のむら産業(7131)2026年10月期 第3四半期決算分析――残り3か月の置き方が気になる

のむら産業(7131)2026年10月期 第3四半期決算分析――残り3か月の置き方が気になる 決算を読む

うちでは、米は妻がスーパーで5キロの袋を買ってきます。のむら産業は、あの袋を作っている会社です。それに加えて、精米した米を決まった重さで計って袋に詰め、封をする機械も作っています。買うのは私たちではなく、米の卸や精米工場です。

もう一つ、ネット通販で届く箱の中に入っている空気の緩衝材や、箱に封をする機械を輸入して売る事業があります。こちらは子会社が担っています。この2つ目のほうが、今回の短信の最後に出てきます。

この決算で何が起きたか

9月11日に出た、2025年11月から2026年7月までの9か月分です。

項目今回前年同期増減率
売上高60億4,000万円51億2,900万円+17.8%
営業利益8億3,400万円5億5,400万円+50.5%
経常利益8億3,500万円5億5,500万円+50.5%
純利益5億9,000万円3億7,100万円+59.0%

売上が2割近く増えて、営業利益が1.5倍です。同じ日に通期予想を引き上げ、期末の配当予想も89円から122円へ増やしました。1ページ目だけなら文句の付けようがない決算です。

増えた利益の大半は、機械が運んできた

セグメント情報の注記に、売上の内訳があります。

売上の内訳前年同期今回
包装資材関係(米袋など)30億2,598万円33億6,674万円
包装機械関係(計量包装機など)14億1,695万円19億6,435万円
梱包資材関係(緩衝材など)6億571万円6億3,546万円
梱包機械関係8,104万円7,405万円
包装関連事業の利益5億42万円7億5,625万円
物流梱包事業の利益5,368万円7,779万円

増えた売上9億1,092万円のうち、機械が5億4,739万円です。米袋などの資材も3億4,076万円増えていますが、会社側は原料価格の上昇を販売価格に転嫁したと書いているだけで、数量が増えたとは短信には書いていません。

利益の増え方は損益計算書で分かります。売上総利益は13億8,219万円から17億1,301万円へ増えました。増えた分は3億3,082万円です。一方で販管費は8億2,809万円から8億7,897万円へ。増えたのは5,088万円だけです。3億3,082万円から5,088万円を引きます。その2億7,994万円が、営業利益の増加分です。売上が2割増えても、売るための費用がほとんど増えていない構図です。

販管費の伸びが小さい理由の一つは、注記の隅にあります。のれんの償却額が、前年同期の1,414万円から今年はゼロになっています。2018年に買った子会社ののれんを償却し終えたのだと私は受け取りました。

現金は増えました。ただ、利益ほどには増えていません

現金及び預金は22億6,842万円から25億688万円へ増えました。増えた分は2億3,845万円です。9か月で5億9,068万円の純利益が出た会社としては控えめです。差の一部は配当です。利益剰余金の増加は4億7,299万円なので、純利益との差1億1,768万円が支払った配当のはずです。前期末の配当89円に自己株式を除いた約132万株を掛けると、ほぼ同じ数になります。

残りは貸借対照表の中にあります。

貸借対照表の科目前期末今回
受取手形、売掛金及び契約資産7億8,726万円10億2,149万円
商品及び製品1億6,371万円2億2,811万円
仕掛品3億5,658万円3億9,967万円
支払手形及び買掛金4億3,460万円6億4,608万円
電子記録債務15億8,800万円14億7,362万円

売掛金が2億3,000万円余り増えたのは、売上が2割伸びた会社なら珍しくありません。会社側も売上の伸びによると書いています。気になるのは製品と仕掛品のほうで、合わせて1億700万円ほど積み上がっています。ここまでは貸借対照表の数字です。

納品前の機械が積まれているのだと私は読みました。理由は、計量包装機は作ってから納めるまでに時間がかかる商品で、期末に向けて納品が残っているならここに乗るからです。なお第3四半期はキャッシュ・フロー計算書がありません。珍しいことではなく、通期の短信で確かめます。

期末の4日前に、子会社を1つ手放す

短信の最後、後発事象の注記です。8月7日の取締役会で、連結子会社パックウェルの全株式を、杭州丙甲科技という中国の会社に6億5,000万円で譲渡すると決めました。譲渡の予定日は10月27日で、決算期末の4日前です。譲渡損益は精査中とあります。

パックウェルは、はじめに書いた通販向けの梱包資材と機械の会社で、物流梱包事業そのものです。この9か月で全体の売上の1割強、利益の1割弱を占めます。純資産28億3,300万円の会社にとって、6億5,000万円は小さい額ではありません。

売る理由は、米袋と計量機の包装関連事業に経営資源を集める、というものです。筋は通っています。ただ、買い手の名前を冠した「BJT JAPAN合同会社」が、すでにパックウェルの子会社として同じ注記に出てきます。買い手とパックウェルの間に元からどういう関係があったのかは、短信には書かれていません。

会社はどう説明しているか

説明文で目に留まるのは、主力の客であるコメ流通業界について「市場環境は不安定」と書いていることです。コメ価格の高止まりで消費者の買う意欲が低く、2025年産の玄米の取引にも停滞感がある、とあります。売上が2割増えた会社の説明文としては、暗いほうです。

明るく書いてあるのは機械です。期初の計画に沿って受注を確保し、納品も概ね計画どおりだった、と。資材については、中東情勢で原料の価格が上がる中、販売価格へ転嫁した、とあります。値上げ分の増収なら、米袋の数量そのものは増えていないことになります。

通期予想を引き上げた日に、残り3か月を減収減益と置いた

9か月の累計8月〜10月通期
売上高 前年実績51億2,900万円約19億8,000万円約71億900万円
売上高 今年 会社予想60億4,000万円17億5,200万円77億9,200万円
営業利益 前年実績5億5,400万円約1億9,900万円約7億5,300万円
営業利益 今年 会社予想8億3,400万円1億2,400万円9億5,800万円

約の付いた数字は、表紙の通期予想の増減率(売上+9.6%、営業利益+27.2%)から私が割り戻したものです。8月〜10月の列は、通期から累計を引いた私の引き算です。

営業利益は、通期予想9億5,800万円に対して累計が8億3,400万円で、進み具合は9割近くです。4分の3が目安の時期としてはかなり先を行っています。

引っかかったのはここです。通期9億5,800万円から累計8億3,400万円を引きます。8月から10月の営業利益は1億2,400万円です。前年の同じ3か月は約1億9,900万円でしたから、4割近く減る置き方になります。売上も1割以上減ります。上方修正を出した日に、最後の3か月は減収減益だと数字で置いたわけです。……いや、これは変だ。

なぜそう置いたのかは、短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、同じ日に予想修正のお知らせも出ています。そちらに理由があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

私はどう読んだか

先に一つ消しておきます。パックウェルの譲渡は10月27日で、残り3か月のうち4日分にすぎません。譲渡損益は営業利益より下に出る話でもあります。営業利益の減益をこれで説明するのは無理があります。

考えられる理由は2つです。機械の納品が前半に集中した年で、後半は薄いと分かっている。もう一つは、コメ流通の停滞が資材の数量に及ぶと見込んでいる。

私は後者の見方をしています。理由は、製品と仕掛品が1億700万円ほど積み上がっているからです。納品待ちの機械が残っているなら、後半に機械の売上が大きく落ちるという見込みとは合いません。機械で減るのでなければ、減るのは資材のほうです。資材の客はコメ流通で、そこを不安定と書いたのは会社自身です。

心配性なので、こちらを頭の片隅に置いておきます。通期で増収増益の予想であることは変わりませんし、上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | のむら産業株式会社
のむら産業株式会社のIR情報を掲載しております。

残り3か月を減収減益と置いた理由と、パックウェルの譲渡損益が純利益の通期予想6億9,800万円に入っているかどうかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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