3億6,000万円です。

売上に占める粗利の割合は、21.0%から21.7%へ上がっています。これは私が割った数字です。値上げなのか、品ぞろえの変化なのかは、短信からは分かりません。一方で減価償却費が6億6,600万円増えていて、新しい店の費用がそのまま販管費に乗っています。

会社は「自社競合も厭わない」と書いています

説明文には、こうあります。「自社競合による一時的な収益性の低下も厭わず、次々と新規出店を行いました」。3か月で13店を出し、4店を閉じ、8月末で1,717店です。

その結果は、地域別の表に出ています。

地域8月末の店舗数売上高前年同期比
関東205店302億円116.0%
中部204店291億2,300万円113.1%
関西246店387億3,000万円104.1%
九州672店1,229億4,300万円103.4%

伸びているのは、新しく攻めている関東と中部です。東北にも2店が初めて出ました。説明文と表の数字は合っています。

私はこの説明を、そのまま受け取ります。理由は、販管費の増え方と減価償却費の増え方、それに地域の伸び方が、同じ一つの話でつながるからです。ただ「一時的」がどのくらいの長さなのかは、短信には書かれていません。

9月から11月は、前年より少ない営業利益が置かれています

予想は7月13日に出したものから変わっていません。上期の予想と並べると、9月から11月にいくら見込んでいるかが分かります。

営業利益6〜8月9〜11月上期累計
前年 実績116億4,500万円約90億3,200万円約206億7,700万円
今年120億500万円(実績)約87億7,500万円207億8,000万円(会社予想)

表紙の上期予想は、前年比+0.5%です。207億8,000万円を1.005で割り戻すと、前年の上期はおよそ206億7,700万円です。そこから第1四半期の116億4,500万円を引くと、前年の9月から11月はおよそ90億3,200万円になります。今年の同じ3か月は、207億8,000万円から120億500万円を引いて求めます。答えはおよそ87億7,500万円です。

前年より少し少ない数字のまま、予想は変えられていません。通期予想の営業利益430億円に対しては、3か月で4分の1を少し超えたところまで来ています。

私はどう読んだか

減った現金は、店と土地に回った前向きの支出だという見方をしています。理由は、現金の減り方と固定資産の増え方がほぼ釣り合い、関東と中部の売上がそれを裏付けているからです。

心配なのは、利息の行と、9月から11月の見込みの低さです。上がるかは知りません。

出典

出典:決算短信(会社発表)

https://www.cosmospc.co.jp

借入金が減ったのに支払利息が増えた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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