昔の作品が、何年たってもまた売れる会社
カプコンは、家で遊ぶゲームを作っている会社です。据え置きのゲーム機やパソコンで遊ぶアクションゲームが中心です。「バイオハザード」や「モンスターハンター」は、ゲームをしない人でも名前は聞いたことがあるかもしれません。
いまはお店でソフトを買う人より、ゲーム機からダウンロードで買う人のほうがずっと多くなっています。ダウンロード版は棚から消えません。そのため、何年も前に出た作品が、値下げや続編の発売をきっかけにもう一度売れます。この会社の半期の出来は、新作よりも、この売れ直しで決まることが多いです。
ほかに、ゲームセンターの運営、パチンコ店向けのパチスロ機、キャラクターグッズや映画の仕事もしています。
上期だけで、前年の1.5倍
10月27日に出た中間決算です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,208億8,700万円 | 811億5,200万円 | +49.0% |
| 営業利益 | 607億6,900万円 | 393億3,300万円 | +54.5% |
| 経常利益 | 612億1,200万円 | 365億4,300万円 | +67.5% |
| 純利益 | 430億8,300万円 | 275億1,400万円 | +56.6% |
どの段も5割前後の伸びです。経常利益の伸びだけが目立って大きいのには、本業の外に理由があります。
繰延収益が、半年で8分の1ほどに減った
短信5ページ目の貸借対照表で、負債の側にある「繰延収益」に引っかかりました。前期末の90億6,500万円が、9月末には11億2,300万円まで減っています。
繰延収益は、代金はもう受け取っているのに、まだ売上にしていない分です。説明会資料の注記には、本編の発売後に無料の追加コンテンツを配ることから生じるもの、とあります。配り終えるまで、売上の一部を取っておく仕組みです。
取っておいた分は、時期が来ると売上に戻ります。説明会資料の数字では、この上期のデジタル販売のうち75億円がこの戻し分でした。現金は前の期に入っているので、キャッシュ・フロー計算書では△79億4,200万円が引かれています。
上期の売上には、前の期に受け取ったお金が混じっていたことになります。そして、残りは11億2,300万円です。……いや、もうほとんど残っていない。下期はこの戻し分をあてにできません。
利益に、現金がきちんと付いてきた
前年同期の営業キャッシュ・フローは45億2,500万円にとどまっていました。今回は367億6,900万円です。
| 営業キャッシュ・フローの主な項目 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| 税金等調整前中間純利益 | 363億6,700万円 | 612億1,200万円 |
| 売上債権の増減額 | 184億3,500万円 | 71億7,600万円 |
| ゲームソフト仕掛品の増減額 | △133億3,200万円 | △61億1,200万円 |
| 繰延収益の増減額 | △141億1,300万円 | △79億4,200万円 |
| 法人税等の支払額 | △140億5,700万円 | △152億6,700万円 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 45億2,500万円 | 367億6,900万円 |
前年は、開発中のゲームへの支出と繰延収益の戻しが大きく、利益のわりに現金が残りませんでした。今回はどちらも半分ほどに収まっています。売掛金も前期末の332億8,300万円から260億6,300万円へ減りました。売った分は回収できています。
経常利益の伸びの一部は、前年の万博の費用
前年の上期は、営業外費用に「社会貢献関連費用」24億5,000万円が入っていました。注記によると、そのうち24億4,300万円が万博関連費用です。今回は寄付金の1,900万円だけでした。
受取利息も6億6,000万円から12億1,400万円へ増えています。経常利益が営業利益より伸びたのは、この2つが理由です。前年の費用がなくなったことによる伸びは、来年は繰り返されません。
10月に動き始めたパチスロ機が、9月に出荷されていた
アミューズメント機器事業の説明に、スマスロ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』を「9月に14.1千台出荷」とあります。お店で動き始めたのは10月5日です。
パチスロ機はパチンコ店に納める商品です。9月に出荷した1万4,100台は、上期の売上に入っていると私は受け取りました。下期に動き始める新機種の売上の一部を、上期のうちに計上したことになります。
会社の説明は「新作」と「売れ直し」
短信4ページ目で、会社はデジタルコンテンツ事業の伸びを2つで説明しています。新作の『プラグマタ』が270万本、『鬼武者Way of the Sword』が170万本です。そのうえで、前期以前の作品が3,218万本売れ、前年同期の2,285万本を上回った、と書いています。
本数はそのまま受け取ります。留保を付けたいのは『バイオハザードレクイエム』です。2月に発売した作品が800万本を超えた理由に、「積極的な価格施策」と書かれています。値下げで本数を伸ばしたと取れますが、1本あたりいくらで売れたかは、短信からは分かりませんでした。
説明会資料の数字では、この事業の利益率は前年同期の62.9%から61.4%へ少し下がっています。本数の伸びほどには、1本あたりの儲けは伸びていないのかもしれません。
上期で7割を超え、予想は5月のまま
| 上期実績 | 通期予想 | 進捗率 | 下期に必要な額 | 下期の前年比 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,208億8,700万円 | 2,100億円 | 57.6% | 891億1,300万円 | −22.0% |
| 営業利益 | 607億6,900万円 | 830億円 | 73.2% | 222億3,100万円 | −38.2% |
| 経常利益 | 612億1,200万円 | 830億円 | 73.7% | 217億8,800万円 | −42.0% |
| 純利益 | 430億8,300万円 | 580億円 | 74.3% | 149億1,700万円 | −44.9% |
進捗率と下期の欄は、通期予想から上期実績を引いて私が出したものです。
通期予想は5月13日に出したまま、7月の第1四半期でも今回でも変えていません。予想どおりなら、下期の営業利益は前年の下期より4割近く少なくなります。
減る理由として思い当たるのは、繰延収益の戻しがほぼ尽きたことと、パチスロの新機種が上期に出荷を終えたことです。ただ、戻し分は売上で75億円です。前年の下期から4割減る幅を、これだけで説明できるとは考えていません。
予想が古いだけ、という見方をしています
考えられるのは2つです。上期が出来すぎて、下期に反動が来るのか。予想が5月の時点のまま、更新されていないだけなのか。
私は後者の見方をしています。理由は、上期の利益に現金が伴っているからです。一度きりと分かる分を除いても、下期に4割減る根拠は短信には書かれていません。
それでも心配性なので、下期の新作が気になります。『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』は「2027年発売」とだけあり、3月までに出るのかは分かりません。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)

下期にどの新作をいつ出す予定なのかは、短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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