シマノ(7309)2026年12月期 第3四半期決算分析――残り3か月の大きな減益見込みが気になる

シマノ(7309)2026年12月期 第3四半期決算分析――残り3か月の大きな減益見込みが気になる 日本株

はじめに

シマノは、自転車の部品を作っている会社です。変速機やブレーキのように、ハンドルの手元と足回りで動く部品を作り、完成車のメーカーに納めています。自転車を買う人の多くは、この会社の名前を意識しません。それでも、坂道でギアを軽くするときに動いているのは、この会社の部品であることが多いです。

もう一つの柱は釣具です。リールや竿を、釣り人に向けて売っています。

どちらも、通勤や趣味で使う道具です。景気や天気で売れ行きが変わります。短信の説明文も、ほとんどが店頭の売れ行きと、店や問屋に残っている在庫と、天候の話でした。

売上は少し、純利益は2.5倍近く

2026年10月27日に出た、2026年12月期の第3四半期決算です。1月から9月までの累計の数字です。

項目今回前年同期増減率
売上高3,752億4,800万円3,510億2,000万円+6.9%
営業利益445億3,200万円365億6,500万円+21.8%
経常利益518億6,400万円302億4,800万円+71.5%
純利益400億2,200万円161億500万円+148.5%

表の下の行に行くほど、伸びが大きくなっています。売上の伸びだけでは、この形は説明できません。

純利益を押し上げたのは、為替差損の縮小と前年の重い税金

損益計算書の営業利益より下を、前年と並べました。

科目前年同期今回
受取利息128億5,400万円94億6,700万円
為替差損183億8,700万円17億1,000万円
投資有価証券売却益―31億4,300万円
法人税等合計139億200万円136億2,600万円

経常利益の伸びの大半は、為替差損が縮んだ分です。前年に出ていた183億8,700万円の為替差損が、今回は17億1,000万円まで縮みました。差は166億円あまりです。営業利益は、前年の365億6,500万円から445億3,200万円へ増えました。為替差損が縮んだ分は、この営業利益の増加分の2倍にあたります。

受取利息のほうは、34億円近く減りました。上場株式2銘柄の売却で、特別利益も31億4,300万円出ています。こちらは一度きりの利益です。

引っかかったのは、税金の行でした。税引き前の利益は前年より大きく増えたのに、税金の額はほぼ同じです。前年の税引き前の利益は、純利益161億500万円に税金139億200万円を足した額です。その半分近くを税金で払っていた計算になり、その重さが今年は無くなりました。前年の税負担がなぜ重かったのかは、決算短信には書かれていません。

現金が455億円減った先は、自己株式と配当

私はいつもキャッシュ・フロー計算書を開きます。ところが短信の10ページ目には、第3四半期は作成していない、と注記がありました。仕方がないので、貸借対照表で現金の減り方を追いました。

現金及び預金は、前期末の4,773億2,400万円から4,317億6,900万円になりました。減った額は455億5,500万円です。注記によると、同じ期間に自己株式を414億1,000万円分取得しました。

配当は、利益剰余金の増え方から逆算できます。純利益400億2,200万円に対して、利益剰余金は99億4,000万円しか増えていません。差の約300億円が配当です。これは私の引き算です。

9か月の利益より多くを、株主に返したことになります。それでも自己資本比率は9割を超えていて、資金繰りの心配をする会社ではありません。建設仮勘定が減って建物が増えているのは、工場の建て替えが進み、完成した分が建物に移ったのだと受け取りました。

釣具の利益が、7割増えた

事業ごとの数字も載っています。

事業売上高 前年同期売上高 今回営業利益 前年同期営業利益 今回
自転車部品2,662億4,300万円2,783億6,100万円301億6,100万円334億4,000万円
釣具844億3,500万円965億7,200万円64億900万円110億7,900万円

売上の4分の3は自転車部品ですが、伸びが大きいのは釣具です。売上100円あたりで比べました。営業利益は、約8円から約11円に上がっています。私の割り算です。

会社は理由として、北米と豪州の「良好な釣況」を挙げています。魚がよく釣れた、という話です。天気が味方した分がどれだけあるのかは、数字からは切り分けられません。

自転車部品は、欧州で在庫の調整が進んだ一方、北米は完成車の値段が高止まりして、店頭販売は低調だと書かれています。

会社はどう説明しているか

経常利益の伸びについて、会社は「為替評価等により」と一言だけ書いています。通期予想の修正では、欧州や中国で在庫の調整が進んで需要が増えたこと、そしてアジア通貨安による利益の改善を理由に挙げました。

もう一つ、第3四半期の3か月に為替評価損などの営業外費用が増えた、とも書いています。これは数字で確かめられます。累計の営業利益445億3,200万円から、上期の272億4,900万円を引きます。残る7月から9月の営業利益は172億8,300万円です。同じ引き算で、経常利益は165億4,000万円になります。上期とは逆に、この3か月は経常利益が営業利益を下回っていました。

会社の説明は、そのまま受け取ります。ただ、アジア通貨安でなぜ営業利益が良くなるのか、その仕組みは決算短信には書かれていません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

項目通期予想進捗率
売上高4,955億円75.7%
営業利益543億円82.0%
経常利益623億円83.2%
純利益470億円85.2%

9か月が終わったので、目安は75%です。利益はどれも、目安を超えています。

問題は、残りの3か月です。

3か月ごとの数字営業利益経常利益
今年の7〜9月(実績)約172億8,300万円約165億4,000万円
今年の10〜12月(予想)約97億6,800万円約104億3,600万円
前年の10〜12月(実績)約151億1,200万円約167億8,100万円

約の付いた数字は、短信の累計・通期予想・前期実績から私が引いたものです。

直前の3か月に172億円を稼いでいながら、10月から12月の営業利益は3割以上減る見込みです。前年の同じ時期と比べても、3割以上少なくなります。……3か月で、ここまで落とすのか。

その理由は、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに理由が載っているのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

私はどう読んだか

私は、営業利益の伸びは本業の改善によるものだと考えています。純利益が2.5倍近くになったのは、主に為替差損の縮小と、前年の重い税負担が無くなった反動です。理由は、2つの事業がそろって増益で、釣具は売上の伸びを大きく上回って利益が増えているからです。

一方で、心配性なので、9か月の好調より、残り3か月の見込みのほうが頭に残っています。会社は何か悪い材料を見込んでいるはずですが、それが北米の店頭なのか、為替なのか、釣具の季節の偏りなのかは分かりません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

Access Denied

10月から12月の営業利益を、前年より3割以上少なく見込んだ理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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