はじめに
コスモス薬品は、九州を地盤にするドラッグストアです。店は郊外の大きな平屋が多いようです。風邪薬や湿布だけでなく、牛乳やパン、カップ麺、洗剤やティッシュまで同じ店で買えます。
買いに来るのは、薬が要る人に限りません。夕飯の材料と日用品をまとめて買う人です。売上のいちばん大きな部分は食品で、短信の商品区分の表でもそうなっています。「近所のスーパーの代わりになる薬局」と考えると近いと思います。
その店を、九州から東へ広げている最中の会社です。
売上は5%伸び、利益の伸びは小さめでした
2026年10月13日に出た第1四半期決算です。6月から8月の3か月が対象です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,866億5,300万円 | 2,723億9,400万円 | +5.2% |
| 営業利益 | 120億500万円 | 116億4,500万円 | +3.1% |
| 経常利益 | 127億6,600万円 | 121億8,800万円 | +4.7% |
| 純利益 | 82億5,100万円 | 81億7,100万円 | +1.0% |
この会社の表紙の業績表は、売上高のすぐ隣にEBITDAという列があります。179億1,100万円という数字がそれで、営業利益は3列目です。うっかり隣の列を拾うと、利益が5割増しに見えます。上の表は、損益計算書の数字で作り直しました。
この短信には、キャッシュ・フロー計算書が付いていません
私はいつも、キャッシュ・フロー計算書から先に開きます。今回は、それがありませんでした。短信の注記に「四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあります。第1四半期では省く会社が多く、珍しいことではありません。
代わりに、貸借対照表を前の期末と並べました。
| 前期末(5月末) | 今回(8月末) | |
|---|---|---|
| 現金及び預金 | 613億4,100万円 | 393億7,500万円 |
| 土地 | 675億1,500万円 | 734億2,200万円 |
| 有形固定資産のその他 | 374億200万円 | 488億円 |
| 買掛金 | 1,957億9,600万円 | 1,889億7,400万円 |
| 長期借入金 | 618億8,900万円 | 596億9,300万円 |
現金は3か月で219億6,600万円減りました。……3か月で、か。
引っかかったのは、そこです。ただ、表のほかの行を見ると、行き先はおおむね追えます。有形固定資産は185億2,300万円増えています。土地が59億円ほど、その他が114億円ほど膨らみました。短信4ページ目の会社の説明でも、現金の減少と有形固定資産の増加が並べて書かれています。
ほかに、買掛金の支払いで68億円ほど減っています。法人税の支払いが29億円、借入金の返済が22億円ほどです。店を建てる土地と建物、季節の支払いと税金。これで減った現金の大半に説明が付きます。
ここまでは貸借対照表の数字です。本業で現金がどれだけ入ったのかは、計算書が無いので確かめられません。
借入金は減ったのに、支払利息は2.5倍です
損益計算書の営業外費用に、目が止まる行がありました。支払利息が1億1,000万円から2億8,100万円へ増えています。
借入金は、むしろ減っています。1年内返済分は8億7,840万円で変わらず、長期借入金は22億円ほど返しました。借りている額が減って利息が増えたなら、効いているのは利率のほうです。
会社の説明文は、景気の話のなかで「金利上昇によるインフレの進行」に触れています。ただ、自社の利息がなぜ増えたのかは、決算短信には書かれていません。
金額は、営業利益に比べればまだ小さいものです。それでも、出店を借入でまかなう会社にとって、この行は毎期見ておく場所になりました。
粗利の増加を、販管費がほとんど使い切っています
粗利は62億1,290万円から引いて、と書くと長いので表にします。
| 前年同期 | 今回 | |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 571億7,400万円 | 621億2,900万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 455億2,900万円 | 501億2,400万円 |
| 減価償却費 | 57億4,800万円 | 64億1,400万円 |
粗利は49億5,500万円増え、販管費は45億9,500万円増えました。増えた粗利から販管費の増加分を引くと、営業利益に残ったのは3億6,000万円です。
売上に占める粗利の割合は、21.0%から21.7%へ上がっています。これは私が割った数字です。値上げなのか、品ぞろえの変化なのかは、短信からは分かりません。一方で減価償却費が6億6,600万円増えていて、新しい店の費用がそのまま販管費に乗っています。
会社は「自社競合も厭わない」と書いています
説明文には、こうあります。「自社競合による一時的な収益性の低下も厭わず、次々と新規出店を行いました」。3か月で13店を出し、4店を閉じ、8月末で1,717店です。
その結果は、地域別の表に出ています。
| 地域 | 8月末の店舗数 | 売上高 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 関東 | 205店 | 302億円 | 116.0% |
| 中部 | 204店 | 291億2,300万円 | 113.1% |
| 関西 | 246店 | 387億3,000万円 | 104.1% |
| 九州 | 672店 | 1,229億4,300万円 | 103.4% |
伸びているのは、新しく攻めている関東と中部です。東北にも2店が初めて出ました。説明文と表の数字は合っています。
私はこの説明を、そのまま受け取ります。理由は、販管費の増え方と減価償却費の増え方、それに地域の伸び方が、同じ一つの話でつながるからです。ただ「一時的」がどのくらいの長さなのかは、短信には書かれていません。
9月から11月は、前年より少ない営業利益が置かれています
予想は7月13日に出したものから変わっていません。上期の予想と並べると、9月から11月にいくら見込んでいるかが分かります。
| 営業利益 | 6〜8月 | 9〜11月 | 上期累計 |
|---|---|---|---|
| 前年 実績 | 116億4,500万円 | 約90億3,200万円 | 約206億7,700万円 |
| 今年 | 120億500万円(実績) | 約87億7,500万円 | 207億8,000万円(会社予想) |
表紙の上期予想は、前年比+0.5%です。207億8,000万円を1.005で割り戻すと、前年の上期はおよそ206億7,700万円です。そこから第1四半期の116億4,500万円を引くと、前年の9月から11月はおよそ90億3,200万円になります。今年の同じ3か月は、207億8,000万円から120億500万円を引いて求めます。答えはおよそ87億7,500万円です。
前年より少し少ない数字のまま、予想は変えられていません。通期予想の営業利益430億円に対しては、3か月で4分の1を少し超えたところまで来ています。
私はどう読んだか
減った現金は、店と土地に回った前向きの支出だという見方をしています。理由は、現金の減り方と固定資産の増え方がほぼ釣り合い、関東と中部の売上がそれを裏付けているからです。
心配なのは、利息の行と、9月から11月の見込みの低さです。上がるかは知りません。
出典
出典:決算短信(会社発表)
借入金が減ったのに支払利息が増えた理由は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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