カプコン(9697)2027年3月期 中間決算分析――下期の予想は控えめすぎると読みました

カプコン(9697)2027年3月期 中間決算分析――下期の予想は控えめすぎると読みました 日本株

昔の作品が、何年たってもまた売れる会社

カプコンは、家で遊ぶゲームを作っている会社です。据え置きのゲーム機やパソコンで遊ぶアクションゲームが中心です。「バイオハザード」や「モンスターハンター」は、ゲームをしない人でも名前は聞いたことがあるかもしれません。

いまはお店でソフトを買う人より、ゲーム機からダウンロードで買う人のほうがずっと多くなっています。ダウンロード版は棚から消えません。そのため、何年も前に出た作品が、値下げや続編の発売をきっかけにもう一度売れます。この会社の半期の出来は、新作よりも、この売れ直しで決まることが多いです。

ほかに、ゲームセンターの運営、パチンコ店向けのパチスロ機、キャラクターグッズや映画の仕事もしています。

上期だけで、前年の1.5倍

10月27日に出た中間決算です。

今回前年同期増減率
売上高1,208億8,700万円811億5,200万円+49.0%
営業利益607億6,900万円393億3,300万円+54.5%
経常利益612億1,200万円365億4,300万円+67.5%
純利益430億8,300万円275億1,400万円+56.6%

どの段も5割前後の伸びです。経常利益の伸びだけが目立って大きいのには、本業の外に理由があります。

繰延収益が、半年で8分の1ほどに減った

短信5ページ目の貸借対照表で、負債の側にある「繰延収益」に引っかかりました。前期末の90億6,500万円が、9月末には11億2,300万円まで減っています。

繰延収益は、代金はもう受け取っているのに、まだ売上にしていない分です。説明会資料の注記には、本編の発売後に無料の追加コンテンツを配ることから生じるもの、とあります。配り終えるまで、売上の一部を取っておく仕組みです。

取っておいた分は、時期が来ると売上に戻ります。説明会資料の数字では、この上期のデジタル販売のうち75億円がこの戻し分でした。現金は前の期に入っているので、キャッシュ・フロー計算書では△79億4,200万円が引かれています。

上期の売上には、前の期に受け取ったお金が混じっていたことになります。そして、残りは11億2,300万円です。……いや、もうほとんど残っていない。下期はこの戻し分をあてにできません。

利益に、現金がきちんと付いてきた

前年同期の営業キャッシュ・フローは45億2,500万円にとどまっていました。今回は367億6,900万円です。

営業キャッシュ・フローの主な項目前年同期今回
税金等調整前中間純利益363億6,700万円612億1,200万円
売上債権の増減額184億3,500万円71億7,600万円
ゲームソフト仕掛品の増減額△133億3,200万円△61億1,200万円
繰延収益の増減額△141億1,300万円△79億4,200万円
法人税等の支払額△140億5,700万円△152億6,700万円
営業活動によるキャッシュ・フロー45億2,500万円367億6,900万円

前年は、開発中のゲームへの支出と繰延収益の戻しが大きく、利益のわりに現金が残りませんでした。今回はどちらも半分ほどに収まっています。売掛金も前期末の332億8,300万円から260億6,300万円へ減りました。売った分は回収できています。

経常利益の伸びの一部は、前年の万博の費用

前年の上期は、営業外費用に「社会貢献関連費用」24億5,000万円が入っていました。注記によると、そのうち24億4,300万円が万博関連費用です。今回は寄付金の1,900万円だけでした。

受取利息も6億6,000万円から12億1,400万円へ増えています。経常利益が営業利益より伸びたのは、この2つが理由です。前年の費用がなくなったことによる伸びは、来年は繰り返されません。

10月に動き始めたパチスロ機が、9月に出荷されていた

アミューズメント機器事業の説明に、スマスロ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』を「9月に14.1千台出荷」とあります。お店で動き始めたのは10月5日です。

パチスロ機はパチンコ店に納める商品です。9月に出荷した1万4,100台は、上期の売上に入っていると私は受け取りました。下期に動き始める新機種の売上の一部を、上期のうちに計上したことになります。

会社の説明は「新作」と「売れ直し」

短信4ページ目で、会社はデジタルコンテンツ事業の伸びを2つで説明しています。新作の『プラグマタ』が270万本、『鬼武者Way of the Sword』が170万本です。そのうえで、前期以前の作品が3,218万本売れ、前年同期の2,285万本を上回った、と書いています。

本数はそのまま受け取ります。留保を付けたいのは『バイオハザードレクイエム』です。2月に発売した作品が800万本を超えた理由に、「積極的な価格施策」と書かれています。値下げで本数を伸ばしたと取れますが、1本あたりいくらで売れたかは、短信からは分かりませんでした。

説明会資料の数字では、この事業の利益率は前年同期の62.9%から61.4%へ少し下がっています。本数の伸びほどには、1本あたりの儲けは伸びていないのかもしれません。

上期で7割を超え、予想は5月のまま

上期実績通期予想進捗率下期に必要な額下期の前年比
売上高1,208億8,700万円2,100億円57.6%891億1,300万円−22.0%
営業利益607億6,900万円830億円73.2%222億3,100万円−38.2%
経常利益612億1,200万円830億円73.7%217億8,800万円−42.0%
純利益430億8,300万円580億円74.3%149億1,700万円−44.9%

進捗率と下期の欄は、通期予想から上期実績を引いて私が出したものです。

通期予想は5月13日に出したまま、7月の第1四半期でも今回でも変えていません。予想どおりなら、下期の営業利益は前年の下期より4割近く少なくなります。

減る理由として思い当たるのは、繰延収益の戻しがほぼ尽きたことと、パチスロの新機種が上期に出荷を終えたことです。ただ、戻し分は売上で75億円です。前年の下期から4割減る幅を、これだけで説明できるとは考えていません。

予想が古いだけ、という見方をしています

考えられるのは2つです。上期が出来すぎて、下期に反動が来るのか。予想が5月の時点のまま、更新されていないだけなのか。

私は後者の見方をしています。理由は、上期の利益に現金が伴っているからです。一度きりと分かる分を除いても、下期に4割減る根拠は短信には書かれていません。

それでも心配性なので、下期の新作が気になります。『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』は「2027年発売」とだけあり、3月までに出るのかは分かりません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

2027年3月期 第2四半期 決算短信 | プレスリリース | 株式会社カプコン
2027年3月期 第2四半期 決算短信

下期にどの新作をいつ出す予定なのかは、短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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